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クラシックのコンサートは敷居が高い? そんなことないんだけど


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:西野順子(ライティング・ゼミ 平日コース)
 
 
私はクラシックのコンサートへよく行く。そう言うと「高尚な趣味ですね」とか「敷居が高い」と言われることがあり、「そんなことないのにな。なんでそんなふうに思われちゃうんだろう」とちょっとした居心地の悪さと悲しさを感じる。もっと多くの人に、もっと気軽にクラシックのコンサートを聴きにいってほしいと思う。生で聴く音楽のパワーはすごいのだ。
 
私にとってはクラシックのコンサートに行くことは、感覚的には温泉に行くことに近い。クラシックのコンサート会場はステキな所が多く、行くだけで気持ちが上がる場所だ。それと同時に温泉と同じようにとてもリラックスできる場所でもある。
 
昨日もフェスティバルホールで大阪フィルハーモニーの定期演奏会を聴いてきた。指揮者は「炎のコバケン」こと小林研一郎さん。コバケンさんはマスク姿だ。指揮者は表情でも演奏者にメッセージを伝えるので、マスクをしていない人が多いが、80歳をすぎても情熱あふれる派手なパフォーマンスのコバケンさんなので、フェイスシールドだと「ウン!」と指揮棒を下した瞬間に飛んでしまうのかもしれない。
 
フェスティバルホールも少しずつ元に戻ってきていて、ここ4ヶ月間はひとつ飛ばしの市松模様にしか座れなかった客席が、以前と同じように全部の座席に座れるようになっていた。隣が空席なのに慣れていたので、久しぶりに横に人が座っているのはちょっとドキッとするが、やっぱりホールは観客が多い方がにぎやかでいい。
 
今日のオーケストラは、通常の楽器以外にもハープが2台にオルガンまである大編成で、ステージ上には楽器が所狭しと並んでいる。編成もコロナ前までもどってきたな、という感じだ。
 
開始のベルが鳴り、オーケストラの人たちが楽器を持ってそれぞれの位置に座る。満場の拍手の中、コバケンさんが現れて一礼し、オーケストラの方に向き直る。会場の中が一瞬しんと静まりかえる緊張の一瞬。コバケンさんの指揮棒が動くと一気に緊張が解けて明るい曲が流れ出す。
 
曲が聞こえてくると、目と耳だけでなく、ふだんは使えていない感覚が少しずつ研ぎすまされていくように感じる。座席に座っていると、ステージ上の音の振動が上から、下から、後ろからズンズンと伝わってくる。その振動と音を感じていると、音が目に見えない小さなつぶつぶになって手先、足先、体中の皮膚から入ってきて、細胞が活性化されて元気になり、ふわっと解放される感じがする。ホント幸せだなあって思う一瞬だ。これは会場で生の音を聴くことができるからこそ感じられることだ。
 
ウソみたいに聞こえるかもしれないが、演奏を聴いていると、だんだんと手足がポカポカと暖かくなって、血の巡りがよくなってきているのがわかる。そう、寒い日に温泉につかって幸せを感じる、あの感覚にとても似ているのだ。
 
私は温泉が大好きで、家のご近所の温泉に行くことがある。お風呂場の入り口の戸を開けて中に入ると、湯気で白くなった中に湯船がうっすらと見える。洗い場の隅に置いてある桶をとってお湯をかけ、見るからに熱そうなお湯に足の先からそーっとつけると、足の指先から温かさがじわじわと伝わってくる。「うーん、幸せ」
 
そのまま湯船に肩までつかり、「くー! もう極楽」と満足のため息をつく。そのままぼーっとお湯につかっていると、体中の毛穴から暖かさとともに美肌成分や体にいい成分がじわじわと染み込んできて、体があたたまり、心までほぐれて「生きていてよかったなあ」なんてしみじみ思う。少し落ち着くと、打たせ湯をしたり、寝転んでみたり、露天風呂に行ったりといろんな湯船をうろうろする。幸せなひとときだ。
 
以前、昼に温泉に行った時、ガラガラの湯船の中で本を読んでる人がいて驚いたことがある。
「こんにちは。温泉で本読まれるんですか?」
「今日は資格試験の勉強しているんですよ」
「温泉で資格試験ですか? すごい・・・・・・。
よく来られるんですか?」
「そうですね。たまに平日の昼間に来ています。ぼーっと本を読むときもあります」
その話を聞いて、そうか、こんな楽しみ方もあるのかとちょっと驚いた。私も次回は濡れてもいい本を持っていって、ゆっくり温泉で読もう。新しい温泉の楽しみ方だ。
 
こうやって温泉につかって心も体もゆったりすることは、私の楽しみのひとつ。それと同じように、クラシックのコンサートを聴きに行って、ホールいっぱいの音につつまれて、心と体をリラックスさせるのも私のとても大事な時間になっている。
 
しかし会社を辞めて昨年独立してからは、クラシックのコンサートを聴いているときでも温泉に浸かっているときも、楽しめない時がある。特に今やっている仕事に関していろいろな思いが浮かんでくるときは、不安なことや、良くないことを考えることもあり、心からリラックスできないのだ。
 
だが、温泉でぼーっとしている時や、音楽を聴いている時に、将来の事でふっといいアイデアやヒントが浮かぶこともある。結構このとき浮かんだアイデアはワクワクするものが多いように思うが、すぐにメモができなくで、アイデアが消えそうでなんとも歯がゆい。なんかいい方法はないかな? まあ、一度思いついたことは、必要な時にはまた思い出すこともできるだろう。
 
今回コンサートと温泉に行くことが似ていることに気付いて、それなら温泉地のコンサートに行けば、一石二鳥ではないかと思いついた。調べてみると、別府で春に大きな音楽祭がある。来年の春には別府に行って、温泉とコンサート両方を楽しもう。きっと素敵なアイデアが浮かぶだろう。
 
 
 
 
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2020-10-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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