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メディアグランプリ

婚活で2回目のデートに進めない男の話


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:田中伸明(ライティング・ゼミ 日曜コース 12月開講)
 
 
「あれ、返事が来ない。あんなに盛り上がったのに、なんで?」
 
返事がこない。ショックだ。昨夜食事に誘った「ちえ」という女性に「今日はありがとう。楽しかったね」とメッセージを送ったのだが、ちえさんからの返事がないのである。
 
「やってしまったか……」
 
私は原因をあれこれ考え始めた。お店は食事も飲み物も雰囲気も良かった。ちえさんは喜んでくれていたから問題ないだろう。
 
ちえさんとは婚活アプリで知り合った。マッチングしてアプリ上でしばらくメッセージのやり取りをして、実際に会うことになった。
 
40代半ばを過ぎた私にとっては滅多にないチャンスだった。マッチングがそもそも少ない上、メッセージのやり取りをして会うのは本当に少ないからだ。私の場合20人とマッチングしても会えるのは一人くらいだ。
 
ちえさんは、鼻立ちがすっとしていて、上品な雰囲気を持った人だった。会ってみると、座っているときも姿勢が良く、育ちの良さが漂っていた。こんな女性と交際できたらいいな、と私のテンションは上がった。すべては完璧にできて最後は次回のデートの約束まで取り付けたのに、返事がこないのは意外だった。私は原因を探し始めた。
 
「もしかして、しゃべりすぎたかなぁ」
 
思い当たる節があった。振り返ってみると、ほとんど私がしゃべっていたように思う。きっかけは、ちえさんからの質問だった。
 
「お休みの日は、何をなさっているんですか?」
 
ちえさんにそう聞かれたので、私は
待ってました!
とばかりに普段やっていることを語り始めたのである。
私の話にちえさんはよく反応してくれて、大笑いしてくれた。ウケたとわかると私は心の中でガッツポーズをしながら、調子にのってさらに話しまくった。もともと話すことが得意ではない私は嬉しくて仕方がなかったのだ。
 
「やっぱりそうだよなぁ」
 
その一方で、私はちえさんのことについて、ほとんど何も聞けなかったことに気づいた。職場は隣の浜松町で、お店のある新橋まで歩いてきてくれたことを最初に話したっきりだった。ちえさんが興味を持っていることや、将来のなりたい姿など、全く知らない。
 
これではちえさんにとって、また会いたいと思えないのは当然だ。
 
「人は自分の話を聞いてくれると、心地よいと感じるものだ。特に女性にとっては自分の話を聞いてもらえることで、相手を「自分を守ってくれる存在」と感じるのだ。だから女性の話はしっかり聞いて、共感してあげよう」
 
そのことを婚活の学校で教わって理解したつもりだったのに、いざ本番になってすっかり忘れてしまっていた。
いや、忘れていたわけではない。
私は自分の話を聞いてくれたことで心地よく感じていて、教わったことを半分思い出していたのだ。
そこまで思い出していたのに、相手の話を聞いてあげるという肝心な部分は抜け落ちてしまっていた。
 
悔しい。
 
でも、もう、遅い。
 
「話は聞くのではなく、聴く。つまり目と耳と心で「聴く」のだ。相手の目を見て、話を聴こう。聴きながら、「わかる!」とか「すごい!」とか、相づちを打とう。それが共感だ」
 
婚活の学校で教わったことを次々と思い出す。
 
40代後半になって婚活を始めざると得なくなった私は、もともと口下手だった。だから話す力をつけようとしていたところ、話すこと以上に重要なのが人の話を聴くことだと教えてもらった。それを聞いた時、私は目から鱗が落ちた気持ちになった。
そのことを今頃思い出した。
 
せめて、昨日の夕方、お店に入る前に思い出していれば、結果は違ったかもしれないのに、話すことに頑張りすぎて、話を聴くことを忘れてしまっていた。
思い出すとさらに悔しくなってきた。
 
「次に会う女性には、絶対に聴く側に徹しよう」
 
ちえさんは私に大切な教訓を教えてくれた。
逃したものは大きかったが、今の私には時期早々だった。
力不足だった。だからこそ思う。
 
「次こそは素敵な女性を見つけよう。素敵な女性にふさわしい男になろう」
 
そのことを教えてくれたちえさんに、今では感謝している。
 
婚活アプリに戻ってみると、お知らせが入っていることに気づいた。新たな女性とマッチングが成立したようだ。
 
「はじめまして、のぶと申します。いいね!を押してくださってありがとうございます!」
 
こうメッセージを送って、新たな女性とやり取りが始まった。
 
 
 
 
***
 
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2020-01-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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