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メディアグランプリ

Kくんはなぜ火星に帰ったのか


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:さくらあき(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「またかぁ……」
3ヶ月前の金曜日、昼休みに届いたLINEの通知を見てため息をついた。夜のデートの約束が中止になってしまったのだ。朝から気合を入れてメイクして、お気に入りのワンピースを着て、ちょっとヒール高めパンプスを履いて……準備万端だったのに。
 
マッチングアプリで知り合ったKくんとの、3回目のデート。そろそろ告白してくれるのではと期待していた。
 
「ごめんなさい。急な出張が入ったのでリスケさせてください」
 
正直がっかりしたけど、仕事だから仕方がない。リスケを提案してくれたので、次を期待して待つことにした。
 
けれど、いくら待ってもKくんからのLINEは来なかった。
だから、「こんなのよくあることだ」と自分に言い聞かせた。本音を言えば悲しかったけど。
 
思い返してみると、恋愛は昔から上手くいかない。好きな人には大体振り向いて貰えなかったし、やっと付き合えたと思ったのに3ヶ月で振られたこともある。
 
そんなときは決まって考えた。「私の何がいけないんだろう」って。
 
もっと痩せていれば……もっと可愛ければ……恋愛の失敗はコンプレックスをより刺激した。ダイエットしたり、メイクの勉強をしたり、外見を磨いても思考は変わらない。恋愛で悩んで本屋の自己啓発コーナーをうろうろしていると、ある一冊の本に出会った。
 
心理学博士のジョン・グレイ先生著書の「ベスト・パートナーになるためにー男は火星から、女は金星からやってきたー」だ。この本では男女の考え方や価値観の違いから生まれるすれ違いを、異星人同士のコミュニケーション喩えている。
 
例えば、女性は自分が本当に言いたいことを話しながら思案し、発見する。一方男性は逆に沈黙し、自分の殻の中に閉じこもる。男性が沈黙した時に女性が不安に思い、一方でおしゃべりな女性を男性が時に疎ましく思うのは、こういう性質から来るらしい。
 
253ページとそれ程分厚くはないこの一冊の文庫本には、パートナーだけでなく、家族や職場の異性とのコミュニケーションに役立ちそうな知識がぎっしりと詰まって586円で売られている。たった586円でパートナーシップが改善できるなら、お安いものだ。
本の中で、私が最も参考になった部分を紹介したい。
 
”「男心の”なわばり”に土足で踏み込まない」
女性が肝に銘じておくべきことは、男性がまだ準備不足のうちに、彼の口を開かそうとするのを慎むことである。例え彼が何かに悩んでいたり、ストレスに苦しめられて自分の穴の中に閉じこもってしまっても、それが自分に対する個人的な理由によるものだと受け取ってはならない。そういうことは頻繁に起こることだ。けっして彼女に愛想をつかしたわけではない。時が来れば、彼は必ず帰ってくる。大切なことは、穴の中まで彼の後を追わないことである。もしそんなことをしたら、穴を守っている龍に焼き殺されてしまうだろうー引用ー”
 
女性同士のコミュニケーションは、嬉しいこと、悲しいこと、悩んでいることや困っていること、なんでも話して共有する。共感が欲しいのだ。一方で、男性は自分で考えて解決したいらしい。
 
今までの上手くいかない恋愛パターンを思い返してみると、仕事が忙しいと言って向こうからの連絡が減ったり、会う回数が減った時に「忙しくても連絡くらいできないの? いつまで忙しいの?」と穴まで追いかけていってた。放っておけば、帰ってきたのか!
 
それから考え方を変え、男性の反応に対して、いちいち自分のせいだと思わないことにした。相手は火星人だから、反応の理由は考えてもわからない。
だからKくんから連絡が来ないのも、仕事が忙しいのかもしれないし、他に好きな人ができたのかもしれない。それならそれで仕方がないと思って、別の人と会ったりと婚活を続けていた。
 
「またかぁ……」
先週の金曜日、別の人にまたドタキャンされた。半分ヤケになりながら、忘れていた先週の自分の誕生日ケーキを2個買って家に帰った。もちろん2個とも一人で食べるつもりで。
そこへLINE通知が届いた。
 
「急なんですけど、これから食事に行けませんか?」
Kくんからだった。昔ならそんな急な誘いは断ったけど、会いたいと思ったので乗ってみることにした。2個分のケーキはそっと冷蔵庫にしまった。
 
そして今、Kくんと付き合っている。
仕事がひと段落して、地球に帰ってきたようだ。Kくんは、火星での出来事を話してくれたし、金星人の話もよく聞いてくれた。すごく楽しかった。
 
ジョン・グレイ博士の著書の冒頭にはこう書いてある。
異星人同士の恋は燃え上がり、最初は楽しくお互いの違いを学び、理解しようとする。しかし一緒に地球へ移住し、時間が経つと、お互いが別の天体からやってきた身であり、根本的な違いがあることを忘れ、すれ違ってしまうのだと。
 
まだ燃え上がってもいない私たちの恋は、この先どうなるかわからない。
でも、できればKくんと……地球で仲良く暮らしたい。
 
 
 
 
***
 
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2019-11-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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