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障害を武器に


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:ひまわり(ライティング・ゼミ集中コース)
 
 
私は2人息子を総称して、ヤンチャーズと呼んでいる。
名称のとおり「やんちゃ」だからだ。
小学6年生の長男と小学3年生の次男が、どこでも走り回り、おもちゃを使って色んないたずらを仕掛け、驚かしてくる。
そんなヤンチャーズは、母である私に構って欲しいのだろう。
 
2人で役割分担をするかのように、それぞれ順番に単文を発する。
長男が
「ママに魔法をかけてあげる! 」
というと、続けて次男が
「ビビデバビデブース」
そして、2人そろって
「ママは元々ブース」
と。
 
「いやいや、魔法かかってないじゃん! 」
 
と言いながら追いかける私に対し、ヤンチャーズは捕まらないように爆笑しながら必死に走って逃げようとする。
ヤンチャーズはそんなやり取りが面白いのだろう。
私もこんなやり取りがそんなに嫌いじゃない。
 
男の子はみんなこんなもんだろう。
長男が小学3年生まではそう思っていた。
違和感を感じたのは、次男が小学校に入学し、長男が4年生になったばかりのころだ。
 
次男が私に
「宿題をやったから国語のノートに丸付けをして欲しい」
と持ってきた。
1年生なのに1文字がきちんとマスに収まり、丁寧にかかれている。
あれ?
 
次男が明日の準備をしている。
筆箱の中にきちんと研いだ鉛筆が5本並んでいる。
あれ?
 
なんだろうこの違和感は……
この違和感の正体は、長男と違いすぎるということだった。
長男は、次男と真逆で文字がマスに収まらず乱雑に書いてしまう。
筆箱の中身なんて、学校に何しに行っているのかと聞きたいくらいに、いつ見ても空っぽだ。
 
私は、一般的な男の子が次男のようにできるのは、もっと高学年になってからだと思っていた。
しかし、次男は1年生でもできている。
なぜ4年生の長男ができないのか。
長男の性格が面倒くさがりだから仕方ないと思っていたが、仕方ないレベルではないように感じてきた。
 
そう思っていた頃、タイミングよく担任の先生との二者懇談会があったので、長男の担任の先生に思い切って相談してみた。
すると
「長男くんはやらないんじゃなくて、できないのかもしれません」
 
衝撃だった。
なぜ気づいてあげられなかったのか……
やれないことをやれと言われていた長男の辛さを思うと、先生を前にして涙腺を潤ませてしまった。
 
そういえば、長男が1年生になったばかりの頃、参観日の国語の授業でこんなことがあった。
長男の席は、真ん中の一番後ろの席だったため、私は長男の顔が見えるように教室の前の出入り口付近から見学していた。
授業の中盤くらいに、挙手をして当たった子から順番に音読するという流れになった。
長男は積極的に手を上げ、音読権を取得した。
ここで長男の後ろにいる、私と仲のいいお母さんたちがクスクス笑って、私に目配せをする。
長男は、特になんの問題もなく音読しているが……よく見ると
教科書が逆さまだー!
 
私も笑うのを我慢することができず、ニヤニヤしてしまう顔を隠すため下を向いた。
 
翌日、職場で参観日の出来事を話した。
結構ウケた。
私も自分の子だから仕方ないと笑い話にしていたが、たった一人の上司だけ笑わずに忠告してくれた。
「みんなと同じことができないってことは、何か問題があるかもしれないよ」
と。
気づくきっかけはあったのだ……
 
二者懇談会のあと小児科に予約をいれた。
何日かに分けて数回診察を受け、書字障害(漢字がうまく書けない)・ADHD(注意欠如・多動症といい、忘れ物が多く整理整頓が苦手)・アスペルガー症候群(人とのコミュニケーションが上手くできない)と診断された。
 
診断を聞く前に色々調べていたのでなんとなく予想はついていたが、実際に診断を受けるとショックだった。
もっと早く気づけたかも知れない……それでも、今わかってよかったと自分に言い聞かせた。
長男が診断された症状は、最近、大人の発達障害としてもよく耳にする言葉たちだ。
一見して障害があるとはわからず、その人の個性とか性格と言ってしまえばそれまでのことかもしれない。
しかし、個性や性格に隠れている何かにがんじがらめになっていることに気づいてしまった以上見逃すわけにはいかない。
 
小児科の先生からADHDは大人になると落ち着いてくるが、薬もあると紹介を受けた。
薬とは長い付き合いになること、副作用のことも検討した上で服用することに決めた。
 
服用してしばらくたつが長男は、頭がモヤモヤしなくなったと言い、テストの点数も比較的高得点をとってくるようになった。
薬が体に合い、集中することができるようになったおかげで先生の話が頭に入りやすくなったのだろうと推測する。
きっと以前は、100の力を使って書いていた文字も今は、50くらいの力で書くことができているんじゃないかと思う。
わが子に障害があるということを受け入れるのは辛いことだが、もっと辛いのは頑張っていることすら理解されずにサボっていると思われてしまうわが子だ。
発達障害と性格の境目を分けるのは難しい。
全て含めて自分なのだから。
しかし、自分を理解することで生きづらい世の中を乗り越え、乗り超えた壁を盾にし、障害を自分の武器にして強く生き抜いて欲しいと思う。
 
 
 
 
***

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2021-05-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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