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寮生活を成功させるために必要な、たった一つのこと。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:風希理帆(ライティング・ゼミ平日コース)
 
もう二年ほど前の話になるが、久々に「同じ釜の飯を食った仲間」に会った。
「同じ釜の飯を食った仲間」というのは、私達の高校では同窓生を指すときに使われる言葉だ。
そう、私達の通った高校は、ほぼ全寮制の進学校だったのだ。
 
寮制の学校のイメージが湧きにくければ、「ハリー・ポッター」シリーズを思い浮かべて頂くといいだろう。
主人公のハリーたちは、学校で勉強した後は寮に帰り、学校と同じメンバーで食事をとり、お風呂に入って眠りにつき、朝が来ればまた同じメンバーで学校に行く。
そんな生活をしていたと思うが、それが卒業まで続くのが寮制の学校生活だ。
私たちの学校では、家が学校の近くにある生徒は、二年次から自宅に帰ることも認められていたが、他県から入学してくる生徒も多かったため、大半の生徒が卒業まで寮にいたと思う。
 
仲間と会った時に話題に上ったのが、日本人に学寮生活は向いているのかどうか、ということだった。
そもそも私達の母校も、ハリーたちが通っていたような、イギリスのボーディングスクール(全寮制の学校)をモデルに作られていたのだ。
イギリスは全寮制の学校の発祥地ということもあり、数も質も様々なボーディングスクールがあると聞くが、日本では完全に全寮制の学校は少ないのが現状だ。
お互い寮生活では苦労したこともあり、仲間たちの顔を思い浮かべながら、私たちは延々と話し続けた。
 
結論から言うと、日本人に学寮生活は向いていないというのが、私たちが出した結論だった。
第一に、日本人には遠慮や謙遜を美徳とする国民性があるからだ。
あまり自分のことを主張せず、「私は大丈夫です」「お先にどうぞ」と言える人が多い気がする。
東日本大震災の時に話題になった、物品が半分以上ないスーパーの前でも、列を作って購入の順番を待つ人々の写真が、記憶に残っている方も多いだろう。
こんな混乱のさ中でも、日本人は気を遣い合うのかと、世界に衝撃を与えたあの写真。
通常時ではなく非常時だったからこそ、日本人の本質が浮き彫りになったのだと思う。
 
ところで、私は仕事でそこそこ多くの外国人の方や、ハーフの方と関わる機会がある。
彼らと接していて感じるのは、本当に彼らはいい意味で遠慮がないということだ。
「エクスキューズ、ミー。スミマセン。今日中にこの書類が欲しいのですが」
「申し訳ございません。書類の作成にはどなたにもニ、三週間程頂いておりまして……」
「でも、一度帰ってまた来るのは大変なんです。だから今日中に欲しいんです」
潔く欲しいものを要求されるたびに、私は一種のすがすがしさを覚える。
日本人の遠慮する態度も素敵だが、時にはこのように主張することも大事なのではないかと思う。
 
寮生活では、必ずしも一人部屋が与えられるわけではない。
二人、三人、四人の相部屋になることもあり、浴場、トイレ、ランドリールームなどは、全員の共用になるわけだが、元々生活習慣の違う複数名が共同生活を行うのだ。
例えばある子の目覚まし時計が、異様にけたたましく鳴るものだったり、ある子は何の悪気もなく人のベッドの上に、自分が買ってきたものを広げることだってある。
そんな時にそれはやめてほしい、私はこうしたいからと言えなければ、共同生活は辛いものになってしまうだろう。
寮生活をやっていくには、第一に自分の意見が言えることと、いい意味での図太さが必要だ。
だからどちらかと言えば日本人向きではなく、外国人向きなのではないかと思う。
 
日本人に学寮生活は向いていないと思う理由は他にもある。
それは日本の学寮生活は、主に大学進学を目指すものであるからだ。
偏差値の高い大学や、スポーツの名門チームに入ることを目標に、中学、高校から寮生活を始める人も多いと思う。
しかし、一つの目標のために三年間、またはそれ以上寮で過ごすというスパンは、個人的には少し長すぎると思うのだ。
大抵の子供が精神的に寮生活に耐えられる期間は、もって一年くらいだと思う。
その主な理由は、学寮には秩序を維持するために、門限、持ち物検査、24時間の時間割りなどの厳しい規則が設けられているからだ。
 
おそらく日本では、携帯、漫画、ゲーム、メイク道具などが持ち込み禁止の学寮が大半だろう。
高校生活の三年間、中高一貫校であれば六年間、その環境に耐えられるかということだ。
お恥ずかしい話だが、私は勉強は好きでも、漫画がないと生きていけない体質だったらしく、それが禁じられているストレスもあってか、途中から成績がだだ下がりになってしまった。
おしゃれ、ゲームなどの遊び要素を一切排除して、最低限の日用品だけで過ごすという受験術は確かに有効だ。
しかしこの方法は、一年などの短いスパンで集中して行うのが、自分の浪人時代の経験からも効果が高いと思う。
高校卒業後の進路に留学する、企業する、大学にいくためにお金を貯めるなどの選択肢が、なかなか選びづらい日本。
どうしてもあの大学に行く、あのチームに入るという目標を叶えるために、あなたは青春の楽しみの全てを捨てられるだろうか。
 
ここで、できる、それでも行きたい場所がある、と躊躇なく答えられるあなた。
おめでとう。あなたこそが日本で学寮生活を成功させられる人間だ。
極端に言えば、遠慮がちでも好きな娯楽があっても、最低限のコミュニケーションがとれればいい。娯楽を我慢できる忍耐力があればいい。
日本で学寮生活を成功させるにおいて、最も大切なもの。
それは、何がなんでも手に入れたいものがある、その思いを最後まで貫き通すという強い意思だ。
私たちの周りで、三年または六年の寮生活を終えて、高い偏差値の大学に合格した人は、例えば小さな頃から医師になりたいという夢を捨てなかった、最高の環境で勉強したいという思いを捨てなかった、そういう人たちだった。
勉強に限らず、何でもとことんやるという人も多かった。例えば東京大学などに合格しながら、在学中インターハイに出場するという人も一人ではなかった。
 
加えて大切なのは、その意思は本当に自分自身の意思か否かという点だ。
後から分析してみれば、私の〇〇大学に行きたいという意思は、どちらかといえば自分の意思ではなく、人から持たされた意思だったから、厳しい寮生活に耐えられなかったのだと思う。
そしてそれは、人の役に立ちたいから行きたい、もっと輝きたいから行きたいという、明るい意思でもなかった。
どちらかといえば、人を見返したいから行きたい、自分に厳しくしていれば安心だから行きたいという、暗い、息が詰まるような意思だった。
それも耐えられなかった理由なのではないかと思う。
 
自分自身で選択して、できれば陽の意思を持つこと。何も負けない強い強い意思を持つこと。
それさえできれば厳しい寮生活は、あなたの夢を叶える最強の礎となってくれる。
そして卒業後、あの厳しい生活のお陰でここまでこれた、と言えるような人生を、あなたは手にできるだろう。
 
 
 
 
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2020-02-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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