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土鍋でごはんを炊くと人生が変わる


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:高田 麻由(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
土鍋でごはんを炊くと人生が変わる
 
本気でそう思っている。
 
土鍋で炊いたごはんがおいしいのは分かるけど、「いやいや、人生が変わるって言いすぎでしょ」と思うかもしれない。
 
断言してもいい。
土鍋でご飯を炊く生活を続けたら、人生変わります。
 
私が土鍋でごはんを炊き始めたのは28歳の頃。
その頃の私の生活はひどかった。
 
やりたいこともなく、なんとなく就職した会社での6年目。半分惰性で仕事をしていることは自分でもわかっていた。
周りの友人が楽しそうに情熱的に仕事に取り組んでいるのを羨ましいと思うと共に、「このままでは、周りにあっという間に置いていかれる……取り残される……」と、心の下の方でフツフツと湧いているように浮き上がってくる不安。
 
とっくに気づいているのに、気づかないふりをしながら、プライベートを充実させることで「私はこんなにも楽しい。充実している。これでいいんだ!」と、なんとか心の均衡を保とうとしていた。
 
週6で飲みに行き、常にだるい体と眠気の取れない頭で仕事をする。当然そんな状態でする仕事が楽しいわけがない。楽しさと充実を求め、その日も飲みにいく。負の無限ループだ。
 
冬になるとスノーボードに明け暮れ、年2回は海外旅行に行く。
「このために、仕事をしているんだよね!」
何度口にしただろうか。
「充実」「成長感」「自分探し」のための、英会話や習い事にいくら投資しただろうか。
 
周りから見たら、好き勝手に遊び、自由に生活し、かなり充実した日々を送っているように見えたかもしれない。
 
しかし、現実は全く逆だった。
もちろん、それぞれは楽しかった。
でも、いつもどこか満たされない。
自分は中身のない人間に思えた。
 
28歳になる頃、いよいよ「このままではまずい」と思うようになった。ふつふつと心の奥で渦巻いていた不安が頻繁に顔を出すようになった。
 
そんな時、友人が主宰する料理イベントでわたしの運命を変える土鍋に出会った。
 
土鍋を使って、様々な国の料理を作る、というイベントだった。ごはんから、スープ、炒め物や煮物などなど……様々な料理が出来上がっていく。
 
「え? 土鍋って、レンジにかけてもいいの?」
「炒め物してもいいの?」
「何よりも、土鍋に入っているとすさまじく美味しそうに見える……!」
 
土鍋といえば、冬の鍋くらいしか使ったことのない私だったから、「土鍋って難しそう……お手入れ面倒くさそう……」というイメージとは真逆の、その万能さと使いやすさに衝撃を受けた。そして何よりも、今すぐに土鍋を使って料理がしたくてうずうずワクワクしたのだ。
 
その日、私は「ごはん鍋」を2つもお供にして帰った。
 
そして、初めて土鍋でごはんを炊いた。
 
衝撃だった。
 
15分で炊けてしまった。
まったく難しくなかった。失敗もしなかった。
 
それなのに!
 
目の前にある蒸気がのぼっている土鍋。
蓋をあけると飛び込んでくる、ツヤツヤと白く光るお米。
一粒一粒がツヤツヤでピンピンと立っている。
そして漂う甘くいい匂い。
 
嬉しい嬉しい嬉しい!!!
 
心の底から湧き上がってくるドキドキが止まらなかった。
 
せっかくなので、お茶碗に綺麗によそった。
普段は物が乗っかったまま、食べるスペースだけをあけていた机もその時ばかりは綺麗にした。
 
そして、
自然と手を合わせて「いただきます」と拝んでいる自分がいた。
その一杯のごはんが、何かとても神々しいものに見えた。
 
あの一口食べた時の美味しさと、その感動と、目の前に広がっていた光景を今でも忘れることができない。
 
その日から、土鍋でごはんを炊く生活が始まった。
 
……と、はいえど。
週6で飲みに行っていた生活がすぐに変わるわけではない。
最初は、たまに、だった。仕事の帰りが遅くなってしまった時、普段ならコンビニで買うところを、「ごはん、炊いてみようかな?30分もあれば炊けるし」から始まった。
 
土鍋で炊いたごはんは、それだけでご馳走だ。
おかずなんてなくてもいい。
お味噌汁と、明太子や梅干し、のりや納豆……ちょっとしたお供があればずいぶんと贅沢だ。
 
この気軽さが、本当にいい。
気軽なのに、充足感、満足感は変え難いものがあった。
 
そのうち、美味しいごはんを、美味しい塩で食べてみたくなった。
お味噌汁の出汁を取ってみようかな、と思うようになった。
調味料にこだわるようになった。
ごくごく簡単なものを一品だけ、と、料理もするようになった。
 
そうこうしていくうちに、不思議と本当に身体が美味しいと思うものが感覚としてわかるようになっていったのだ。
身体が美味しい、満たされると思うものを食べると次の日は心も体も調子がいい。
 
もちろん、飲み会も相変わらず大好きだし、惣菜やお弁当を買ってきてすませることもある。でも、罪悪感ではなく、「それはそれでいい!」と思うようになった。
「今日は飲みに行こう!」「今日は時間がないから簡単にすませよう!」と意識的に選択していると知っているからだ。
 
「自分が物事を選択している実感」が持てると、自分を大切にしているような気がする。選択の結果も受け入れることができるようになる。
火加減、水加減、火を止めるタイミングで炊き上がりが毎日違う土鍋ごはんは「選択と結果」その典型だ。柔らかくても、焦げてしまっても、それは失敗じゃない。どちらにしてもごはんは美味しい。○か×か、で評価しない。ただ結果を受け入れて、「次は水を減らそうかな?」と次に活かせばいいのだ。
 
土鍋でごはんを炊くと、毎日に、五感を使い、ちょっとした喜びの時間と、選択と結果を受け入れる時間が必然的に持てる。
 
「今日も自分を大事にしてあげられたな」
と、毎日が少し幸せになる。
生活の、自分の、ベースが整っていく。
 
それから数年。私は、ささやかながらも毎日ごはんを作り、日々小さな幸せを感じ、満たされた気持ちで過ごすようになった。あのころのように遊んでもいなければ、買物だってしていない。でも、私にはこの方が幸せだと感じるのだ。
 
日々のちょっとした積み重ねで人生が変わっていく。
積み重ねて行くと大きな変化になっている。
 
「ごはんを炊く」ということは、日常の一部。それを少しだけ丁寧に行うことで、大きな変化が起こることを、私は伝えていきたいと思っている。
 
 
 
 
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2019-12-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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