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メディアグランプリ

1歳6か月の甥っ子と海外旅行に行ってみたら、そこはRPGの冒険の世界だった


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:まる(ライティング・ゼミ平日コース)
 
「うわあぁぁん、うう、うわあぁぁん」
これほどだったとは。甥っ子が泣き始めて2時間は経っているのではないか……。夜中の12時。旅の疲れで、うとうとと私の瞼は閉じていき、泣き声で目が見開く。これをいく度と繰り返し、いつの間にか私の意識は遠いていった。
 
11月末。私はようやく取れた夏休みで、母、姉、そして1歳半の甥っ子とともに3泊4日の海外旅行に出かけた。行き先はグアム。育児休暇中に一度は海外旅行に行きたい、という姉たっての希望だった。母と姉は何年も前からハワイに行きたがっていたが、甥っ子を連れた初めての海外旅行ということもあり、今回は近場のグアムに落ち着いた。
 
私は、甥っ子の遊び相手と現地での荷物運びといった雑用係りとして呼ばれたようだったが、久しぶりの海外旅行に胸は弾んでいた。しかし、旅行前から気がかりだったのは、やはり甥っ子のお世話だ。甥っ子は大の人見知りで、子どもの遊び場に連れて行っても、他の子どもが使っている遊具には姉(甥っ子の母)が連れ添わないと遊べない。姉の友人が自宅に遊びに来た時も、泣き続けてしまうらしい。かく言う私も例外ではなく、甥っ子に顔を近づけた時はパンチをお見舞いされた。手加減を知らない1歳のパンチは結構痛い。激愛しているだけに、泣かれる度に私のガラスハートは粉々だ。そんな甥っ子が、飛行機に乗り、知らない人ばかりの海外に行ってしまったらいったいどうなるのだろうか……。私の心配をよそに、姉はグアムではここのシーフードが食べたい! とか、ホテルのラウンジから見た夕陽がきれいらしいとか悠長に構えていた。
 
旅行は、予想に反して順調だった。
心配していた飛行機では、甥っ子は姉の膝の上でぐっすりと眠っていたし、初日の夕食では、離乳食をおなか一杯食べてご満悦の様子。初めて海に入った甥っ子の笑顔を見たときは、胸がいっぱいだった。
そして、何よりグアムは子どもに対して温かい国だった。
2日目の夜に宿泊先のホテルで夕飯を食べた時、甥っ子が急に泣き出してしまった。姉が急いで甥っ子を抱きかかえてあやしていると、ホールスタッフが笑顔で大丈夫? というジェスチャーで近づいてきてくれて、お絵描きグッズを渡してくれた。人見知りの甥っ子はホールスタッフが近づくと、さらに泣いてしまうのだが、その反応を見ると、笑顔でさっと身を引いてくれた。グアムの旅行中訪れたお店では、皆そうだった。子どもに気さくに話しかけ、機嫌がよくなる子どもには、さらに話しかけ、甥っ子には、シャイボーイなのね、私もよ、と言ったりして、子どもの反応にあわせて距離感を調整してくれる。
日本では、レストランや電車で子どもが泣いてしまった時、そこまで寛容だろうか。子どもも泣きたくて泣いている訳ではないのに、すぐ泣き止まなければ、母親が横目で見られたり、場合によっては、なんでこんなところに子ども連れてくるんだと言われることさえある。
グアムでは、こどもは泣くもの。みんな子どもの時期を通って大人になる。温かく見守るものだという考え方が根付いているのかもしれない。
 
心配は取り越し苦労であればよかったのだが、今思い出しても、最終日の夜は散々だった。
夜9時頃、旅疲れから大人3人は目を閉じればすぐにでも寝られる状態だった。しかも翌日の出発は朝4時。すぐにでも寝たいのだが、いつもとは違う環境に甥っ子は興奮状態に。すごく眠そうなのに、うとうとすると泣き出し、「カンシェン、カンシェン」と言ってドアの前に行こうとする。カンシェン(新幹線のおもちゃ)で遊びたいと泣き出す。ホテルで泣き続けるのも良くないと見かねて、ベビーカーに乗せて姉と一緒に散歩にでかけ、落ち着いたと思ってホテルに戻るとまた泣き続け……。子育ては大変なんだなと姉が甥っ子を抱きかかえている様子を見ているとだんだん意識が遠のき、気がついた時には朝だった。
 
無事、翌朝日本行きの飛行機に乗りながら、昨夜のことを思い返していた。甥っ子がいくら泣いて暴れても、一度も叱ることなく、優しく抱きかかえ、トン、トンと背中に触れる姉の姿。そこには「母親」の顔をした姉がいた。泣き続ける甥っ子を前に慌てる私とは対照的に。6歳離れた姉とは、子どもが生まれる前まではよく2人で遊びにいき、たまにけんかもする友達のような存在でもあった。そんな姉の母親としての新たな一面を知り、温かく、とても誇らしい気持ちになった。
帰りのフライト中に、次はハワイに行こう! という母と姉の会話が聞こえてきた時はさすがにぎょっとしたが。いつの世代も母親は強い。
 
そして旅行以来、一つの変化が現れた。
ちょうど仕事が終わるころ、姉からFacetimeがかかってきた。しばらく、私は携帯の画面から目が離せなかった。これまで携帯の画面に映る私の顔を見ると姉に隠れていた甥っ子が、なんとこちらに向かって笑いかけていたのだ!
旅行は、いつもと違った環境に身を置くことで、RPGの冒険ゲームのように自らを成長や人生をより豊かにするための新たな気づき、発見を与えてくれる。また、誰かと一緒に旅することで、いつもとは違った良い一面を知ることができたり、魔法は使えなくても、楽しいこと、困難を一緒に乗り越えることで、仲が深まることもある。
今度の休日に、羽を伸ばして旅に出かけてみてはどうだろうか。
 
 
 
 
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2019-12-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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