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「お金」の正体とは……「筋肉」かもしれない


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事 : 西島秀敏 (ライティング・ゼミライトコース)

 
 
あなたはマッチョな男性が好きですか? それとも中肉中背がいい?
 
ちなみに私は、中年太りでたるみ切った体を鍛え直そうと只今ジムに通っている。鏡に映る自分はさすがにひどい。でっぱった腹を一発叩いて思う。あの頃は私も無駄のない締まった体をしていたなあ、と。
 
バブル期、私は金融関係の仕事をしていた。今思えば、異常とも言える経済の絶頂期だ。私の顧客には若くして億万長者になった者、積極的な運用で金融資産を倍増させていく者、強気なビジネスで“時代の風雲児”と呼ばれた者もいた。みんな、ギラギラしていた。彼らのマネーサポートすることで私もそれなりの給料をもらっていた。とはいえ、彼らと比べたら雀の涙だ。しかも、めちゃめちゃ忙しかった。海外の株価変動を追いかけていたので寝る暇もない。食事をとる時間さえなかったほどだ。そりゃあ、痩せていて当然だろう。毎日がお祭り騒ぎ。金融の世界、いや、日本そのものが興奮のるつぼだったと言っていいだろう。
 
ところがこの狂乱はある日、突然終わる。バブルが崩壊したのだ。
 
マネーゲームに酔っていた者たちの多くは多額の資産を失った。私が関わっていた人の中にも、一転、借金王に転じた人がいる。ビジネスを畳み、都落ちしていった人もいる。もちろん、野生のカンで被害を最小にして逃げ切った人もいた。被害の大小こそ違ったが、あの時点で、みんな祭りの後の虚しさを背負わざるを得なかったと思う。気づけば、踊り続けたせいで誰もが疲れ切っていた。私もそうだった。
 
仕事とはいえ、お金で身を崩していく人を見るのはつらかった。何とかできなかったのかという罪の意識のようなものもないではない。一体お金とは何なのだろう? 私はすっかり見失ってしまい、金融の仕事を辞めることにした。それまでの不規則な生活と、自らへのガソリンだと思って飲んでいたアルコールのせいで体がボロボロになっていたのだ。
 
仕事を辞めてからの私は、なんだかわからないが傷ついていた。会社に行かなくていいので心身ともにラクになったはずだが、気持ちに張り合いがなく、何に対しても意欲が湧かなかった。「これが虚しさか……」と自分が抜け殻であることを実感した。その頃だ。妻から離婚を切り出された。今思えば、当然だろう。多忙を理由に家庭をかえりみなかったかと思えば、いきなり会社をやめて定職に就くでもなく、ただ家でボーっとしている。そんな夫に愛想をつかすのは納得だ。しかし、その頃の私は「捨てられた」と思っていた。酒に溺れた。
 
見かねた友人がこんなことを言ってくれた。「おまえ、ジム行って健康になれよ」
 
筋肉ムキムキの友人に半ば強引に連れられて私はジムで筋トレをするようになった。すると、肉体とは正直なもので動かしてやれば自律神経が整ってくるのか、私の中で少しずつ自分を取り戻していくような感覚を味わった。これはいい感じだ! 同時に、貯金が底をついてきたので就職活動も始めた。
「この仕事は給料が××万円」
「この仕事だとボーナスは××万円もらえる」
そんな話をたくさん聞かされたが、気づけば私はお金の話が大嫌いになっていた。もう二度とお金に振り回されたくないのだろう。しかし、日々の暮らしにお金はいる。私は興味のある職種の中から候補の会社を3つ選び、その中のひとつに拾ってもらった。
 
以来、会社勤めをしながら、途切れ途切れではあるが、ジムに通っている。ある時、筋トレをする人たちを見て、こんなことを思った。
「お金って筋肉みたいなものかもしれない」
とことん身に付けたければ、バーベル、ダンベル、腹筋、背筋……懸命に励めばよい。そのぶん、しっかり蓄えられる。また、プロテインなどを飲んで筋肉が膨れ上がることに価値を見出す人もいる。筋肉もお金も、それを増やすことに取りつかれてしまう人が必ず一定数いるところがそっくりだ。しかし、やり過ぎは危険だ。自らを痛めつけることもある。
一方で、使わないとサビてくるところも似ている。お金ってちゃんと使わないとただの紙切れになって、いつのまにかマネー感覚が鈍るのだ。
 
では、お金は一体いくら持っていればよいのだろう?
 
それは人それぞれだ。ただ、私はマッチョでなくていい。不自由なく動ける程度に筋肉が付いていれば、それで十分だと思えるようになった。ただ、ないのも困る。贅沢はできなくても、行きたいところに行けて、欲しいものに手が伸ばせるくらいには身に付けておく。これが性に合っていると中年になってやっとわかった。
私は今、そんな暮らしができるように働いている。
 
ただ、最近は我が身に脂肪が付いてきて、別の理由で不自由さを感じるようになってしまった(笑)。せっかく「お金とは何か?」という疑問に答えが出たのに、ここへ来て、新たな難問が立ちはだかっているのである。
 
世の女性に問います。
あなたはマッチョな男性が好きですか? それとも中肉中背がいい?
いや、中年太りが最高! という方はご一報ください。励みにします。
 
 
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2018-02-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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