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カメレオンなあなたを愛せよ


*この記事は、「リーディング・ライティング講座」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:堀川 哲朗(リーディング&ライティング講座)
 
 
悩んでいる。
 
みんな悩んでいる。
 
これでもかと言うくらいに。
 
考え方、価値観は人それぞれ。
一見楽しそうに人生を謳歌している人でも、
心の底で深い悩みを抱えていたりする。
 
大きかれ、小さかれ悩みを
抱えていない人を見つけるのは
至難の技と思われる。
その人が抱える悩みで一番多い
ジャンルは何だろうか。
 
すぐに浮かんだ。
 
それは、人間関係・対人関係の悩み。
 
世間のみんなの苦悩の多くの
根源がここに集約されている
気がしてならない。
 
あの大ベストセラー「嫌われる勇気」に
おいても、
「すべての悩みは対人関係の悩みである」
というアドラーの言葉が紹介されている。
世間ではきっとこんな悩みで
溢れている。
 
たとえば、
・義両親との人間関係に悩んでいる。
・上司・同僚とのコミュニケーションを取るのが億劫だ。
・ママ友との付き合いで疲れてしまう。
 
命に関わるほど、シリアスな事態
にはなっていない。
しかしながら、人間関係・対人関係の
悩みで、慢性的にじわじわ
苦しんでいる人がいる。
腰痛持ちの人がずっとその痛みを付き合わされているように。
 
もしそんな悩みや痛みに心あたりがあるなら。
どうか、どうか最後までこの記事を読んでほしい。
 
それはたった1冊の本が和らげてくれるというお話。
 
人間関係に悩むすべての人に
書かれた、1冊であると思っている。
さっそく引用してみる。
 
『すべての間違いの元は、唯一無二の「本当の自分」という神話である。
そこで、こう考えてみよう。
たった一つの「本当の自分」など存在しない。
裏返して言うならば、対人関係ごとに見せる複数の顔が、すべて「本当の自分」である』
 
『私とは何か 「個人」から「分人」へ』
平野啓一郎 講談社現代新書より
 
対人関係ごとに見せる複数の顔。
自分の今までの立ち振る舞いを
イメージしてみる。
夫としての顔、息子としての顔、
上司としての顔、同僚としての顔、
友人としての顔。
それぞれの関係性によって、
あなたのキャラクターや立ち振る舞いは
変わってくるのではないだろうか。
かつての自分は、これが苦痛だった。
 
ええかっこしいで、八方美人的な振る舞いをしているような感覚。
なんで、あの人の前ではあんな風に言えてしまうのか、
振るまってしまうのだろうか。
 
自己嫌悪の繰り返しである。
自分としては、その場に応じて対応しているつもりだ。
その後に感じるそれぞれの顔とのギャップ。
誰にでも好かれる聖人君子を
目指していたわけではないけれど。
 
いつのまにか
コロコロと、キャラクターや振る舞いを変えている自分に戸惑っていた。
 
普段の生活の場面で、「場の空気」を読んで、合わせたキャラを演じる。
幼なじみとカラオケに行ったときと、
取引先と行くカラオケでは、
曲のレパートリーも立ち振る舞いも変わる。
 
その場に合わせて、コロコロ
変える。
自分を守るために、体色変化する
と言われるカメレオンのように。
 
どれが本当の自分か。
ずっと何とか立ち振る舞っている
自覚とともに、しこりのような違和感。
 
打算的に、それぞれの円滑な
人間関係を優先して、
様々な顔を持っていくものだ。
そんなものだと思っていた。
 
そんな例をあげてみる。
 
私は高校生活を野球部で過ごした。
いわばザ・体育会系と言ったところだろうか。
 
上級生である先輩の命令は絶対である。
多分、記憶の奥深くに
その当時の関係性は残っていて、
もし突然に先輩と再会しても恐縮した
振る舞いしかできないだろう。
 
もしその振る舞いを
見られたなら、家族も会社の同僚もあまりの
ギャップに驚嘆するに違いない。
 
もちろん実際に見られる
なんてことはない。
しかし、どうしようもない恥ずかしさと、
どこかだましているような感覚が消えなかった。
 
これでいいのか。
 
そんなそれぞれの「顔」を
この本の著書は「分人」という言葉を使って説明している。
この本を読めば、日頃の人間関係の捉えかたが変わる。
 
「どうして、あの人のことであんなに
悩んでいたんだろう」なんて
驚いてしまうかもしれない。
打算的に顔を使いわけている訳じゃない。
 
好きになれる、
肯定できる。
 
同僚といる自分も、
家族といる自分も、
取引先のクレームに
対応している自分も。
それぞれの分人がいるのである。
どれもほんとうの自分と思っていい。
 
それと同時に大きな発見。
日頃のコミュニケーションを
取る他者の捉え方だ。
新しい自分を発見することの楽しさだ。
 
人はリアルであれ、
オンラインのようなバーチャルな
世界であれ、意思疎通を図らないと生きていけない。
少なからず、他者の影響を受けて生活しているのだ。
 
私は最近転職をして、
IT業界という未経験の業界に飛び込んだ。
いわゆる技術系の方とも
セッションしたことがなかったから、会議の発言の仕方も
いままでと変わった。
 
よりロジカルに理性的に話すように
自分の振る舞いが変わり、そんな自分に居心地の良さすら感じている。
この本を読んでいなかったら、また得体のしれない自分が
出てきたと嫌悪していたかもしれない。
 
あえて新しい価値観を
持っている人にふれる。
本を読むことでもいい。
 
その反応が新たな分人、
自分自身のキャラクターを
発見することができる。
 
他者からの影響をうけて、
ふるまっているのだから、
何か問題が発生しても
自分ひとりのせいにする必要はない。
これだけたくさんの人がこの地球上にいるのだから、割り切りも大切だ。
 
カメレオンが周囲の環境に合わせて、
体色を変化させるように、
僕たちも様々な色を持っていい。
変化していい。
 
時には身を置く環境によっては、
自分が見たことのない、
素敵な彩りが出るかもしれない。
 
その色、それぞれが自分の
すべてを表している。
素直に好きになればいい。
 
そう思えたら、
本当に肩のちからが抜けた。
他人とのコミュニケーション
を俯瞰的に考えることができた。
 
きっとあなたも、この本の
ページをめくる度に、
いろんな自分を発見
したくなるはずだ。
 
カメレオンなあなたでいいのだ。
 
 
 
 
***
 
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2021-02-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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