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メディアグランプリ

時代遅れの魅力


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:森 典子(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
今の時代、商品を買う時には、まずネットで商品の最安値や評判を見たりするのではないだろうか。私もその一人だ。もちろん通販サイトで商品を買うこともある。
しかし、電化製品については違う。なぜかと言うと専属の家電ソムリエがいるからだ。
人が電化製品を買う機会はそれほど多くない。洋服のように気軽に買える価格ではないため、流行りだから買ってみようという訳にいかない。しかし、時には流行にのってしまい購入した電化製品は、使用頻度が少ないのに思った以上に場所をとっていることが多い。我が家にも、パン焼き機、ヨーグルトメーカー、ジューサーミキサーなど、数回使って棚の奥の方にしまわれているものもある。
 
私は高い電化製品を買う時には、必ず家電ソムリエとも言えるN川さんに相談して決めている。商品に対しての説明も丁寧だが、価格も財布に優しい価格を提案してくれる。
今回の連休に私は絶対買いたい家電があった。それはプリンターだ。ゴールデンウィーク初日。まず、家電ソムリエのところに行く前に、近くの大型量販店にリサーチに出向いた。驚いたことに、インクの補充がボトルになっていたり、家庭用のレーザープリンターが出ていたりと、見たことのないプリンターが一杯あった。早速、前もってネットでリサーチきた商品を探す。ネットが安いと言われるが、量販店の価格も同じだった。そして、商品のメリットとデメリット、ランニングコストなどを聞くために、店員を呼ぶ。最後によさそうと思える、2~3個の商品の最終値引き価格をメモに書いてもらった。
 
それから、私が家電ソムリエのいるN川さんのところに向かった。私が彼との知り合ったのは、ひとり暮らしを始めた8年前。その頃はお金がなく、節約生活を余儀なくされており、必要最低限の電化製品だけの生活を送っていた。「テレビはなくても過ごせる。テレビを見ていた時間を自分のために何か始めよう」と言い聞かせ、数年はテレビのない生活を送った。確かにその期間、自分を見つめるためのいい時間になった。その反面、職場で流行のドラマの話が出ると、置いてきぼりになった。結局、生活費の目途が立ってテレビを買うことにした。その時に出会ったのが、N川さんだった。
N川さんに「できるだけ価格を抑えた商品で、大きいものが欲しい」と贅沢なお願いをすると、「このメーカーがいいというものはありますか?」と尋ねられた。「安くていいものであれば、全くこだわりません」と言うと、ある商品を紹介してくれた。「テレビのメーカーとしては知られていませんが、録画機能もテレビに組み込まれているので、レコーダーと両方買うこと思ったら、すごく価格が抑えられます」と言われた。型も一つ前のものだということで、55型のテレビを8万円と破格値で買うことができた。
その後、カメラや掃除機もお世話になった。知り合った頃は、名古屋駅の店舗に勤務したが、現在は星が丘の視点に勤務している。営業成績のよかった彼は、転勤して副店長になっていた。
「お久しぶりです」と挨拶をする。「お久しぶりです。テレビ元気ですか?」と声を掛けてくれた。「おかげさまで、なんの問題もなく、とても調子いいです」と言うと、「そうですか、それはよかったです」と嬉しそうに笑った。「でも、D社の掃除機は2回も修理をしてもらいました」と苦笑すると、「そうでしたね、あの時は、わざわざこちらまでお持ちいただきましたね」と話が弾む。それはまるで、自分の子どもの話をするかのようだった。ひとしきり買った電化製品の思い出話に花が咲く。
しかし、ネットで買ったらこうはいかない。電化製品の思い出を共有する人はいない。
 
そして、家電ソムリエの彼にプリンターの相談をした。じっくり話を聞いてくれた上で、あるプリンターを紹介してくれた。私の要望のランニングコスト、自動両面印刷の機能など、申し分ないものだった。価格を除いては……。「いいですね。でも価格もいいお値段ですね」というと、「ちょっとお待ちください」と在庫の確認と最終価格を決めにいったん姿を消した。そして「お待たせしました」と言って、電卓で価格を表示してくれた。店頭価格よりさらに安かった。「さすが、N川価格ですね」と言うと、「今は皆さんネットで見ていらっしゃるので、それよりは頑張らないと」と笑顔で言った。
ネットで便利に買うこともいいが、こうしてお店で買うと、さらに安くなる。しかし、価格以上に、電化製品の思い出を語り合う人がいることは、本当に嬉しい。今はどんな商品も生産者と消費者が顔を合わせることはほとんどない。そんな時代に家電ソムリエは、いつも家電製品のそばにいてくれる。その上、何年経っても自分の使っている商品について語りあえる。
ネットで購入しない、時代遅れのものの買い方は、心を一緒に買えるという特典が漏れなくついてくる。
貴方もたまには店頭で家電製品を買ってみませんか?
 
※ただし、「外出は必要最低限で」ですが……。
 
 
 
 
***

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2021-05-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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