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裏切り者と言われても、後悔しない決断とは

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:大西 栄樹(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「なんで言ってくれんかったんや? 営業、嫌やったんか?」
 
廊下に私を呼び出して、上司がつぶやく声は低く、目はやや潤んでいた。
怒りとかではなく、寂しさのようなものが雰囲気に漂っていた。
私はとにかくいたたまれない気持ちで、何と答えたのか。今となってはあまり覚えていない。
 
4年前のことだ。社内転職をした。営業から広報へ。
社内の転職なので色々と波風が経った。でも、私はこの経験から後悔しない決断の仕方を学んだ。
 
私の会社には、人財公募という、社内版の転職制度のようなものがあった。ある部門が求人を出して、社員が応募して、合格すれば異動できる制度である。そして、合格して異動が決まるまでは、自分の現在の所属部門へは何も知らされない。
 
不合格であれば誰にも知られない。合格すればある日突然、上司が人事から「あなたの部下の○○さんが人財公募制度で異動です」と告げられる。上司からすると、まさに寝耳に水。そんな制度だ。
 
4年前、私はこの制度を使い、異動した。いや、実質は社内転職という方が正しい。
今でこそ少しずつ使用する人が増えてきたが、当時はまだまだその制度を使用する人は少なく年間でも数人という状況だった。
 
公募に応募した理由は2つあった。
営業以外の仕事をしてみたかったこと。営業で携わる業界のことだけでなく他の業界など広い世界が見てみたかった。もう一つは、家庭の事情だ。妻の職場に近いところに住み、彼女の負担を減らしたかった。
この2つの理由を満たすのが、品川で勤務できる広報というポジションの求人内容だった。
 
営業という仕事は嫌いではなかった。正直、新入社員から3年目くらいまでは、全く何もできなくて成果も出せなかった。それでも営業所の同僚、上司など人間関係も恵まれ、教えてもらい頑張っているうちに、仕事上でもリーダーを任せてもらうくらいになった。
 
「このままいけば、営業のままで昇格していけるのだろう。でもこのままでいいのかな」
そんな気持ちを持っていた。現在の作り上げてきたポジションを捨てる気持ちと、このままでいいのかという疑問が心にあった。
 
公募に応募することを、妻以外の人には相談しなかった。
会社の人に相談すれば迷いが生じると思った。それに、個人的なことの相談があまり得意でない性格であったこともある。
 
「私のためにしてくれることは嬉しいけど、新しい仕事でしょ? 後悔しない?」
妻は、私が後悔しないかだけはとても気にしてくれた。
 
「やってみたい仕事でもあるから逆にいい機会やと思ってる」
本当にそう思っていたので、後悔はしないと思えていた。
 
このあとの人生を決めるはずの大きな決断。
それなのに、決めることに迷いはほぼなく、一日で決めて応募ボタンを押した。
 
こうして異動したわけだが、異動後は周りから色々と言われた。
 
「裏切り者」「脱北者」「逃げだな」
いろんな言い方があるもんだ。別に会社を辞めたわけでもないのに、みんなそこまで思うんだな。
 
しかし、後悔したりすることは一切なかった。
 
あれから4年が経った。自分の意思で選んだ仕事なので、もう逃げ場はないと思い必死に頑張ることができた。営業の時よりも仕事への熱心に取り組んだ。その結果、大きく成長することができたようにも思う。
 
そうして、偶然にも再び当時所属していた営業の時の上司と仕事で関わるようになった。
 
「久しぶりやな。頑張ってるみたいやな!」
 
彼の表情は明るく、当時の寂しさは微塵も感じなかった。後から聞いたところ、人づてに私の異動後のことを気にかけてくれていたらしい。
 
裏切り者などという人もいなくなった。結局、時間が経つと人の見方や対応は大きく変わる。
当時の私のように、今、あまりいい言葉をもらっていない人は、時間という武器を使ってみてほしい。人の気持ちなんてそんなものだ。
 
生きていると決断に迷うことは多くある。決断に迷う理由の大部分は、「周りの目や評判」ではないだろうか。大きな決断であればあるほどそうかもしれない。
しかし、決断の際に周囲のことを気にすることは全く意味がないと今でははっきり言える。
 
私は周りから何を言われても、上司の寂しそうな顔を見ても後悔しなかった。
そんな決断を決定づけたもの。それは、
 
“99%の覚悟と、1%の直感“
 
周りの目や評判を全く考えなかったわけではない。しかし、最後は覚悟と直感だった。
大事なのは「覚悟」を99%分持つこと。その上で、直感1%は最後のひと押しで使う感じだ。
この直感が意外と大事だ。直感があると、開き直りができるようになり最後の後押しをしてくれる。
 
今年一番共感した言葉がある。イチローの引退時の言葉。
 
「後悔などあろうはずがありません」
 
まさに自分が決断を経て、今感じている気持ちと同じ。おそらくイチローは私とは比較にならないほどのプロとしての覚悟と直感を持っていたのだと思う。
 
この決断のコツを知ってからは、覚悟が99%持てないうちは決断しない。そういう使い方もできることがわかった。
 
世の中には「後悔しない○○」という本がたくさんあるが、色々言われてもできないので、この2つでいいかなと思う。この2つにこだわっていく先に、イチローの見ている世界が待っているような気がする。
 
 
 
 
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2019-12-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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