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辛い自転車旅が教えてくれたこと


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:高橋拓希(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
息づかい荒く、ひたすらペダルを漕ぎ続けている。
 
自分は一体何のために必死に前に進んでいるのかわからない。周りの景色を見る余裕もなく、ただ前へ前へ。
 
早く終わって欲しい。自転車が嫌いになりそう。
 
新しく買ったロードバイクを使いたいがためだけに、どこでもいいからどこかへ行きたい、そう思い、私は友人と二人で淡路島を自転車で一周していました。
 
一周にして約150キロ。長いのか短いのか、いまいち想像できませんでしたが、野宿をして、2日間の予定で計画を立てます。
 
余裕でいける。ただ道を自転車で進めばいいだけ。完全にナメていました。
 
淡路島は言わずと知れたサイクリングロードです。島の内側を回る初心者コースから島を大きく回る経験者コースまであり、自分の好きなように選べます。
 
もちろん難しいコース。最初は口笛を吹きながら進んでいきましたが、島の南へ行くにつれ、険しい山々が私たちの前に現れます。
 
山の中の反りたつ壁のような坂道に出会うと、自転車から降りてゆっくり歩いていく。そして坂道の頂点に立つと素晴らしい光景が。急勾配の下り坂。ペダルを漕がずともスイスイ進んでいく。下り終えると再び反りたつ壁の登場。
 
上り坂と下り坂のコンビネーションは、喜びから絶望へ一気に突き落とし肉体的負担だけでなく精神的負担まで与えてきます。
 
坂道のオンパレード。野宿をするので背中には大きなバックパックを背負っており、上り坂がだんだん辛くなっていく。山の中の同じ景色に飽き飽きしながらも上らなければ終わらない。そしてフィーバータイムの下り坂。だが、気を抜くと転倒してしまい大事故に繋がりかねないので、ブレーキに手を添え恐る恐る下っていく。
 
8月下旬。とんでもない日差しが照りつけ、全毛穴から汗が噴水のように吹き出しています。
 
上り坂と下り坂を何回繰り返したのか、覚えていません。ただ、先が見えないほどの坂道に脅かされ、同じ勾配の下りにさえ脅かされます。
 
「何で上がったり、下がったりすんの? 平坦じゃダメなの?」
 
普段は、理解し難いことを言う友人が、初めて真っ当なことを言い始めました。
 
これを皮切りに、変えもできない地形に関して文句の応酬が始まります。
 
「何でこんな坂上らなあかんねん」「誰が作ってん!」「坂の意図を教えろ!」
 
精神的に参っていたんですね。無茶苦茶な言葉しか出てきません。
 
1日目は疲労困憊。しかも宿ではなく、寝袋だけで寝る野宿なので疲労回復なんて到底考えられません。
 
寝床は公園で蚊がたくさんいてとても眠れたものではありませんでした。
 
でも、二日目。意外と楽に感じたんです。もちろん自転車を漕ぐことに関して辛さはあったのですが、昨日に比べて体が慣れている、朝の涼しい気温もあってか、一漕ぎ一漕ぎが苦しくなく、すぅーと前に進んでいきます。
 
もうすぐ到着する。名物生シラス丼が食べられる。淡路島産玉ねぎを丸かぶりしてやろう。
 
そんなワクワクを考えているうちに、淡路島一周の辛い自転車旅を終えていました。
 
清々しい気持ちで、精神的、肉体的ダメージがなかったかのように感ぜられ、これまでの不満や辛かったことが、嬉しさ、喜びに全てひっくり返ったような心地がしました。
 
達成感とはこういうものだったのか。そして終わり良ければ全て良し。この経験は私に人生について教えてくれたような気がします。
 
人生は長いマラソンのようだ。どこからか聞いたことのあるようなフレーズですが、自転車旅で私はそれを実感しました。
 
長い上り坂、先の見えない怖さに怯えながらも、一歩一歩前進して行く。そして坂の頂に達すると次は下り坂。進むスピードが急激に速くなります。
 
しんどい思いをしながらゆっくり歩みを進めていく時もあれば、坂道を下るように勢い強く、のりにのって前進することもあります。
 
仕事やプライベートの中でうまく行かない時、辛くどうしようもない時もあれば、どんどん上手くいく時だってあるのではないでしょうか。
 
常に同じペースで物事が進むのではなく、いろんなペースがあるということを頭の片隅にでも入れておくと楽になると思います。
 
また、しんどい時、何かに当たりたくなる時もあります。私たちが変えもできない地形に文句を言っていたように。でもどこかでは分かっていると思うんです。結局は自分次第だということを。
 
しんどければ、環境を変えればいい、嫌な環境に身をおくという選択をしている自分の心に問いかけて、本当にこれでいいのか、みたいな自問自答を繰り返しながら、生きていると思います。
 
淡路島の自転車旅だって、本当に辛くて諦めて帰る、という選択はできたはずです。でもそれをしなかったのは、目標を達成したいと考えていたからで、結局は自分たちが決めたことを自責の念を持ってして成し遂げただけでした。
 
そして時間や慣れが味方についてくれる時もあります。あれ、しんどいと思っていたことってこんなだったけ、みたいに慣れてくると、意外に自分が心配していたことは大したことなかったなんて感じる場面もあります。
 
人生山あり谷あり。安っぽい言葉に聞こえますが、常に右肩上がりの人生ではなく、急激に落ちたり、少し落ちたり上がったりを繰り返しながら進んでいくのではないでしょうか。
 
淡路島自転車一周の旅は、人生の縮図として私に大切なことを教えてくれました。
 
良い時もあれば、悪い時もある、そんなもんでしょ!
 
落ち込んでいる時ほど、この言葉を思い出したいと思います。
 
 
 
 
***
 
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2020-10-04 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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