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メディアグランプリ

混沌とした世界に、静寂の3分間を


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:水野雅浩(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「吸っている。吐いている。
吸っている。吐いている」
 
たった数分間のことだった。
 
スノードームの雪が落ちていくような感覚だった。ドーム形の透明な容器の中に人形・建物などのミニチュアが入っていて、動かすことで雪が降っている風景をつくるクリスマスシーズンに見る、あの置物だ。頭の中に舞っていた自覚が出来ないほど、細かい塵のような、ホコリのようなものが、呼吸をするたびに、重量を受けて静かに落ちていった。そして、気がつくと脳内がクリアになっている、そんな感覚だった。
 
呼吸に意識を向け、「今、ここ」にいる感覚に集中している、心のあり方をマインドフルネスという。
 
私が、瞑想に興味を持ったのはいつがきっかけだったのだろうか。20歳の頃、1年間大学を休学してアメリカを旅していたことがあった。その頃、ヒッピーたちが、チベットから持ってきたというシンギング・ボウルを鳴らし瞑想するという会に参加したことがあった。シンギング・ボウルとは鉄のボウル状の楽器で、もともとはチベット仏教の仏具であったが、その音色が美しく瞑想の際に使われていた。
 
そこでは、ヒッピー達が瞑想、メディテーションとは、呼吸に意識を集中させながら、「今、ここ」に集中する状態を作ることなのだ、と教えてくれた。アメリカを旅行する前は、私もインド、ネパール、チベットを旅行していたし、日本でもお寺や神社をめぐることが好きだったので、東洋的な心の静寂を求めるプロセスには興味があった。
 
確かにシンギング・ボウルの音色に耳を傾け、呼吸に集中するプロセスは新鮮だった。心の落ち着きを経験したのはあれが初めてだったかもしれない。座禅に近いものなのかも、と思った。
 
しかし、どうも馴染めなかった。
 
なぜなら、メディテーションが終わると、大麻を炊いてトリップしながらヘベレケになるという具合だったからだ。それはそれで、楽しかったが、やっぱり違うよな…。 と妙に冷めてしまい、数回で出てきてしまった。
 
2回目のメディテーションとの出会いは、香港だった。
 
私は30代前半を香港で高級日本食レストランの立ち上げで香港にいた。香港は、世界の金融都市として生きている街だった。金融街のセントラルには、ウォールストリートよろしく、パリッと光沢の良いスーツをきたビジネスパーソン達が街を闊歩していた。
 
レストランはミシュランガイドブックに掲載されたこともあり、港で活躍するトップの投資家、金融で活躍するビジネスパーソンたちと交流することが出来た。
 
彼らとコミュニケーションを重ねるうちに衝撃を受けたのが、日々の心のメンテナンスにメディテーションを取り入れていたことだった。親しくなった金融マンたちは、メディテーションを習慣にしている理由について、こんな風に説明してくれた。
 
私たち金融の世界では、顧客から多額のお金を預かり運用していく。しかし、その資金を運用していく上で、何かの刺激に対して、感情的に瞬間的に反応していたら、コカ・コーラの瓶をなにかにぶつけると、炭酸が吹き出すように、きっと望まない結果ばかりになってしまう。リーマンショックが起こるような不安定な世の中だからこそ、落ち着いて物事を能動的に選択できるように、メディテーションを習慣にしている。
 
スピリチュアルなことに飛びつくアメリカのヒッピーたちと、億を動かす香港の金融マンたちが取り組む瞑想は同じものだったのかもしれなかった。しかし、香港のビジネスパーソンたちの言葉は、不思議とすっと腑に落ちた。それ以降、瞑想を習慣にすることにした。
 
では、五里霧中の脳内をクリアにするには、どうすればよいのだろうか。
それが、「呼吸を意識する」ということだ。
 
昔はメディテーション≒瞑想となっていが、今は、科学的なリサーチがされ、Googleなどの最先端の企業でも取り入れられ、マインドフルネスという言葉が一般的だ。
 
たった3分で良い。
息を吸う時に、「息を吸っている」と頭の中で唱えながら、息を吸う。
息を履く時に、「息を吐いている」と頭の中で唱えながら、息を吐く。
 
息を吸う、息を吐くことだけに、集中する。
そこには、過去の成功体験も失敗体験もない。
未来の希望も不安もない。
 
ただ、今、ここで
息を吸う、
息を吐くことだけに、
集中する。
 
すると今まで、モヤがかかっていた頭の中が青空になるように、頭がスッキリする。
 
今の世界は、VUCAワールドと言われる。Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字で、私たちの社会や個人を取り巻く環境を言い表した言葉だ。こんな世界の中で、スマートフォンが普及し、世界中の情報がニュース、SNS、メールを通じて絶え間なく届き、それが私たちの感情を揺さぶり続ける。
 
そんな世界の中で、私たちの脳には情報という有象無象のチリが舞い続け、未来や過去の感情が掘り起こされホコリのように舞い続けている。雪山の吹雪で前が見えなくなってしまう前後不覚のホワイトアウト状態だ。
 
マインドフルネスを実践するのは、場所はどこでも構わない。ベッドの上でも、カフェでも、自分の机でも。たった3分間で、本人も気が付かないほどゴミ屋敷になっている脳の掃除ができて、集中力が取り戻せるのであれば、やらないのはもったいない。仕事のアウトプットを高めるためにも。そして、万が一にもストレスアウトしてしまわないためにも。
 
混沌とした世界に、静寂の3分間を投資してみよう。
きっと、思わぬほどクリアなリターンがあるはずだ。
 
 
 
 
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2019-11-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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