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メディアグランプリ

ホッピーとレコード


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:川瀬健二(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
ホッピーとレコード、この2つの言葉を聞いてどんな印象を持つだろうか?
 
懐かしい昭和な響きを感じる人も多いかもしれない。激しく変化する世の中で、メーカーが生産を止め過去の遺産となってしまうものが多い。しかしホッピーとレコードは、ここ数年で売上が伸びている。もちろん順調に売上を伸ばし続けてきたわけではなく、両者とも過去に危機的な状況があった。
 
日本レコード協会によると1976年に約2億枚生産されていたレコードは、CDという新しいディスクの誕生により2009年には約10万枚まで減り続けた。しかし10年経った現在は、なんと約120万枚。CDの生産枚数が半減する中で、驚くべきことに10倍に増えているのだ。
 
アナログならではの温かみのある音や大きなジャケットなどが、昔を懐かしむ中高年だけでなく、若者の心もつかんでいる。これはアメリカをはじめ、世界的な傾向だという。
 
実際に僕も中学生の頃まではレコードを買っていた。大好きなアーティストが印刷された新作を「ジャケ買い」したものだ。自分のお小遣いで作品を所有する喜びがあったし、レコードに針を落とすワクワク感は今でも覚えている。オフセット印刷のインキか、レコードの原盤か、何とも言えない独特の匂いも好きだった。
 
現在はCDからストリーミングの時代に入り、月額利用料を払って楽しむサブスクリクションというサービスが隆盛だ。音楽の楽しみ方を変えた画期的なサービスである反面、五感を使って楽しむ感覚や作品を所有する満足感が持てないのは物足りない気がする。
 
一方のホッピーは、赤坂にあるホッピービバレッジという会社が製造・販売している。名前は知っていても飲んだことはないという人のために説明しておこう。ホッピーはビールと同じ麦芽とホップを原料とするノンアルコール飲料だ。度数の高い焼酎と混ぜることでアルコール飲料となる。戦後間もない頃は、早く安く酔えるビールの代用品として特に東京の下町で人気があったという。
 
高度経済成長期を経て日本が豊かになるにつれ、ワイン、チューハイやサワーなどに押され、1981年に18億円あった売上高が2001年には8億円まで落ち込んだ。しかし長い低迷の時期を経て、こちらもレコードと同様に10年間で売上高が伸び続け、現在では5倍の40億円に達している。
 
僕が焼酎のホッピー割りを飲み始めたのは、実は最近になってからだ。10年ほど前からハイボールが流行り始めた。ハイボールはウィスキーを炭酸水で割って飲む。今でも脂っこい料理と一緒に炭酸の爽快感を楽しむ飲み方が人気となっている。しかし焼酎はウィスキーほど味や香りが強くないため、炭酸水で割ると少し物足りない気がする。これをホッピーで割ると、ホップの苦みと炭酸の爽快感が口に広がりビールに近い味わいになる。
 
ハイボールと異なる点は、焼酎と氷が入ったジョッキとホッピーが3点セットで出てくる。だからその日の気分で、自分の好きな量のホッピーをジョッキに注いで楽しめる。減ってきたら焼酎は「ナカ」、ホッピーは「ソト」と別々に追加注文ができるのも魅力の一つだ。自分が思っているよりも酔ってしまう夜も少なくないが。
 
ホッピーの復活までの道のりは決して順調ではなかった。1999年に発売した新商品「ホッピーハイ」は思うように売れず、1000万円の赤字を出してしまった。自分で焼酎をホッピーで割るのは面倒だろうと、中身をあらかじめ焼酎と混ぜた「ホッピーハイ」を開発した。瓶のラベルもオシャレなデザインに一新したが、「こんなものはホッピーじゃない」という反応のほうが多かったそうだ。
 
激しく変化する世の中や多種多様なニーズに合わせて、現状のままではダメだ、どんどん変えろという声が多い。ましてや業績が悪化すれば、現状維持が最もよくないと考えて当然だろう。しかし変えてはいけないものもあるということを、ホッピーとレコードは教えてくれる。どんなに苦しい状況に追い込まれたとしても、お客様のニーズが何なのかを見失ってはいけないのだろう。
 
そうだ、今夜は久しぶりにレコードに針を落としながらホッピーを味わってみよう。
 
 
 
 
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2020-02-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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