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まずは小さな子供を抱くために


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:ごろ子(ライティング・ゼミ超通信コース)
 
 
寄付しませんか? と言われたらどうだろう。かなり身構えてしまいそうである。あまり親しくない相手だと怪しい新興宗教に勧誘されるのではと不安になるし、親しい間柄なら、……どうした? と相手の近況を心配してしまいそうである。それぐらい私達にとって寄付とは日常的でない。
 
日本人の寄付への意識は欧米諸国のそれと比較して断然低く、一個人の年間寄付額は欧米の約40分の1である。これには宗教的、文化的な背景があると言われている。欧米諸国にはキリスト教により元々共助の精神が根付いている。また、階級社会や人種という構造的な問題により発生する貧困があるが、日本はそれが無い。その為、日本人にとって貧困は個人の怠慢の結果として生み出されるという意識がどこかにあり、救済すべきという意識が弱い。一方、個人の努力とは無関係に日常生活を奪われ、貧困が生まれる大型災害の際は、救済のために多くの寄付が集まる。ただ、元々寄付になじみが無い日本人にとって、寄付が継続的な習慣になりにくいのが実情である。
 
勿論、私にとっても寄付はなじみの無い行為であり、街角やWEB上で寄付活動を目にし、たとえ少し気に留めたとしても、そこから先には発展しなかった。なじみが無いから良く分からない、良く分からないから「この団体は本当に信頼できるのか?」と疑念を抱き、災害に乗じた寄付金詐欺などのニュースを聞くと、何も行動していないのに、さらに腰が重く感じた。
 
今から思えば、私の寄付への入り口は「とにかく身の回りをスッキリしたい」という誰にでもたまに起こる思い付きだった。結婚して以来、とにかく家には使わない物が溢れ過ぎて、広くない家の有効スペースを狭めていた。夫の母からは今の時代に合わない食器セットを沢山頂き(怒られるな)、結婚祝いのお鍋は同じものが2つあり、子供の成長とともにまだ綺麗な服や玩具がもう使えないものとして増えていった。
 
昨今は断捨離、ミニマリストの影響で捨てることも自分の為には「悪」ではないという風潮である。ただ、自分には使う予定の無い物でも、役割を全うしたように見えない物を捨ててしまう事には抵抗があり、そしてどんどん物は増えていった。そういう人は多いのではないだろうか。
 
解決手段として一時はフリマアプリも試みた。自分の手放したい物が他人にとって価値ある物となって売れていくのは楽しかったが、意外と時間を使っている事に気付いてやめてしまった。仕事と子育てをする私は、職場や家でいかに効率的に動き、時間を捻出できるかに苦心しているというのに、気づけば自分にとって不要な物の為にせっせと時間を費やしている事が間違っているように感じたのだ。
 
そして別の方法として行き着いたのが寄付だった。やってみると方法は実に簡単で、寄付したい物資を箱に詰めて寄付団体に送るだけである。送料は寄付する側の負担だが、それも含めて寄付だと思えば良いと思う。最初は身の回りを片付けるために送っていたが、気が付けば頂き物のタオルなど、いつかは使うだろうけど、今の生活に余分となりそうなものは、新たに手にした時点で箱に入れるようになっていた。
 
調べると各寄付団体の特徴もそれぞれである。アジアへの支援が主なので冬服は受付けない団体、文具は新品のみの受付が多い中、少しの使用なら中古のクレヨンなども受付けてくれる団体など。最初は一か所だけを利用していたが、扱う物品に合わせて使い分けるようになり、そして色々な団体を調べる事は、私の寄付団体の信頼度を測る目も育てたように思う。活動報告、会計報告があるか、大きな企業のサポートを受けているかなど、自分なりのチェックリストが出来ていった。
 
そして、いつの間にか私は現金の寄付をしてみることを考えるようになったのだ。勿論、自分の継続できる金額、継続できる方法で。物資の寄付が当たり前となり、縁遠かった寄付という行為がグッと身近になったのだろうか。自分でも驚きである。最初はただ身の回りの物を、捨てる事無く手放したいと思っていただけなのだが。
 
寄付は子供の抱っこのようである。急に大きな子供を抱っこしろと言われても自分には荷が重いと感じる。小さな時から毎日抱いているとそれが日常となり、その重みが少しずつ増えていってもさほど感じない。気づけば私の息子も17キロである。これを過去の私にいきなり抱っこしろと言っても無理だっただろう。
 
誰しも少しずつ気になっている何か、応援したい何かはあるが、何から初めていいかも分からない、気持ちは動くが行動を変化させるには腰が重いという事があるのではないだろうか。因みに今私が支援する対象は主に子供の貧困を改善する取り組みである。子育てを通して他人の子供の事も気になるようになっていた私は、たまたまそこにモチベーションがあった。人によってそれは動物の保護かもしれないし、生まれ育った海の環境改善かもしれない。
 
その小さな応援しいたい気持ちが具体的な支援になるのを阻むのは「分からない」という事ではないだろうか。私もまた、良く分からないから寄付行為を敬遠していた。寄付は決してしなければならないものではない。ただ、気持ちが動いたときにスムーズに行動に移すには、分かる為の一歩を思い切って自分で踏み出さなければならないのかもしれない。
 
 
 
 
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2021-05-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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