fbpx
メディアグランプリ

これは絶対に食べてほしい 北海道の大地の恵み


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【12月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

 
 
記事:一ノ瀬 朔(ライティング・ゼミ平日コース)
 
北海道、函館市に住んでいる祖母から、年に数回、宅急便で箱が送られてくる。
 
お菓子であったり、豚ハムであったり、五島軒カレーの缶詰セットであったり……
 
全部が全部、美味しいことには間違いないのだが、特に「やっぱり、北海道って、すごい」と、舌鼓を連打したくなるものがある。
 
その至極の品が届くのは、春と秋の二回。
 
「おばあちゃんから、例のあれ、届いているよ」
 
母からの朗報に、毎度、私はにんまりと口角を上げ
 
「ふふふ」
 
と、怪しい笑みを作るのだ。
 
第一波。逞しきアスパラ。
 
昔、私はアスパラが嫌いだった。あの筋っぽくて噛み切りづらい食感が苦手だったのだ。
 
初めて、祖母からアスパラが届いたときは、祖母に悪いと思いながらも、つい落胆してしまったことを覚えている。
 
「アスパラ、あんまり好きじゃないんだよなぁ……」
 
けれども、アスパラを送ってくれた祖母の顔を思い出すと、食べないという選択肢を取ることはできなかった。
 
純粋で人を喜ばせることが好きな祖母。きっと、「喜んでくれると良いな」と、胸をワクワクさせながらアスパラを送ってくれたに違いない。
 
嫌いでも、とりあえず食べたという事実を作って、「アスパラ食べたよ、ありがとう」と、お礼を伝えよう。私は、祖母をがっかりさせないためにも、アスパラを食べることを決意した。
 
箱詰めされていたアスパラは、バター醤油炒めとして夕飯に飾られた。
 
斜め切りにされたアスパラとベーコンが合わさった一品。香ばしくもマイルドな香りが漂ってくる。サイドメニューでありながらも、その存在感は抜群だ。
 
いただきます、と言って、できるだけ小さそうなアスパラを二本と、ベーコンを五枚ほど小皿によそった。
 
「無理しなくてもいいんだからね」と言ってくれた母に頷きながら、恐る恐るアスパラを口に放り込むが、やはり、噛むのに躊躇する。
 
このまま、噛まずに飲み込んでしまおうか、と考えたのだが、すぐに「おや?」と首を傾げた。
 
ベーコンの油のせいか、バター醤油の味付けのせいか、アスパラが異様なほどに甘く感じるのだ。
 
まだ、ひと噛みもしていないと言うのに、口の中で甘さがホワッと広がる。
 
気づいた次の瞬間には、勝手に顎が動いていた。
 
ひと噛みして、アスパラの概念に穴が空いた。筋っぽさが、ほとんどない。
 
ふた噛みして、そもそもアスパラってなんだったっけ? と、新しい出会いに遭遇した気がした。野菜とは思えない甘さがジワジワと溢れてくる。
 
「これ、本当にアスパラ?」
 
疑いながら二口目を食べてみる。筋はあるはずなのに、バリッと簡単に噛み切れる。バター醤油味が霞むほど、アスパラの甘さが凄まじい。
 
「食べられそう?」「食べますよ。うん、これは、食べますね」「そんなに?」「え、これ、たくさん食べても大丈夫?」
 
スイッチが入れば、もう、お箸は止まらない。他のおかずに目もくれず、アスパラばかりを口に放り込む。
 
あと、どれくらいのアスパラが残っているのだろうか。食い意地を爆発させた私は箱に残っているアスパラを確認し、そして、「うわ、逞しっ」と思わず驚いた。
 
東京のスーパーで見かけるアスパラよりも断然に太い。軽く、二倍はある。色だって、健康な瑞々しい緑色だ。
 
後日、天ぷらにして少量の塩をつけて食べたときには、ついつい両手を結んで祈りのポーズをとってしまった。
 
「出会えたことに、感謝」
 
母、父、静かに苦笑い。
 
以降、好きな食べ物ベスト3に、アスパラが鎮座することとなる。
 
第二派、黄金色のジャガイモ。
 
見事なほどに黄金なのだ。ジャガイモではなく、ジャガイモの皮を被ったサツマイモなのでは? と疑ってしまうほどに。
 
“インカのめざめ”という荘厳な名前のついたこのジャガイモは、見た目・味ともに名劣りしない、芸術品。
 
是非とも、ホイル焼きで頂いてほしい。そのままの味を知ってほしい。
 
皮は剥かない。皮の汚れを水洗いし、アルミホイルで包んでオーブンか魚焼き機で20分ほど焼く。
 
竹串がスッと刺せるほど火が通れば食べごろ。
 
まずは、そのまま味わってみる。
 
「甘っ!」
 
と、言わずにはいられない、抜群の甘さとの出会いが訪れる。
 
ホロホロと柔らかいのに、ねっとりとした口当たり。噛まずとも口の中で勝手に溶けていってしまう。チョコレートか、いや、ジャガイモである。
 
皮も、皮だからと言って残しては勿体ない。ホイル越しに浴びた熱で香ばしさを得た皮は、自然の塩気を帯びていて、これまた、クセになる味なのだ。
 
どうしてジャガイモの表面積分しか皮がないのだと、悔しくなるくらいに、いい味をしている。
 
ひと通り、素の味を堪能したら、バターや塩をかけてみるのも、ホイル焼きの醍醐味。
 
溶けたバターと一緒に食べれば、しっとりとしたマイルドさを楽しめるし、塩を振れば、より一層に甘みを感じる。
 
ひと口でも、この黄金色のジャガイモの素の味を知ってしまったら、ジャガイモだから、という理由でカレーに入れようとは決して思わないだろう。
 
勿体ない
 
そのひと言で却下となる。
 
逞しいアスパラも、黄金色のジャガイモも、北海道でないとなかなか手に入らない品物。
 
いや、北海道で手に入るものこそ本物の味だ、と言った方が正しいかもしれない。
 
たとえ、北海道以外のスーパーなどで手に入ったとしても、やはり、味の質が違ってきてしまうのだ。
 
だからこそ、北海道へ足を運んだ際は、是非ともその手に“大地の恵み”を取ってほしい。
 
自分で食べるのも良し、友人へのお土産にするのも良し。
 
その味をひと口体験した瞬間「あぁ、なるほど」と、私が語った至極の味に共感してくれるに違いない。
 
 
 
 
***
 
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

【12月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜


 

天狼院書店「東京天狼院」 〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F 東京天狼院への行き方詳細はこちら

天狼院書店「福岡天狼院」 〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階

天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN 〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5

【天狼院書店へのお問い合わせ】

【天狼院公式Facebookページ】 天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


2019-12-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事