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すべてのポンコツマスターへ/ポンコツの夜明け


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:高遠にけ(ライティング・ゼミ平日コース)
 
ポンコツは不幸だ。
ポンコツは、自分がポンコツだという自覚はある。
注意しようとすればするほど、一つの方向しか見なくなり他の何かを忘れてしまう。
しかし、どうやって頑張ってもポンコツなので、ちょっとした不幸が絶えない。
 
朝出る時間を読み間違えて、大事な約束に遅刻する。
自分の靴ひもを自分で踏んで、盛大に転ぶ。
チケットを家に忘れたことをライブ会場で気づき、取りに戻ることも出来ず諦める。
椅子を傾けて壁に寄り掛かろうとしたら、意外と壁が遠くて椅子ごと後ろにひっくり返る。
どれもポンコツとしては日常な、不幸な出来事ではないだろうか。
 
全部自分の不注意での不幸なので、ただただ自分へ飽きれる。誰に怒るでもなく、自分に腹を立てる。何を隠そう、世界で一番自分に飽きれているのもポンコツの特徴である。
 
しかし先日友人が放ったある一言に、ポンコツの生きていく道に光が差したのだ。
 
ある日、友人がスマートフォンを失くした。
普段から準備を怠らず、忘れ物も落とし物もほぼしたことがなく、逆にいつも私の忘れ物を注意してくれるような、素晴らしい人だ。
友人の動揺は激しかった。どこで落としたかも分からないし、目印になるようなものも思い浮かばない。
スマートフォンがないとそもそも交番にも連絡できないし、通信を止めるために携帯会社へ電話することもできない。
そこで友人と一緒にいた私は、まず友人のスマートフォンに電話をかけた。
誰も電話に出ない。
次に、最後にスマートフォンを触った時のことを友人に訪ね、さっき一緒に立ち寄った施設にいた時は持っていたことを思い出してもらった。
すかさず、施設の問い合わせセンターの電話番号をgoogleで調べ、電話をする。
透明のケースに入った、少し角の欠けたシルバーのiphoneの落とし物はないかを尋ねるが、どうやら問い合わせセンターにはまだ届いていない。
ひょっとしたら、問い合わせセンターではなく、施設の受付に届いているのかもしれないと目星をつけ、施設まで戻って受付カウンターの女性に声をかけた。
するとそこにあったのだ、友人のスマートフォンが。
 
半ば茫然としていた友人は、目をパチクリしながら一連の私の対応を見ていた。
どうしてそんなに流れるように行動ができるのか、不思議で仕方ないらしかった。
なにせ友人は、落とし物を滅多にしないような人間だ。
対してポンコツの私は、落とし物がのエキスパートだ。
忘れ物や落とし物のプロという、揺るぎない自信をもって生きている。
 
ポンコツにとってスマートフォンを落としたことなど、とっくに体験していたことなのである。友人にとっては非日常であり、私にとっては日常の出来事である。
一度体験している、ということは強みであるが、別にいつも注意していれば体験しなくてもいいことではあるので、別に特技でもなんでもない。
しかし落ち着いた友人は、目をキラキラとさせて言ったのだ。
 
「いろんな不測の事態に対応してきたから、こういった場面でも冷静に対処できるんだね!」
 
なんと眩しい一言だろう。この瞬間、ポンコツの道に光が差した。
ポンコツが人の役に立ち、尊敬され、褒められたのだ。
ポンコツの存在理由が見つかったのである。
 
ポンコツにとって、この世界は生きづらい。
そうなることは予測できたかもしれない、不測の事態が次々の襲い掛かる。
どう頑張っても財布は忘れるし、いつも家の椅子の足に小指をぶつけて悶絶する。
財布を忘れないように準備すればいいし、小指をぶつけないように注意して歩けばいい、と思うかもしれないが、分かっているけれど出来ないこともある。
 
しかし、それも織り込み済みなら怖くない。
財布を忘れるから、いつも予備のお金を別の場所に置いていたりする。
椅子の角には柔らかい布をあて、いつぶつかってもいいように準備しておく。
不測の事態を予測して、動くことはできる。ポンコツによる不幸は、自分の力で回避できるのだ。
そう思うと、先の先を予測するポンコツ達は、ポンコツマスターとして生きていってもいいのかもしれない。
普段から気を付けて生きていけばいいじゃないか、というツッコミは心に留めていただこう。
 
今、私は同じポンコツにエールを送る。
ポンコツは、不測の事態に強いことを誇っていい。それは、友人がくれた何気ない一言から教えてもらったことだ。
ポンコツの不幸は、誰かの幸せに繋がることもあるのだ。
生きにくかったポンコツは、それで救わるのである。
 
 
 
 
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2019-12-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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