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メディアグランプリ

ババ抜きしながら考えた「押し付けからの解放」


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:青山二郎(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「ジェンダー・フリーのトランプ誕生!」
先日、オンライン雑誌のクーリエ・ジャポンにこんな記事を見つけた。
 
記事を要約すると、以下のとおり」。
23歳のオランダ人女性が、ある日、自分のいとこにトランプのルールを教えることになった。彼女はそのとき、あらためて「なぜ、キング(王)のカードはクイーン(女王)より強いのか?」という素朴な疑問にひっかかった。
彼女はその疑問を解消するべく、キング、クイーン、ジャックの代わりに、ゴールド、シルバーを、それぞれ「13・12・11」とする新種のトランプを開発し、ネット販売したところ、1か月に1,500セット売れた。
 
もちろん、この「男の王の数(13)は、女の王の数(12)より、1つ多い」ことを、「差別だ」だととらえることには、賛否の声が上がったと同記事にも書かれている。実際、クーリエ・ジャポンのコメント欄にも、「気にならない」「むしろ、意識しすぎて逆差別感を感じる」「賛成」「新しい種類のカードを作るのは良いのでは」など、様々な意見が書き込まれている。
 
こんな記事を読んだ後だったからだと思うが、そのあとに我が家で開かれたトランプ大会は、私の心の中でだけ、異様な盛り上がりを見せた。
 
私は現在、3人の子どもたちとともに、妻の実家の隣で暮らしている。地方出身者である私は、東京で就職し、東京出身の妻と結婚し、紆余曲折を経て、昨年から彼女の実家の隣で暮らすことになった。
 
3日ほど前の夕方、妻は習い事で不在だったため、私と子どもたち、義父母の6人で妻の実家で食事をした。食後、私は、義父母に「今日は、トランプを持ってきたので、食後の脳トレをしましょう」と提案した。
 
いつも孫をかわいがってくれる義父母は、喜んで提案に賛成した。ちなみに、義父は85歳、義母は76歳である。
 
まず「ババ抜きは、言葉の響きが悪いから、ジジ抜きにしましょう」という義母のジャブに、義父が「だいたい、トランプなんていうのは、ババ抜きから始めるもんだろう!」と応酬し、結局、ババ抜きを3回した後、ジジ抜きを3回することになった。
 
ゲームが始まってからも、「お父さんの番よ、早くして!」「お父さん、手札が丸見えよ。これ言ったの何回目?」「手札1枚、落としたわよ!」など、義母の義父への攻撃は執拗に続いた。
 
義父より9つ年下の義母は、最近、義父が目に見えて老いていくのがたまらなくイヤらしく、娘である妻に「お父さん、昨日も結局、まったく散歩に行かずにずっとテレビを見てたのよ」「ちょっと目を離すと、すぐ、横になりたがるのよ」など、愚痴をこぼしている。
 
それでも、妻によると、「若いころ、お父さんのことが嫌いだった。お母さんに『食事の準備が遅い』とか、『朝の支度がノロノロしてる』とか『子どもを甘やかしている』なんて、ことあるごとにしょっちゅう叱ってた。お前は黙って俺についてこい、って態度がありありだった」ということなので、今の関係は、完全に“逆転現象”のようだ。
 
今の温厚な義父の姿からは想像しづらいが、福岡生まれで、若いころは柔道の大会で優勝などもしていたようだから、時代の影響もあり「九州男児たるもの、夫としてかくあるべき」という思いが義父にもあったのかもしれない。
 
そんなことを考えながら、「ジェンダー・フリー」の記事を思い起こし、義父母とのトランプを楽しんでいた私は、「今、この夫婦間では13がクイーンで、12がキングでもいいかもな」と思った。かつては、13だったキングが、今は13のポジションを妻であるクイーンに譲り、自らは12を名乗り、それでいいと思っている。
 
そして、この構図は我が家においても当てはまる。
子どもたちは、何か物が入り用になった時、妻と私が家にいれば、必ず妻にねだる。学校の宿題でわからない問題が出てくれば、真っ先に妻に質問する。宿題の合間に休憩をする際、スマホでゲームをしていいかどうか、も私にではなく妻に聞く。よく、飼い犬は、家の中のメンバーの序列を本能的に見定めるというが、それに近い。もし、うちで犬を飼うことになったら、間違いなく彼(彼女)は「13」のカードを妻のもとに届けるだろう。
 
でも、それでいいのではないだろうか。
少なくとも、13が男の王であるトランプと、女の王のトランプのどちらがあってもいい。要は、自由に選べる選択肢は多いほうがよい、ということだけが真理のような気がする。
 
「ジェンダー・フリー」の意味を改めて調べると、「社会的・文化的性差からの自由」という言葉が出てきた。つまり、オス・メスという生物学的な性差の上に、あとから社会や文化が「男とは・女とは、こうあるべき」という意味が押し付けられがちなので、その押し付けから自由になりましょうよ、解放されましょうよ、という意味のようだ。
 
トランプのキングが13で、クイーンが12、というのが、「社会的・文化的性差」にあたるのかどうかは、正直私にはわからない。ただ、クイーンが13でキングが12のトランプが売られていても全くかまわないし、選択肢が一つ増えてうれしい、と思うだけだろう。
 
なにより、ババ抜きを楽しむ子どもたちは、そんな難しいことを何も考えていない。
大事なのは、「フリー(自由)」な発想で選択肢を自由につくり、それらの選択肢の中から自由に選べる環境にあるということなのだ。
 
トランプ大会の夜は順調に過ぎていき、人数分のケーキを抱えて帰ってきた妻の登場でお開きとなった。もちろん、ケーキを選ぶ順番は、引いたカードの数の大きさで決めた。
 
 
 
 
***

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2021-02-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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