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「大人であることを逃げない」なかで意識すべきこと


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:ホライゾン アキ(ライティングゼミ通信限定コース)
 
 
仕事柄、若者と話をすることが多いのだが、最近「なるほど!」と感じたことがある。
それは「その時々の世相に反映されて若者は育つ」ということだ。
それをある若者との会話で実感した。
ことの発端は次のような話である。
 
ある若者が3年続けているアルバイトがある。大学生活の中での3年間、といえば結構な時間を占めているが、よく続けたものだと思った。大学生のアルバイトであれば、欲張って他にも多くの経験を積みたくなるだろう。アルバイト先をコロコロ変えるななどということはよくある話だからだ。
 
『なせ3年間、続けることが出来たのだろう?』
 
純粋に興味を持った。
そこで、彼女にその質問をすると
 
「恵まれているのだと思います」
 
との答えが返ってきた。自分はどちらかと言えば仕事を器用にこなせるタイプでない。しかし、アルバイト先の先輩は仕事が手早く、その上しっかり教えてくれる。だから続けることが出来た、というのだ。
でも、いつも丁寧に教えてくれるばかりではないはずだ。時には注意されたり叱られたり、ということもあっただろう。
 
その点を伺うと「もちろんそういう場面もありました」と答える。
では、そのような場合はどう感じたのだろう?
 
「それはもう、めちゃくちゃ嬉しかったです!」
 
彼女は急に嬉々として答えた。その反応に、私はかなりびっくりした。
なぜなら、彼女は常に穏やかで淡々と語る。だから喜びにあふれた返答の様子は心底意外であったのだ。
なぜそんなに嬉しかったのか。
それは、これまで誰からも「叱られた」経験が無かったからとのこと。
自分が何をしても家族は褒めてくれる。
しかし、自身はたいそうなことをした自覚がない。それでも、ただ褒められる。
そのとき彼女は「言葉に重みがない」と感じたそうだ。
 
そこで、私は「うーん」と考えさせられた。
というのも『最近の若者は』という話の中に「打たれ弱い」だの「すぐにへこむ」など聞かされていたが、その理由として語られることのほとんどが「過保護で叱られることに慣れていない」つまり「叱られる経験が足らない」という結論だったからだ。
しかし。
逆に叱られて「嬉しい!」という者がいる。
彼女からその点を詳しく伺ってみると、ますますなるほどと思わされた。
 
つまり、こういうことだ。
叱っていただける。
それは「もっと出来るはず」という「期待」と「可能性」を示す。
叱ってさえもらえない、注意すらしてもらえない、という状況を受け入れるなら、自分の進歩につながらない。
成長したくとも、指導を遠慮されてしまうと改善の機会を得られなくなてしまう。結果的にやりがいが感じられず、面白くない。
だから「叱られる」はありがたいのだ。自身の成長の喜びにつながるのだから。
 
そういえば、最近職場で『公衆の前で何やってんだか』の若者に対し
「ここは言いにくくても、伝えてあげなければ。私が『大人であること』を逃げてはならない!」
と意を決して、ある若者に注意をしたことがある。
その際も後日にお礼を言われた。
本人曰く
「自分のすることについて、眉をひそめる人はあっても遠目で見ているだけ。
誰も何も言わない」
だから私の声かけは
「初めて正面切って向き合ってもらえた」
そんな想いを起こさせたのだそうだ。
 
このような出来事から考えた。
 
どうも若者が「打たれ弱い」というわけではなさそうだ。
逆に言えば、年配者の「伝え方」が下手くそなのかもしれない。
 
なぜ、こんなギャップが生じたのか。
 
私はそこに「教育における流行」「時代背景からくる空気感」が影響していると考えている。
例えば、戦後昭和生まれの子供時代を過ごした人の教育上の流行はこうだ。
この時代は「スパルタ教育」という言葉が流行った。いわゆる「スポ根(スポーツ根性)」という言葉に代表されるような「厳しく鍛えて育てる」のが良いとされる考え方だ。
星飛雄馬に代表される、あの「巨人の星」のようなストイックさが求められた。それも時代背景を考えればやむを得まい。
戦後の復興を叶えるために、そしてさらに経済の高度成長を果たすために、時代が必要とし、求めた空気だったのだ。
そして念願の高度成長を果たした暁には、今度は海外から「日本人は働き過ぎ」「文化を楽しむことが苦手」「エコノミックアニマル」などと揶揄されるようなる。
厳しさの中で教育を受けた世代は、そんな周囲の声に推され、その反省を活かすべく、今度は子育てにおいて真逆の流れに舵を切る。反動的に大きくブレていくのだ。
それが、いわゆる「ゆとり教育」。
スパルタの影響を受けた親が、自分たちが感じてきたことの反省を元に「叱らない」を実践し始める。こうして「褒めて育てる」という流行につながっていく。
 
そして、今。ブレにブレて、流れに流れて行き着いた先は……
 
私たちはもう、気づかなければならない。
大人や指導者に必要なのは「型」ではなく「信念」だ。
わが愛しい存在のために「なぜ」その言葉をかけるのか。
「厳しくする」その理由も、相手に意図や理由がきちんと伝われば本人の益になるだろうし、忍耐を養うことも可能になる。
「褒めて育てる」を闇雲に信じるのではなく、当人の努力に対する考えに寄り添った「褒め言葉」であれば「薄っぺら」や「軽い」ものにはならず、本人にとって励みとなる言葉になるはずだ。
 
若者に対して我々年配者が「大人」であることの意味を問うならば。
私たちが
「大人であることを逃げない」で安全に社会を次世代にバトンタッチする為に意識すべきこと。
それは、究極のところ
 
「あなたが若者にかけるその言葉に『愛』はあるか」
 
その一言につきる。
そう私は確信している。
 
 
 
 
***
 
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2020-10-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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