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メディアグランプリ

就職活動しているときは、スキージャンプで飛距離を出すことしか考えてなかった。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:カワノフミノリ(ライティング・ゼミ平日コース)

あれも就活生だな。
今年は今の時期くらいになるんだな。

とある日曜の午後、約束まで時間があったので、駅近くのスタバで時間を潰しがてら通行人を眺めていた。
しばらく眺めていると、通行人の中で黒のスーツの若者がよく目に留まった。
なんでああも就活生は分かりやすいのだろうか。
見た目としてはごくごくありきたりなスーツ姿なのに、
これだと思える確かな根拠がなくとも、一度目にしてしまえば就活生だという確信が持ててしまう。
言葉にできないくらいの細かな違和感が、塵と積もって私の中に大きな確信の山を作っているようだ。
私も数年前はあんな風にわかりやすく就活生をしていたのだろうなと思うと、少し懐かしい気持ちになる。

頑張れ、そして焦るな。
心の中でつぶやく。

今思えば、就職活動はいろんな種類の選択肢のひとつにすぎないんだと思える。
けれども、当時の私にとって目の前に続く道のすべてだと思っていた。
そしてきっと、今就職活動をしている人たちも多くの人がそう思っているのではないだろうか。

私は、人生は階段のようなものだとことあることによく言われてきた。
歳を取るごとに一段、学年を上がるごとに一段、試験や試合を乗り越える度に一段みたいに。
その階段を高く高く登れば登るほど、遠くまで世界が見渡せるようになる。
遠くまで見渡すことができれば、きっとその中から自分のなりたいもの、やりたいことが見つかると思っていた。
けれど、就職活動を迎えたときの私は、そんな簡単に見渡すことができなかった。
高校、大学と間違いなく階段を一段一段上がってきていた、
けれども、その頂上にあるものは自由にどこへでもいけるヘリポートではなく、
滑り降りてその飛距離を競うスキーのジャンプ台だったなんて、登り切るまで気づくことができなかった。

就職活動の始まりは当然だった!
公に就職活動サイトが登録受付を開始した日に、いきなりピストルが鳴らされた感じだった。
数ヶ月前からインターンや情報収集などで準備していた人たちは違っただろうが、研究室にずっとこもりっきりだった私はそう感じた。
最初は何が起きているのか、よく分からなくて、情報を集めることで手一杯だった。
周りがなんか走り始めたから、遅れないようについて行かないとと、とりあえず動いてた感じだ。
流されるままに、合同説明会や就職活動セミナーに色々行ってみた、それ自体はなかなか楽しかった。
長い時間、話を聞いてメモをとったりするのは疲れるけれども、疲れていることが就職活動をしている実感のように感じられたし、
知らないことを知ることはそれ自体が楽しかった。それに各企業の人の話を聞くことで漠然としていた「働く」ってイメージが固まっていくようなそんな気がしていた。
しばらくして、就職先のターゲットを絞ろうと考えたとき、大学の専攻が食品関係で周りの人のほとんどが食品関係の業界にしていたから、私もその業界にした。せっかく大学院まで進学して学んできたんだし、そのことを生かさないともったいない気がしていた。
けれど、そんな計画通りにはいかなかった。希望とした食品関係の企業には一社も通ることができなかったのだ。

結果として、私はIT関係の企業に内定をもらうことができた。
なんでIT関係なのかというと、単純に私の興味あることを考えてみた結果だった。
食品関連の企業の採用活動は他の企業より早めの時期だったことがラッキーだった。
一度、食品関係が全滅してしまった私はとりあえず、自分自身がなにが好きかを見つめ直してみた。
すると、「年中ネットばかりしていたし、それを作る側に回ってみたら楽しいかもしれない」って気持ちに気づいた。
そして、それからIT関連の企業を受けてみたのだ。
そしたら食品関連で全滅したことが嘘のように、選考が進んだ。
やりたいことを素直に言えばそれが一番なのかもしれない。

今は就職して4年が過ぎた。
このときからまた少し考えは変わってきている。
就職活動をしていたときは、これまで積み上げてきたものに対するプライドや、周りの動向に流されて視野が狭くなっていた。
方向の決められた滑走路を、他のみんなと同じように飛んで飛距離を競おうとしていた。
結局のところ、同じところには着地もできずに全然違う方向に飛んでいってしまったのだけども。

今思うと、まずは山頂で立ち止まってよく景色を見てみるべきだったと思う。
周りの人に置いて行かれる感覚は怖くて、とても辛いけれども、
今から何をするのか、どこに飛んで行きたいのかはっきりさせるべきだ。
そんな状態で飛んでみても結局は途中で失速してしまう。
そして、よく周りをみれば、滑走路以外にもいろいろな選択肢があることに気づけたと思う。
世の中の働いている人のすべてが、会社に属しているわけじゃない。
就職活動しているときは、他のことが見えにくいけれど、落ち着いて周りの働いている人たちを見てみるといいと思う。
そして社会は、飛距離を競う雪山じゃなくて、どこまでも広がっていく大海原みたいなところだ。
大海原には高低差もないし、飛距離を競ったりしない。道順もなければゴールと決められた場所もない。
今、目の前にある、スキージャンプの飛距離を稼ごうとすることにとらわれずに、
この先にある長い長い航海を見据えて、
本当に自分はどこに行きたいのかを、ゆっくり時間をかけて考えることが本当は大事なんじゃないかと私は思う。

私もまだどこを目指そうかと考え続けている。

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2017-04-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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