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メディアグランプリ

ひとりぼっちがインターネットと共に成長して友達を増やした話


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:風希理帆(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「件名:初めまして。
本文:突然のメール申し訳ありません。○○と申します。あなたをお気に入りユーザー登録させて頂きたいと考えているのですが」
 
そのメールを送った時は、清水の舞台から飛び降りるような気持ちだった。○○は今はもう使っていない、某小説投稿サイトでの私のユーザーネームだ。送信時のタイムスタンプは二〇一六年二月二六日。今から約四年前にサイトで送った一通のメッセージが、私の人生における人間関係を変えた。
 
さかのぼること十八年前、小学六年生の頃、最近インターネット上の掲示板で、二人の人と仲がいいという話を学校の先生にしたら、ひどく怒られた記憶がある。
 
「そんな危ないものに手を出すのは止めなさい! 顔の見えない相手との交流なんて!」
 
確かそんな感じのことを言われたように思う。
 
内向的でこだわりが強く、なかなか友達ができない学生生活を送っていた私は、ネット上で年上の人達が、自作の小説やイラストを展示しているホームページを閲覧して、可愛いキャラクター達から元気をもらって生きていた。しかし、自分も小説やイラストを書いていたけれど、ネット上で発表することはしなかった。
 
当時はネット上で作品を発表するためには、一から自分でホームページを作らなければならず、小・中学生には少しハードルが高かったのだ。それに、ネットから元気を貰うと同時に、ネットから先生の言われるような危うさを感じていたことも、自分から作品を発表しない理由の一つだった。
 
例えば中学生の頃には、自分の使っていたパソコンにウイルスが送られてきて、パソコンが使えなくなってしまったことがあったし、高校生の頃にはネット上にメールアドレスを晒してしまい、おかしなメールがどんどん来るようになったこともあった。そういったことが何度か積み重なり、私は徐々にインターネットを怖がるようになっていた。
 
高校卒業後に家業を手伝っていた頃は、一年半ほど全くパソコンに触らなかった時期があった。当時の私は少し精神的に不安定だったこともあり、少しでもネット上で個人情報を漏らしたら、誰に自分を特定されるかわからないという強い恐怖に囚われていた。
 
以前はネット上で作品のファンになった人に、匿名で応援メッセージを送ったりしていたけれど、そういうことも全くしなくなった。メールも誰にも送らなくなり、進学を選ばなかったこともあり、オフでも友人がいなくなってしまったころ、やっと私は数年遅れて大学に進学した。
 
久々に社会に出てきた時、ネット環境は進歩を遂げていた。Pixiv、Youtubeなど、簡単に自分の作品をネット上にアップできるサイトが登場し、個人でホームページを作る必要がなくなっていた。セキュリティ面でも自分で全てを管理する必要がなく、トラブル発生時にはサイト管理者に通報するなどの対策がとれるようになっていた。
 
それならばと、私は密かに書き溜めていた小説を、ネット上の小説投稿サイトに投稿し始めた。ここまで書いてきたようなことがあったので、サイトにアカウントを作って作品を投稿するだけでも勇気が要ったけれど、当時はどうしても人に読んでもらいたい小説があったのだ。
 
ところが、投稿を始めて一年ほど経った時、相互にお気に入りユーザー登録している人がいないと、継続して自分の小説を読んでもらうことは難しいことに気がついた。そして運命の2016年2月26日がやって来る。
 
作品を見てくれる人が一人でも増えてくれればと思い、私はその日勇気を振り絞って、初めて見知らぬサイトユーザーさんにメッセージを送ろうとした。冒頭に書いた文章の続きはこうだった。
 
「顔見知り以外をお気に入りユーザー登録するのは初めてで、先に一言ご挨拶をと思ってメールさせて頂きました。もちろん断って頂いても構いません」
 
だって、怖かったのだ。上に書いてきたような生活を送ってきたのだから、いくら精神的に回復したとはいえ、初めてネット上に作品を投稿したときも、恐ろしくてたまらなかったのに、素性がよく分からない人に絡むだなんて。自分からアカウントをフォローするだなんて。
 
「そんな危ないものに手を出すのは止めなさい! 顔の見えない相手との交流な
んて!」
 
小学生の時に先生に言われた言葉が脳裏に蘇った。
 
しかし私は、思い切って送信ボタンを押した。それから数日が経ち、相手の人から帰ってきたメッセージにはこんな風に書かれていた。
 
「件名:いらっしゃいませ。どうぞよろしくお願いいたします
本文:こんにちは。△△です。◆◆様のリンクからお越し下さいましてありがとうございます。もちろん登録して頂いて全く問題ございません」
 
あんなに怖く感じていたネット上で人と関わることは、相手の人が快い人だったこともあり、すんなりとうまくいってしまったのだった。
 
一度ネット上で人と交流を始めてみると、同じサイトを使っている人達とは、共通の小説という趣味があったので、話が合いやすかった。それに、オフでは知らない人にいきなり「その小説は面白いですね」と話しかけたら、どうしても警戒されるけれど、サイト上では初対面の人にも簡単に、メッセージ機能を使って話しかけることができた。
 
直接人に話しかけられない自分には、メッセージ機能で話すきっかけを作り、人と繋がるという方法が合っていたのだ。取り返しのつかないようなトラブルは起こらなかった。それはサイト管理者様のお陰もあるし、これまで色々痛い目に遭ってきたから、以前より判断能力がついていたというのもあった。
 
好きな小説に感想を書き、書かれ、小説の作者にも直接メッセージを送り、送られ、そのうちユーザー同士のオフ会にも行くようになり、いつしか私は人生史上最高に友達が多くなっていた。今では先生の言葉が脳裏に蘇ってくることはなくなった。もしもあの時の先生に出会えたなら、こう伝えたい。
 
「確かに見ず知らずの人の中には怖い人もいます。あの頃の私は小学生で知識も浅く、当時のネット環境はセキュリティ面でも万全ではなかったから、叱って下さって正解だったと思います」
 
「でも、私はインターネットを使っていたおかげで、勇気を出して見ず知らずの人とコンタクトを取ったおかげで、大勢の人と出会い、仲良くなることができました。ネット環境は使う人や時代によって、良いものや悪いものに変化します。私はそんなネットとうまく付き合っていきながら、ネット上で文章を発信することを、これからも続けていきたいです」
 
これからもっともっと、沢山の人に出会いたいから。
 
 
 
 
***
 
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2019-12-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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