fbpx
メディアグランプリ

40代後半になっておじさんが料理を始めたら


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【2月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:Tak(ライティング・ゼミ 冬休み集中コース)
 
 
「米国に単身赴任か。体に気を付けろよ。海外単身赴任で体壊す人多いから。ほら、お前も知っているxxさん、去年海外単身赴任中に脳卒中で……。」
 
 
5年ほど前に、海外駐在することを以前の勤務先の上司に告げたら、いきなりこんなことを言われた。
 
 
xxさんはまだ50代のはずだ。ちょっと怖くなった。
 
 
「向こうに行ったら自炊するかな」
 
 
一瞬そう思った。が、赴任時のドタバタですぐに忘れた。
 
 
実際、赴任直後は業務の立ち上げで多忙を極め、毎日外食が続いていた。
 
 
駐在したエリアは所得水準が高くレストランの水準は悪くない。だが、連日、ハンバーガーやステーキのようなハイカロリーな外食が続くと正直つらい。
 
 
日本食レストランもあるが、日本人が満足するレベルではない。中華と韓国料理はイケるが、それもすぐに飽きる。1月もすると耐えられなくなった。
 
 
「自炊しよう」
 
 
恥ずかしながら料理をしたことはほとんどない。大学時代に一人暮らしをした時はほぼ外食。就職した会社の寮は賄いつき。結婚した後はすべて妻任せだ。
 
 
まともに包丁を使ったこともない。だが、生来楽天的な私は「何とかなるだろう」くらいに思っていた。
 
 
「大根の入った味噌汁が食べたい」
 
 
幸い、近くにはアジア系スーパーがいくつもある。早速大根と味噌とあごだしを調達。
 
 
が、勢い込んで大根を切り始めたら一緒に指を深くざっくり切る。いつまでも血が止まらず、青ざめた。血に染まった大根に食欲が失せた。
 
 
その後も、おろし金で指を削り、ゆで卵を爆発させ、吹きこぼれで火を消しガス検知器を鳴らしたり、とさんざんな目にあった。
 
 
「料理って危ない……」
 
 
段取りが悪くて時間がかかり過ぎるのも悩みだ。食材が痛んでいたり、あると思っていた食材が見当たらず途中で断念したこともあった。遅くに帰宅し四苦八苦して作った料理の味が濃すぎて食べられない、という日が何度もあった。
 
 
さすがに認識が甘かったことを思い知らされた。
 
 
ところが、それでも食い意地が勝ったので(元上司の忠告も忘れられなかったし)、料理はやめなかった。そして、失敗を繰り返しているうちに、だんだんとコツが掴めてきた。
 
 
包丁さばきも徐々に上達、おろし金を使う時は専用手袋を使い、火を使う時はキッチンタイマーを忘れない。計量カップやはかりも使う。蒸し器も買った。
 
 
メニューには一苦労したが、レシピサイトのお陰で苦にならなくなった。
 
 
手際もよくなった。
 
 
ご飯はまとめて炊いて冷凍、総菜は週末にまとめて3、4品作って保存、平日夜はメインと汁物に集中、という手順を確立したら、時間がかからない。作り始めて食べて洗い物を済ませても40分で済むという日も出てきた。朝飯と一緒に弁当も作った。
 
 
メニューはどんどん進化する。風呂吹き大根、筑前煮、エビチリ、炊飯器を使った鶏胸肉のコンフィ。カレーは、インド系食材店でスパイスを揃え自分で配合。隠し味に果物やチョコを使ったり、時にはココナッツオイルを入れてタイ風にして楽しんだ。出張中に食べた海外料理が美味かったので、現地で香料やスパイスを購入して自分で作ったりもした。
 
 
食材にも凝る。お米は玄米、野菜や肉はオーガニック。ラムチョップやロブスター等、高級食材を地元の市場で調達したりもした。
 
 
作った料理をSNSに投稿すると、「お前料理できたっけ?」と友人に驚かれ、「ご馳走して欲しい!」と女子に褒められ、ますます力が入った。
 
 
最後は「引退したらカフェでも開くか」などと思いあがるくらいになった。
 
 
こうして、私は、約5年の駐在期間を健康を損なうことなく終え、帰国したのだった。
 
 
自分で料理を作ることのメリットは数えきれないくらいある。
 
 
当初の目的通り、食事の栄養バランスがよくなり健康になった。
 
 
料理をしている間は集中するので、仕事のことを忘れストレス解消になる。何より、料理自体が楽しくなった。
 
 
自分の好きなものが好きな時に食べられるので毎日の幸福感が高まる。
 
 
意外に大きかったのは、上手にできたか確認しようと食事に集中したことだ。これは皆さんも是非試してほしい! 仕事のメールやSNSを見たりの「ながら食事」をやめると、一つ一つの料理を味わうようになり、食事の時間が非常に豊かなものになる
 
 
だが、最大のメリットは帰国してから気が付いた。
 
 
妻への感謝だ。
 
 
妻が、どれだけ家族の健康に気を配った食事を作ってくれていたか、家族の好みにあったメニューを考えていてくれていたか、それぞれの料理に工夫を凝らしてくれていたか。恥ずかしながら、料理をするまでの私は全く気が付かなかった。彼女の料理を食べるたびに感謝の言葉が出るようになった。
 
 
中高年の料理未経験男性は、一度自分で料理を作ってみるといい。
 
 
きっと人生が変わる……かもしれない。
 
 
 
 
***
 
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

【2020年2月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜《1/8(水)までの早期特典あり!》


 

天狼院書店「東京天狼院」 〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F 東京天狼院への行き方詳細はこちら

天狼院書店「福岡天狼院」 〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階

天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN 〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5

【天狼院書店へのお問い合わせ】

【天狼院公式Facebookページ】 天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


2020-01-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事