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「生きていけない」と感じるほどの大雪を経験して「雪国が大好きだ」と思うようになった理由


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:かずゆき(ライティング・ゼミ平日コース)

 

「もうこんな場所で生きていけない!」心の中でそう叫んだ。

 

朝目覚めて、いつものようにカーテンを開けると、そこは雪!雪!雪!の銀世界だった。

 

一瞬「きれいだな」なんて思ったが、すぐに自分の浅はかさを恥じることになった。

 

登校時間がきて家を出ると「道がない……」

 

踏み込めば腰まで埋まってしまうような雪。

 

途方にくれた。

 

雪にはまり動けなくなった車。

 

目の前で転ぶ女子高生。

 

凍りついて出なくなった水道。

 

目の前に広がる世界はまさに「カオス」だった。

 

 

ご存知の方もいるかもしれないが、北陸はこの一週間記録的な大雪だった。

 

福井県と石川県をつなぐ道路では計1500台の車が立ち往生した。

 

大雪のためスーパーは閉店。

 

コンビニも交通網がストップしたため、品切れ状態に。

 

このままだと、ご飯も食べれなくなるんじゃないか。

 

温暖な地域で育ち、大学入学のタイミングで北陸へ来た僕にとっては十分すぎるほど過酷な環境だった。

 

 

 

数日すると、雪が落ち着いてきた。

 

数日ぶりに外へ出た。

 

すると近所の人たちが少しずつ雪かきを始めていた。

 

「今度は雪かきか〜。過酷すぎる」と思った。

 

 

 

しかし、この「雪かき」が「雪国が大好きだ」と思わせてくれるきっかけとなる。

 

 

 

雪国では雪が積もると、みんな「雪かき」をする。

 

なぜそんなことをするのか。

 

「生きる」ためだ。

 

車・歩行者が通れるように道を作る。

 

家・車が潰れないように雪を降ろす。

 

そして、職場や学校へ出かけていく。

 

雪国では「雪かき」は生活をするための欠かせない活動なのだ。

 

 

 

僕は雪かきを始めた。

 

「終わりのない戦いが始まるな……」と心の中でつぶやいた。

 

僕は駐車場の「雪かき」から始めた。

 

すると、すぐに友人2人がやってきた。

 

同じ駐車場を借りている友人だ。

 

「雪かきやるかー」なんて言いながら、2人も雪かきを始めた。

 

「こんな気候で生活するのは無理だよね」

 

「北陸から脱出したいよね」

 

なんて愚痴を言いながらも楽しく作業していると

 

みるみる雪が片付いていった。

 

綺麗に積み上げられていく雪に感動すら覚えた。

 

「あれ?雪かき楽しいかもしれない」

 

不思議な気持ちが込み上げてきた。

 

なんだろう。この感情は。

 

 

 

なんとも表現しがたい感情を味わっていると、

 

お兄さんとおじさんがやってきた。

 

2人は親子で同じ駐車場を借りているらしい。

 

「おはようございます。すごい雪ですね」

 

「そうだね。もう嫌になっちゃうよ」

 

このときが初めての会話だ。

 

すぐに2人も「雪かき」を始めた。

 

同じ空間に知らない2人が混ざり少し気まずい空気が流れる。

 

黙々と作業を続けていたが、沈黙に耐えきれず

 

僕は2人に話しかけた。

 

「まるで車を発掘するゲームですね!!」

 

すると、2人が笑った。

 

「誰が一番最初に発掘できるか勝負だ!」

 

とお兄さんが言った。

 

空気が居心地の悪いものから、温かいものになった気がした。

 

その後、作業をしながらいろんな話をした。

 

学校のこと、仕事のこと、将来のこと。

 

まさか、こんな話までするなんて、と思うようなことまで話した。

 

このとき味わった感情はすごくすごく温かいものだった。

 

「久しぶりだな〜、この感覚」そう思った。

 

知らない人と協力し合って、「ほっこり」するような温かい環境がうまれる。

 

田舎で育った僕には懐かしかった。

 

困っている人がいたら、話しかける。助ける。協力する。

 

そんな環境が当たり前だった。

 

しかし、地元を離れて

 

「おせっかい」という言葉を知った。

 

「個」として生きることも知った。

 

他人の領域には踏み込まないことがマナーだと教えられた。

 

でも、どこかで寂しい気持ちがあった。

 

「よし!今日は思いっきりおせっかいをしてみよう!」

 

そう心に決めた。

 

 

 

隣の駐車場で雪かきをしているおばちゃんがいた。

 

「手伝います」

 

そう言って、友達2人とおばちゃんの「雪かき」を手伝った。

 

すると、おばちゃんが楽しそうに話し始めた。

 

「昔はかまくらを使って遊んだんだよ。せっかくだから楽しまなきゃ」

 

かまくらは雪で作った部屋のようなもので、中に入って遊ぶことができる。

 

もともと雪国育ちではない僕は興奮した。

 

「いいですね!!かまくら作ります!!」と僕は即答した。

 

 

 

 

作業を終わらせて友達2人とかまくらを作り始めた。

 

すると、おばちゃんが七輪とお餅を持ってきてくれた。

 

「これを使ってお餅を焼くといいよ」

 

なんて素晴らしいアイディアだ!!

 

これが雪国の遊びか!と感動した。

 

それから、お兄さんとおじさん、おばさんがかまくら作りを見守ってくれた。

 

コーヒーやお菓子も差し入れしてくれた。

 

見守られながら全力で遊ぶのなんていつぶりだろう。

 

幼稚園?小学生?以来だろうか。

 

不思議な安心感と心地よさがあった。

 

「かまくら」が完成して、七輪でお餅を焼き始めた。

 

さっきのおじちゃん、おばちゃん、お兄さんだけでなく

 

道ゆくおじいちゃん、おばあちゃんまで集まってきた。

 

このときふと感じた。

 

「雪」ってこの「七輪」みたいだ。

 

 

 

「七輪」の火は暖かくて、明るくて、みんなが「七輪」を中心に集まってくる。

 

そこでは、会話が生まれ、交流が生まれる。

 

普段は話すことのない知らない人たちが、「七輪」という道具を介して交流する。

 

そして、思いもよらない楽しい空間が出来上がるのだ。

 

「雪」も同じだ。

 

「雪」があるからみんなが外へ出てきて、「雪」を中心に集まる。

 

そこで新しい出会いがあり、新しい交流が生まれる。

 

そして最終的に想像もしなかった楽しい空間が生まれる。

 

冷たいにも関わらず人を集められるという点では

 

「雪」の方がすごいんじゃないかと感心した。

 

 

 

「1人の時間」「1人の空間」は僕も大好きだ。

 

でも、「たまにはこういう日があってもいいな」なんて思った。

 

どこか遠い存在に感じていた「町」が第二の故郷に思えた。

 

それは言いすぎかな(笑)

 

とにかく、「人とのつながり」が僕にそれほどの安心感を与えてくれたということだ。

 

今後のこの「町」での生活がとても楽しみになった。

 

こんな体験をさせてくれる「雪国」が大好きだ。

 

 

***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2018-02-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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