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メディアグランプリ

社会の違和感を言語化する一冊


*この記事は、「リーディング・ライティング講座」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:成田陸(リーディング・ライティング講座)
 
 
よくわからない。あまりに大きすぎた存在は、わたし達の想像を超えてわたし達を支配する。しかし、その正体を照らす存在はあまり少ない。あったとしても断片的にしかでてこない。問題は氷山の一角しか表れない。空気のように身近にあるにも関わらず、なかなか手に取れない。手で水をすくうように、隙間から抜け落ちる感覚がある。
 
違和感を言語化する本だった。
 

 
いまを生きる人達は、気候変動や貧富格差の拡大、新型コロナウイルスなど見えない脅威に晒されている。わかりやすい道しるべなんてない。それでも対応策を模索しなければいけない。本書は荒れ狂う海のような現代の方位磁針になる一冊だ。
 
斎藤幸平氏が書いた『人新世の「資本論」』だ。
タイトル見ただけで、手を取りたくない気持ちはわかる。『資本論』と聞けば、マルクスを思い出し躊躇する。マルクスの『資本論』といえば、資本主義の仕組みを解明し、共産党への制度転換を促すシリーズだ。古典を代表する一冊で、名前を聞いたことがある人は多いだろう。しかし、読破したことある人は少ないだろう。漫画でわかる資本論、解説資本論など『資本論』をわかりやすく伝える本はちまたに溢れている。それだけ、読みたいが、読めない人が大勢いることを示す。かくいうわたしも原著訳を手にとったことがあるが、購入には至らなかった。なぜなら、読めると思わなかった。
そこに“人新世”というわけがわからない言葉が前についている。人新世というのはノーベル化学受賞者のパウル・クルッツェン氏が地質学的に見て、地球は新たな時代に突入し、人類の活動が地球全体を覆った時代である。つまり、ビルや工場、ダムなどが地上を覆い尽くし、マイクロプラスチックが海洋を覆い尽くした時代である。そして、現在発生している台風や海面上昇などは大気中の二酸化炭素量増加による地球温暖化が原因になっている。
 
本書は地球が人類によって取り返しのつかない環境になった危機的な時代の資本論を説いた一冊になる。
 

 
現代は過渡期だ。
気候変動もそうだが、AIの発展など、社会の仕組み自体がアップデートしなければいけない段階まで来ている。これに加え新型コロナウイルスにより、強制的にオンラインへの移行が進んだ。それに伴って変化しないといけないところが間欠泉のように噴出している。
 
間欠泉を止めるには、蓋をしたいところが、どこから手を付けていいかわからない。そして、問題が発生してから対処する解決する方法ではなく、根本的な問題を解決するような方法が求められている。けど、実際にどうしたらいいかわからない、なんとも言えぬ違和感が覆っている。
 
体感値として資本主義の否定が必要だと思うが、凡人が考える理論では、ザルのように穴が空いている。そして、批判され理論構築がかなわない。
 
『人新世の「資本論」』は、そうした批判に対して、丁寧に議論を展開して反論する。つまりほぼ完璧な理論を構築し、言語化している。もうそれだけで評価されるのにも関わらず、本書が優れているのは、その理論をとてもわかりやすい文章にまとめあげたことだ。
こういった本は、どうにも専門的すぎる。
つまり前提知識を多く要求される。この前提知識を学ばないと読み解けないことがよくある。だが、本書は専門用語を使用するが、その後直ちに言い換えや説明することで、わかりやすくなっている。だから、本書は「資本論」や「共産党宣言」などを読まずとも、内容が理解できる。それどころか、資本主義をマルクスに焦点にあてて説明しているので、映画のようにわかりやすくなっている。
 
わかりやすい説明によって、本書の思想は幅広い人に届くだろう。
ここに著者の覚悟が伺える。理論を構築して満足しない。その理論を幅広く届け、社会に変化を起こすことが目的だ。一切の妥協が存在せず、マルクスの資本論などを参照しながら、現代が抱える課題にアプローチする。
 
この資本主義への批判、挑戦と言い換えてかもしれないが、よく夢物語に終わりがちである。だが、本書は行動ベースまで記している。理論と実践の両輪が整った一冊になる。そこまでして、なんとか資本主義のシステムを乗り越えようとする。その答えは昔のある仕組みに注目する。古くて新しい仕組みだ。
 
気になった人はぜひ手にとってみてほしい。
 
あなたは資本主義を肯定している人だろう。それでも読めばわかるはずだ。もうタイムリミットが残さていないことも、言い訳が通用しないことも。
 
 
 
 
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2020-12-30 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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