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結婚のプロ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【12月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:村野友美(ライティングゼミ・平日コース)
 
 
ある会社で働いていたころ、クレーム研修というのがあった。
 
業務上実際にクレームを受けることはなかったが、
クレーム対応部署の人たちの苦労やお客様の怒りのポイントを知ることは、
確かに、勉強になるはずだと思って喜んで参加した。
 
クレーム処理のプロの先生は女性だった。
 
クレームの電話をしてくるお客様はとにかく怒っている。
それも尋常ではない怒りである。
怒りが沸点を超えたからこそ、面倒な電話をかけて
感情を訴えるという行動に出るのだ。
おまえ、と言われたり、男の上司を出せと言われることもあるという。
 
「とにかく、お客様のお話を遮らず、ひたすら聴くことです」
 
なるほど。
 
クレームを受ける側にしてみれば、問題を解決せねば、と思うわけで、
ついつい、提案や説明をしたくなるだろう。
 
でも、それはもっと後の話らしい。
とにかく、ひたすら「聴く」のだそうだ。
 
「お話をお聴きする時も、適当ではいけません。
相づちにも工夫が必要です。」
 
「そうですね。 そうでしたか。ごもっともです。
それは申し訳ありませんでした。と、
相手が怒っているという事実をすべて受け止めてあげるのです」
 
ひたすら聞き役にまわって、お客様の怒りをすべて吐き出させる。
これで9割のクレーム処理は完了なのだそうである。
 
先生に言わせれば、クレームはファン作りのチャンス。
 
そもそも商品をきちんと使いたいからこそのクレームである。
興味がないわけではない。強い顧客になる潜在的な可能性があるのだ。
 
怒りの感情を吐き出したお客様は、一方的に罵倒し続けるわけだから、
一切の抵抗をせずに自分の言い分を聞き入れてくれる相手の態度に
だんだん冷静さを取り戻すとともに少し後ろめたさも感じはじめ、
心を少し開いてくれるのだ。
あんたの話も聞こうじゃないか、となってくるらしい。
そうなったときにはじめて、解決への提案をするのだという。
 
講師の先生は3時間もの間、1人のお客様のクレームを
聞き続けたこともあるそうだ。
最後には、
「あなた、ぜひうちの息子の嫁になってくれないかと言われました」
にっこり笑って先生は言う。
 
すごい。クレームをきちんと処理するだけでなく、
怒り狂っていた相手を自分(あるいは自社)のファンにしてしまう。
プロだ。
 
さて、このクレームを言っているお客様、何かに似ている。
 
結婚している友人の多く(いやほとんどと言っていいだろう)が、
ご主人に対して「話を聴いてくれない」という不満を持っている。
私もその一人だ。
 
忙しいから、疲れているから、という理由は分かるが、
たまに聴いてくれても、で、あなたはどうしたいの?と返ってくるという。
 
「そうじゃないのよ。別に解決してほしいわけじゃないの。
ただ、話を聴いてほしいのよ」
 
うん、分かる。そのとおりだ。うちも全く同じ。
 
つらつら話をしていて、ふんふんと聴いてくれていると思ってたら、
で、オチは? とくる時もある。
 
日常会話にオチなんてないってば。
ただ、あーだ、こーだと話したいだけなのだ。
 
ある時、夫から言われた。
「問題を解決するにはどうしたらいいかを必死で考えてるのに、
それが目的じゃないなら、はっきり言ってくれないとわからないよ。
何がしてほしいのか教えてくれないと」
 
学習が必要なのだ、と。
 
AIか!とつっこみたくもなるが仕方ない。
男性と女性は脳の構造が違うのだろう。
 
無駄話がいかに大切か。
どこの誰がどうした、こうしたという一見無駄話のようなものの中に、
いろいろな情報が詰まっていること。
その些細な情報を共有しておくことで
さらにいろいろな会話に発展しいき、絆がうまれるのだということ。
話しているうちに気持ちの整理がつくこと。
体験を共有したいだけのこともあること。
 
などなどを説明した。
 
おかげで夫は話を聴いてくれるようになった。
右から左で、忘れてしまうことも多いが、
とりあえず聴いてくれるようになったのはありがたい。
 
怒りをぶつけてくるお客様も、話しを聴いてほしい妻も、
詰まるところ、大事にされたいだけなのである。
 
あなたはとても大切な人ですよ。
 
と、扱われているという認識がほしいのだ。
 
いや、まてよ。
ということは夫だって、同じはずだ。
男性は話を聴いてほしいという欲求は少ないかもしれない。
 
でもお仕事ご苦労さま、あなたって本当にすごい!
その仕事ができるのはあなただけ!などなど、
毎日のがんばりをきちんと見ていますよ、という声がけや態度を
本当のところは妻に求めているのかもしれない。
 
商品を購入したけど不満があるお客様と、
縁あって結婚までしたけど相手に少し不満を持っている夫婦。
 
潜在的にもっと強いファンになる可能性を秘めているはずだ。
 
相手を大事にすることで大事にされる、
当たり前のようだが、できているのかと改めて振り返ってみたいと思う。
 
クレーム処理の先生のように結婚のプロを目指したい。
 
うーん、とりあえず夫だけ、おかずを一品増やすところからはじめましょうか。
 
 
 
 
***
 
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

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2019-12-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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