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飼い主の責任


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:こうづか(ライティング・ゼミ特講)
 
 
仕事中に動物病院から電話がかかってきた。
手術が無事終わった連絡だろうと高を括っていた。
今日は、愛犬・華がおなかのおできを取る手術の日だ。
 
華は生まれた時からおなかにおできがあった。
犬種はミニチュアダックス。
独身で大阪に住んでいた叔母が、母を頼って福岡に移住してきて、飼った犬が華だ。
子犬は環境に慣れるまでは、鳴いたり、下痢したり、大変なのだが、叔母はその辺を考えてなかったのだろう。
飼い始めて3日目に、お金は返してもらわなくていいから、ペットショップに返したいと言い出した。
それなら、私が育てると、連れて帰ってきた。
 
数年たった頃から、散歩中に段差や崖から足を滑らす姿を見かけることが増えた。
おかしいと思い、病院で相談し、犬の眼科を専門にしている病院を紹介してもらった。
遺伝性で徐々に失明するとのこと。
遺伝性の失明は、治療法はないそうだ。
家の中のレイアウトは体が覚えているそうだ。
あとはにおいで探ることができるらしく、それほど支障はないように見えた。
以前は、散歩の時に走っていたが、徐々に走ることもなくなっていった。
あまり、散歩に行きたがらなくなってしまった。
 
華はぽっちゃりしていた。
食べることが大好きで、運動不足だからだ。
歳をとるにつれ、おなかのおできが大きくなり、このままでは床についてしまうかもしれない。
歩くとすれて、破裂するかもしれない。
おできと言っても腫瘍なので、取ってみないと良性か悪性か判断できない。
当時13歳だったので、手術をするにはそろそろ限界がくる。
という理由で、手術することを決めた。
 
手術の日は、朝ご飯を抜いて病院に連れて行く。
「なんで? 今日のごはんは? 」
そんな顔をしていたが、「帰ってきたら、いつもよりたくさん食べていいから」と言い聞かせ車に乗せた。
 
それなのに……
 
「華ちゃんが肺炎を併発しました」
先生の切羽詰まった声が聞こえた。
状況がうまく整理できない自分がいた。
 
「すぐ来てください!」
 
車を走らせ、病院に着くと、横たわった華が苦しそうに激しく息をしていた。
小さな体で必死に闘っている。
本当に苦しそうで、見ているだけで涙がでてくる。
「安楽死」という言葉が頭をよぎったが、それを決断することはできなかった。
 
その日の夜中に華は息を引き取った……
頑張って闘ったが、力尽きてしまった。
 
手術を決断したのは私だ。
私は、自分を責めた。
手術をしなければ、華は長生きできたかもしれない。
飼い犬の責任はすべて飼い主にある。
犬が幸せな一生を送れるかどうかは、全て飼い主次第だ。
彼らは、自分でご飯を食べることもできないし、散歩に行くこともできない。
何を食べさせるか、どこの病院に連れて行くか、どこにどのくらい散歩に連れて行くか。
すべて飼い主次第だ。
 
犬がペットとして飼われるようになったのは、縄文時代の中期から末期といわれている。
人間の居住跡から多数の犬の骨が発見されている。
オオカミを家畜として飼い始めたことが、きっかけだろうと言われている。
そんな昔から人間の側で寄り添ってくれる犬。
小型犬でも噛む力は100KGほどあると言われている。
私たちの腕を噛み砕くことは簡単だろう。
でも、決して噛みついたりせず、隣にいてくれる。
 
それなのに心無い飼い主は、犬を飼うことを途中で放棄してしまう。
環境省のホームページによると、年々数は減っているものの平成30年度で約8,000匹の犬が殺処分されている。
どうしてもやむを得ない事情がある場合もあるだろうが、犬を迎え入れる前に飼い主の責任について、今一度、考えてほしいと思う。
そして、家族の一員になったら、全力でその子を愛してあげてほしいと思う。
犬の直球の愛情をまるっと全部受け止めてあげてほしい。
 
華はうちに来て幸せだったのだろうか?
華の手術を決めた責任を感じ、しばらくはペットロスになった。
思い出す度に泣いていた。
でも、考え方を変え、「私は華がうちに来てくれて、本当に幸せだった」と感謝するようにしたら、少しずつ気持ちは楽になった。
もう二度と犬を飼うことはできないと思っていた。
徐々にまた犬が飼いたいと思えるようになった。
そして、縁あって、今では2匹の兄弟犬を飼っている。
犬の一生の方が短いから、彼らの一生に責任を持ち、うちに来て幸せだったと思ってもらえるよう全力で愛していこうと思う。
 
 
 
 
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2020-01-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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