fbpx
メディアグランプリ

片意地を張っていた20年前の自分へ読ませたい本


*この記事は、「リーディング・ライティング講座」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【2021年1月開講】天狼院「リーディング&ライティング講座」開講!本を「読み」、そして「書く」。「読んで終わり」からの卒業!アウトプットがあなたの人生を豊かにする「6つのメソッド」を公開!《初心者大歓迎!》

記事:西眞紀子(リーディング・ライティング講座)
 
 
なんといっても会社はまだまだ男社会だった。
わたしが現役で働いていた20年前は、セクハラという言葉が徐々に浸透しつつある頃で、パワハラという言葉はまだなかった。
 
わたしはその頃役職に就いた。わたしの会社では、女性の役職はまだ少なかった。
役職に就いた時は、正直嬉しかった。これからは女性の役職も増えてくるだろうし、その見本になれるよう頑張ろうと思った。
役職に就いて変わったことは、何しろ会議や出張が多くなったことだ。まとめる資料、プレゼン資料が多くなり、なにより結果を求められた。そして、上司と部下との橋渡しという、目には見えない仕事も増えた。1年間は必死だった。仕事の流れについていくのに必死だった。
 
そしてわたしは気が付いた。会社はまだまだ男社会であることを。
何をするにも弱みを見せてはダメだということ。
弱みを見せると「だから女はダメなんだ」と言われ、
弱みを見せずに片意地を張っていると「かわいげのない女だ」と言われた。
口論で少しでもきつい言い方をすれば「だからお前は嫁にいかれないんだ」と、いまでは信じられないような言葉もあびせられた。
 
上司との出張もあり、移動中の食事など最悪だ。
上司と同じメニューしか選べない。もしも別のメニューで、わたしの方の料理が遅かったら上司を待たせることになるから。
そして、上司と同じペースで食事をする。できれば上司より早く食べなくではならない。なぜなら、化粧を直す時間が欲しいからだ。それでもトイレなどは、どうしても女性の方が遅くなる。そのたびに「お待たせして申し訳ありません」と謝ることになる。
「女との出張はめんどくさいな」と顔が言っている。
 
孤独だった。
相談する相手がいなかった。
上司には、自分で何とかしろと言われ、部下には、どうにかしてくださいと言われる。
同じ女性の役職には、ライバル視された。
 
孤独だった。
 
そんな男社会のなかで孤独と戦ってしる女性に出会った。
「凍える牙」(乃南アサ)の主人公、音道貴子だ。
30代前半女性、刑事。4年半結婚生活をして夫の浮気で傷つき1年前に別れた。子供はいない。
機動捜査隊員である彼女は、管轄内の殺人事件本部に駆り出され、所轄の男性とコンビを組むことになる。その相棒の男性が最悪だった。一言でいうと女性蔑視。
40代後半のその相棒は、女房に逃げられ女嫌い。女を信じていない。女はすぐに嘘をつく、裏切る、気分が変わる、感情が先走ると思っていて、女のデカを認めていない。
 
捜査本部には、女性は彼女しかいない。
「女だというだけで、好奇の眼差しを向けられたり、あなどられたりすることに、いちいち目くじらを立てていては、とても刑事はつとまらない。」(p.48)
 
女刑事は、孤独と戦っていた。
 
しかし、彼女は諦めなかった。
相棒を嫌なヤツだと思いながら、パートナーとしてより良い関係を築いていこうと模索する。
「女としてではなく、仕事仲間として、コンビを組む相方として、受け入れてもらえる方法を探すよりほかにないのだ。そうしなければ、今後の捜査に支障を来す」(p.66)
 
彼女は、捜査を優先した。男でも女でもなく、人間としてどうあるべきか考えた。
 
わたしは、どうだっただろう? 女であることに意識しすぎては、いなかったか?
数少ない女性管理職として、女性としてどうあるべきか考えていた。
相手を人として扱っていただろうか? 男、女と意識しすぎては、いなかったか?
 
相談する相手がいなかったのではない。相談しなかったのだ。
助けてくれる人かいなかったのではなく、助けを求めなかったのだ。
 
今ならわかる。片意地をはって自分の女という殻に閉じこもっていたのだ。
誠実に、人と接していなかったのだ。
 
彼女は孤独だったが、人には誠実に仕事を大切にしてきた。
自分が間違っていると思ったら、素直に頭を下げた。
そんな彼女の姿勢に、女嫌いの相方も態度を改めるようになる。
そしてクライマックスでは、彼女が捜査をひっぱり、誰もが認める仕事をする。
爽快だ!
女だって出来る。いや彼女は女を意識はしていない。ひとりの人間として、精一杯生きているのだ。男だ、女だと言っていた野郎どもに見せつけてやったのだ!
 
20年前の自分に言いたい。
男社会だと意識していたのは、自分が女だからと意識していたからだ。
力を抜きなさい。誠実に人と接しなさい。自分らしく生きればいいのよ。
 
【紹介した本】
「凍える牙」乃南アサ著 新潮社
 
【読んでほしい人】
・男社会で頑張っている人
・孤独だと思っている人
・男性をギャフンといわせたい人
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の「リーディング&ライティング講座」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミ、もしくはリーディング&ライティング講座にご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

【2021年1月開講】天狼院「リーディング&ライティング講座」開講!本を「読み」、そして「書く」。「読んで終わり」からの卒業!アウトプットがあなたの人生を豊かにする「6つのメソッド」を公開!《初心者大歓迎!》

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325


■天狼院書店「シアターカフェ天狼院」

〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目8-1 WACCA池袋 4F
営業時間:
平日 11:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
電話:03−6812−1984


2020-12-30 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事