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秘めフォトのススメ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:あだちあやか (ライティング・ゼミ 超通信コース)
 
 
初めて、Tシャツを胸下までめくりあげた女性のモノクロのポスターを見たとき、本屋っぽくないと思った。でも、特別明るくはない店内にも関わらず、そのモノクロのポスターは目立っていた。気にはなったけれど、初回でいきなり、詳細を聞くのはためらわれた。大通りから少し入った場所にある、こじんまりした、品揃えにこだわりのありそうな本屋が主催するイベントに参加するのは、ハードルが高い。しかも、裸で、自分史上最高のセクシー、だなんて。イベントのタイトルは、秘めフォト。ていうか、ポスター、ほぼ裸だし、なんなら全然秘めてないやん。
でも、何となく惹かれた。実年齢より年下に見られがちなことが嫌で、いつだって年上に見られたかったから。そのためにはセクシーだろ、と安易にずっと思っていた。セクシーと無縁だったけど、わたしにもセクシーがあるなら引っ張り上げたい。
 
だから、まずは本屋に通った。本を買って店員さんと話して、そこの主催するイベント一覧から、女性だけでお気に入りのカフェについて話す、という一番無難だと思ったイベントに参加した。とても居心地のいい時間だった。そして店員さんがあまりに感じが良かったから、もうこの人にならだまされてもいいや、という気持ちもあって、満を持して申し込んだ。
さて、秘めフォト当日。集まった面々は、みんな少し緊張しているようにみえた。わたし自身もこれから起こることが想像もつかなくて緊張した。会が始まって、カメラマンの男性が出てきた。その本屋の社長だというその人は、スキンヘッドの、なんだか柔らかい顔つき、でも言葉一つ一つにとてつもなくパワーがあって、強い力で前を向いているなと思った。「秘めフォトで彼氏ができたというひとも多いんですよ」という説明があり、うさんくささもなんだか拭いきれなかったけど、そのひとからやらしさは一つも感じられなかったから、まぁいいか、もうここまで来たら後は野となれ山となれだ、と思った。
撮影が始まって、下着で写真を撮ってもらう。こっちを向いて、こういうポーズをして、いろんな指示に従っていく。初めはみんな照れがあるけど、数分もすれば皆が下着でうろうろしていることに見慣れる。そして、写真が撮られる度に、わぁきれい、すてき、かっこいい、と感嘆の声があがる。本当に、皆きれいだった。心からの感嘆が皆の口から出ていた。終わる頃には、もはや服を着ていることが違和感なくらいになっていた。
いままでにない高揚感で帰った。なるほど、これは、例えば美容院帰りの綺麗をもっと精度を高めた感じ……たしかに恋愛もうまくいくかもしれない……と思った。でももっと、そういう単純な綺麗とかではなく、自分は自分のままでいいのだ、そのままで綺麗なのだと、無条件に全肯定された感じだなと思った。それくらい皆うつくしかった。もはや神々しかった。他の人の感嘆にも嘘はなかった。そう思ったとき、その感情は、結婚式後のそれと同じなことに気づいた。
 
結婚式の話をすると、わたしは、自分にはドレスが似合わないし恥ずかしいと思っていた。
自分の見た目があんまり好きでないのだ。わたしには目鼻立ちのはっきりした妹がいて、彼女は、ミスコンで優勝したり、雑誌に載ったりしたこともある。妹さん本当にかわいいよね、と言われたりするような、他愛ないことが積み重なって、自分の見た目を好きになれず、ひねくれていたので、地味な顔のわたしにはドレスは似合わないと思っていた。結婚式はしたけれど、家族式にしたのは、何かしらで横に並ぶだろう妹と比較されたくない、という気持ちがひとつもなかったとは言えない。
結婚式のあと、改めて友人だけを招いて食事会をした。そのとき、挨拶をお願いした友人が、手紙を読んでくれた。もう20年近く仲良くしている友人だ。小さい時から落ち着いている彼女に、わたしは、だめなところをずいぶん見せたし、いつも頼って、助けられてばかりだった。その彼女が、わたしのことを姉のように妹のように慕う、と言ってくれた。自分の感情をそこまで表に出さない彼女のひとつも嘘のないことばだった。それを聞いて、わたしは、自分にドレスが似合っているとか似合っていないとか、どうでもいいや、と本当に思った。彼女がそう思ってくれるなら、わたしも悪くないと思った。ほとんどはじめて、わたしは自分のことを自分で認められたような気がした。あとから彼女がくれたその手紙には、昔から知っている手書き文字が並んでいて、その懐かしさで一層、わたしは、いままでの自分に丸をつけられる気がした。
 
秘めフォトのあとの自己肯定感は、このときの感情に近しいと思う。いままでのこと全て受け入れて、なおそのままでもいい、と、自分に言える。他者との比較ではなく、自分が自分を受け入れられる、本当の自己肯定感。それが、ぐんっと一気にブーストできるのだ。
いつだって、自己は肯定していたいけど、自己肯定感を自分で身につけるのはなかなか難しい。でも、自分で、自己肯定感をブーストできることが分かったなら、一歩前進な気がする。
高い状態を維持するためには、初めにブーストを数回かけておくのが大事だ。結婚式で友人に手紙を読んでもらうことは何度もできることでないから、また秘めフォトを受けたいと思う。
自分の、自分による、自分のための、秘めフォト。
よかったら、おんなのひとは、一度体験してみるといいんじゃないかな、と思う。
 
 
 
 
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2021-04-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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