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代表作のない私が生きていく、たった一つのコピーライティング


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:射手座右聴き(ライティング・ゼミ超通信コース)
 
 
「コピーライターをしています」
というと、言われる。
「すごいですね。クリエイティブな仕事ですね」
と。
 
コピーライターというと、気の利いた言葉を考える人、という
イメージを抱く人が多いだろう。
しかし、私には、そのような代表作がない。
さらに、私は、広告賞に縁がない。
フリーランスになってから、10年間ほとんど縁がない。
 
だが、年収面で言えば、サラリーマン時代よりも
明らかに増えている。
 
こういうと、情報商材のコピーライターかと思う人もいるだろう。
 
しかし、それも違う。
 
様々なクライアントさんからコピーを書く仕事を受注し
生活をしている。
 
だがしかし、広告会社時代は、コピーライターですらなかった。
以前は、クリエイティブディレクターをしていた。
TVCM、グラフィック広告、web広告などの企画から制作までの
まとめ役のような仕事だ。
自分で案を考えたり、人に考えてもらった案を選別したりしながら
企画にまとめあげ、実制作までディレクションをする仕事だ。
コピーを書くこともあったが、コピーライターと名乗る自信はなかった。
 
そんな私が、コピーライターとして、10年近くお金をいただいてきた。
そこには、たったひとつ、続けている、書き方があるのだ。
 
コピーライターになったのは、一本の電話からだった。
「あの、今から3時間後にキャッチコピーをだせますか」
前職の営業マンが電話をしてきたのだ。
なぜ3時間後かというと、制作途中のTVCMのナレーション録音が
3時間後だから、という。
突然、キャッチコピーを入れたい、とクライアントが言い始めたんだそうだ。
 
フリーランスになったばかりの私に断る理由はなかった。
商品はゲーム。とあるアニメキャラクターの世界観で展開するゲームだ。
しばらくして、15秒の動画が送られてきた。
10秒くらいアニメの名シーンが展開し、ラスト3秒は商品名とパッケージ。
その真ん中に2秒間黒い画面になっていた。
ここがコピーを入れるところなのだろう。
 
コピーライターじゃないけど、なんとかするか。
そう思って私はPCに向かった。
とりあえず、そのキャラクターの名セリフを検索した。
それをモジって10個ほどコピーを書いた。
次にゲームのジャンルを考えた。RPGゲームだった。
RPGならではのキーワードを書き出してみた。
これと主人公の名前を組み合わせて5個、
ユーザー側の立場になって、「○○するのは、君だ」 というような構文を
次々と考えた。
新発売のゲームだから、「新しい」 とか 「いままでなかった」 とか
そういった単語とくみあわせたものを考えた。
書いていて思った。
 
キャッチコピーだから、気の利いたものがいいんじゃないか、と。
そこでダジャレを考えた。反対の言葉をつなぎ合わせたようなものを考えた。
さらに、擬音だとどうなるか。たとえたら、どうなるか。
夢中になると、ユーザーは、どんな状態になるか。
などを考えて、提出したのは、2時間半後だった。
 
発注先から翌日電話があった。
「たくさん出していただいてありがとうございました。
結局、名セリフをもじったものになりました」
 
えええ。あんなにたくさん書いたのに、
誰でも書けるようなものが選ばれるのか。
と、一瞬思った。
 
私は、謝った。
「えー。そしたら、お役に立てたかわからないですね。すみません」
 
ところが、発注者からの言葉は思わぬ言葉だった。
「いえいえ。短時間でたくさん出していただいて、よかったです。
おかげさまで、比較検討ができました」
 
なんと、役に立ったというのだ。
 
私の中に、ある仮説が生まれた。
「もしかしたら、これは仕事になるかもしれない」
 
案の定、その部署からはお仕事をいただけるようになった。
 
多い時は1ヶ月5本近くも、だ。
 
駆け出しフリーランスにとって、とても助かった。
それ以上に、とても勉強になった。
 
それまで、フリーランスのコピーライター、というと
巨匠の仕事だと思っていた。
超大手のクライアントさんの定番商品の広告のキャッチフレーズを
一行数百万円で書くもの、と思っていた。
 
ところが、だ。
とてつもなく短い納期を求めている仕事もあるということを知った。
 
もうひとつ。
一行のキャッチフレーズを決めるために、
方向性を書き分けるニーズについても知ることができた。
 
そして、これが大きかった。
 
広告のキャッチフレーズを提案するとき、いくつかのやり方がある。
クライアントの考えたことを肯定し、広げたコピー。
ユーザーから見た視点の違うコピー。
クスッとできるダジャレコピー。
少しそれてもインパクトを与えられるコピー。
その発想はなかった、という実験的なコピー。
 
この方向性を列挙することもサービスにはなるのだ。
「わかってるな、この人」 と安心してもらえる方向もあれば
意外な方向を付け加えることで、選ぶ楽しみや比較する楽しみを
提供することにもなる。
仮に外していた場合でも、たくさんあるから
「これは外してる」 と意見をもらいやすい。
 
列挙した方向性の中から、方向性だけでも選んでもらえれば、
さらにもう一度提案の
チャンスをもらえて、信頼関係もできてくる。
 
つまり、一緒に考える、というサービスになっていくのだ。
 
一行のアウトプットをサービスの形としてだして判断してもらうのか。
それとも、
思考プロセスの過程から伴走することをサービスにするのか。
 
後者なら、自分にもできるのではないだろうか。と思ったのだ。
 
この10年前の気づきは、今も活用されている。
 
この方法、大手であればあるほど、合議制であればあるほど
活きてくる。みんなの意見を踏まえて選ぶことができるからだ。
 
そんなわけで、相変わらず無名だけれど
私はこうして生きている。
廃業するコピーライターもいる中で
踏みとどまって、仕事を増やしている。
 
代表作のない私が、実践していることはたった一つ。
コピーは最低50案はだすことだ。
その中には、クライアントの欲しているもの
気の利いたフレーズになっているもの
思いも寄らない方向からのもの
必ず、入れている。
 
大先生のプレゼンではなく
伴走する意志を表明するプレゼンをするのだ。
無名でも、伴走してくれる人がいい、というニーズだってある。
 
コピーライティングに限らない。
もしかしたら、あらゆる仕事で
お客様と伴走する、というサービスの仕方が存在するのかもしれない。
 
伴走の考え方、あなたのお仕事でも、応用できたらいいなと思います。
 
 
 
 
***

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2021-05-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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