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メディアグランプリ

子育てと旅


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:ひろわたりひさこ(ライティングゼミ・日曜コース)

「次はどこに行く?」
学生時代はよく旅をした。
旅行から帰ってくると、そう言ってもう次の予定を立てていた。
国内旅行では京都がお気に入りで、10回以上は行っただろうか。
海外も、何カ国か行った。大学時代の貧乏旅行が主だったから近場が多いが、それぞれの国で大いに楽しんだ。大概、誰かと行くか、もしくは現地で友人と待ち合わせるか。
旅は、出発前の準備から楽しく、帰ってきてから思い出に浸るのも楽しい。
特に誰と行くかは重要で、普段仲良くしているから旅行のペースも合うかといえばそうでもなく、一緒に旅に行く相手は慎重に選ばなければならない、と気付いたのは、大学生の頃だった。

そんな大好きな旅行も、子どもが生まれてからはほとんど行けなくなった。
いや、行けなくなったというのは語弊があるだろう。子連れでもバンバン旅行に出掛ける家庭はたくさんある。
わたしの場合、小さな子ども連れの旅に不安があり、踏み切れなかったということもあるし、お金の問題もある。と思っていたが、振り返ってみると旅への情熱、それ自体が薄れたという理由が大きい気がする。

旅に何を求めるか。
それは、人それぞれ違う。
風景だったり、人とのふれあいだったり、その土地ならではの料理だったり。目的は様々である。

そう考えたとき、旅と子育てとのあまりの共通項に驚いた。

子育てに何を求めるか。子育ての楽しみや苦労、どういう子どもに育って欲しいかという希望などは、各家庭によって全く違う。場合によっては、両親の間でも意見が違っていたりする。

旅もそうである。

なぜ旅に出るのか、どこへ行ってどういったことを楽しむのか、それは人によって全く違う。そして、どれが合っているわけでも間違っているわけでもない。

旅行の場合、まずは事前準備をする。行き先を決め、旅程を組み、交通機関や宿などを予約する。気候を調べて荷造りをし、お店を調べて地図を確認する。
そういった、必要と思われた準備を完璧にしていても、突発事項が起こるかもしれない。傘では防ぎきれないほどの嵐や雪、天災や人災による交通機関の遅延。体調不良になる可能性だってある。
そんな状況で責められるべきは、旅行の場合、誰だろうか。
普通、よほどの理由がなければ、あまり誰か個人を責めることはない。

しかし、子育ての場合、とかく母親に責めが行くことが多い。

子どものしつけの問題だけではなく、病気やけが、はたまた帝王切開だったとか人工授精であったとか。そういった、マイナスの要素も、マイナーな要素も(単に少数派というだけで)母親が罪悪感を覚えている事が多く、驚いてしまう。

旅行の場合、晴れの天気予報を信じて傘を忘れ、雨に降られたとしても、お店で買えばいい。
うっかり寝坊しても最終的に目的地に着けばいい。
もし最初と違う目的地でも、楽しめたらそれでいい。

それと同じで子育ても、たとえ予定や予想と違っていても、まわりと歩調が違っていても、本人が選んで進んでいけるところ、楽しんで生きて行けたらそれがいい。

子育ては旅行と同じである。
一人一人、目的も違うし、どんなことを楽しむかも違う。同じ場所に行っても、楽しむ風景、好きな料理、買いたいお土産はひとりひとり全然違う。
ましてや違う場所に旅行に行けば、全く違う土産話が聞けるだろう。
もしも、同じ人が同じ場所に旅行に行ったとしても、出逢う人が違えばその日の天気も違う、そんな違いによって、旅が余計に楽しくなったり、ちょっとしか楽しめなかったりする。
どんなに詳しく調べても、調べ尽くせることはない。

そう気付いた時、自分の心が既に満たされていることに初めて気が付いたのだ。

旅行に求めていた、楽しみや喜び、苦労や面白さなどの心の栄養は、もう既に子育てをすることで息子から得られていた。むしろ、今、旅行以上に色鮮やかな日々を過ごしている。
そうなったとき、旅行したいという欲はいつのまにか薄れていたのだ。旅行が大変だからというネガティブな理由ではなく、子育てによって満たされているために。

ただこの子育てという事業、旅以上に刺激的で旅以上に満たされるのではあるが、旅以上にリスクも大きい。なにしろ、20年にわたる大事業な上、こちらはずぶの素人の状態で始めなければならない。始めるタイミングも、計算できた人もいるだろうが、いつの間にはプロジェクトが始まっていた!!というパターンも多々ある。そうなると、出産までに準備が終えられないとか、知るべき事を知らないまま出産に至ってしまう、という人も出てくる。

けれど、そもそも子育てという未知の領域は、世界中を旅するよりも広い。そんな未知の領域に踏み込むのに、事前に調べ尽くせる日なんて来ないし、失敗せずに渡っていくことも不可能である。

だから、子育てをもっと楽しもう、肩の力を抜いて気楽にいこう。
そう、初めての場所に旅行に行くときのように。
そうすればもっともっと、子育てが楽しくなるに違いない。
 
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2019-01-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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