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メディアグランプリ

不思議の国の医療脱毛


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:生駒 希(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「医療か……エステか……」
 
3年ほど前に、脱毛をするべきか悩んでいた。そもそもそんなに毛も濃くない、自己処理で十分! お金もかかるし! と思っていたけど、スポーツジムに通うようになってから、人前で着替えたり、日常生活では中々しないようなポーズになったり、トレーナーさんが接近したりと、思わぬところで乙女心はピンチに晒されることになる。ダンベル、バーベルを上げているときのヤバイ顔を見られていることは一旦忘れておくことにして。
 
自分で解決できるコンプレックスは解決しておくに限る。コンプレックスは足枷になる。知らず知らずの内に自分を縛り付けて、その場に留めさせる恐ろしい作用がある。
 
脱毛には医療脱毛とエステ脱毛の2種類がある。ざっくりいうと、レーザーの種類と出力の違い。医療脱毛はその名の通り、医療行為になる。対するエステ脱毛は、費用が安い、お肌に優しい、痛みが少ないなどの嬉しいメリットがある。ただその分通う期間が長い、有名なサロンだと予約が取りにくいというデメリットがよく知られている。3~4年通いながら、イマイチ効果がないように感じている友達もいる。
医療脱毛は費用が高い、痛みが強いというデメリットがあるが、なんといっても毛を作る細胞そのものを破壊させる永久的な脱毛だ。半年~1年程度で終了する。
 
「じゃあやっぱり医療だな。でも……」
 
私は看護師だ。看護師界隈でまことしやかに流れているウワサがある。
 
「美容クリニックの看護師、怖い説あるからなぁ……」
 
しかし時はボーナス月。無料カウンセリングだけでも行ってみようと、TVでもCMが流れているような大手のクリニックに足を運ぶ。そして撃沈したのだ。
やりたい部位を伝えたのにも関わらず、背中にも毛が生えている、全身の方がお得だからとローンを組むことを勧められる。絶対に日焼けしないって約束できますか?! と詰め寄られる。そもそも語気が強いひとが苦手な私は、それだけで尻ごみして逃げ出してしまった。ちなみに、全身(顔、VIO含む)で約40万円との見積もりを出された。
 
「あのウワサ、本当だったよ……」
 
仕方がないので稲川淳二の如く怖い看護師の話をし続けた私にも、再考の機会がやってくることになる。消費税の増税だ。高い買い物は9月までに済ませよう、というムードに自分から流されることにした。口コミでとにかく『看護師さんが優しい』と書いてあるクリニックを探した。むしろそれ以外はどうでも良いといえる。仕事でも看護師さんに虐げられている看護師は、プライベートでわざわざ怖い思いをしたくないのだ。そしてたどり着いたのは、駅こそ横浜駅という都会にも関わらず、隣の隣のビルは風俗店、隣のビルに至ってはなんの業態か全くわからない雑居ビルだった。周囲を見回して、かろうじてそのクリニックだけが入っても大丈夫そうなビルに見えた。
 
「あー……これは、失敗……かも?」
 
不思議の国のアリスのウサギ穴に落ちる気持ちで怪しげな雑居ビルに潜入。クリニックの中は意外や意外、清潔感のある内装で、受付のお姉さんも優しく対応してくれた。カウンセリング中もひとつひとつ丁寧に話をしてくれた。
 
「そんなにこまめに日焼け止め塗れないし、日焼けしちゃうかもしれないです」
 
と伝えたところ、
 
「ちょっとくらいなら大丈夫ですよ~! ちょっと気をつけてくださいね!」
 
とのお答えをいただいた。ハートの女王のような威圧的な態度もなく終了した。値段も顔、VIOは含まれないが、はじめにカウンセリングを受けたクリニックのほぼ半額という見積もりになった。逆に出来すぎていて、これが俗にいう夢オチでは……? と不安になったものの、クリニックのひとが優しかったから、その場で契約をした。後から思い返すと、確かにお綺麗なひとたちばっかりだったような気がする。
 
今日で3回目の施術をしてもらった。毎回違う看護師さんが対応してくれるが、皆さん優しい。だいぶ毛は薄くなって、毛穴も閉じてきたように感じる。肌がきれいに見える。費用対効果はバツグンだし、なにより自己処理が必要なくなるとその分の時間も浮く。忙しい現代人が、医療脱毛をしない理由が見つからない。どうして今まで脱毛しなかったんだろうと、若干後悔している。強いていうなら、冬場はどれだけ暖房を入れてくれていても、全裸でジェルまみれになるのが死ぬほど寒い。
 
乙女心のピンチは、落とし穴みたいにそこらじゅうに存在している。きっと、それが商売になるからだろう。コンプレックスは自分の力にもなれば、呪いにもなる。たかが脱毛、されど脱毛で、肌を見せる自信がついただけで少し強くなったようにも思う。怪しげな雑居ビル上等。気持ちを上げていけるものはどんどん使おう。
 
 
 
 
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

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2019-12-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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