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メディアグランプリ

むなしい努力で通院中


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:永田ゆり(ライティング・ゼミ 日曜コース)
 
 
「ごはんを食べたらちゃんと歯を磨きなさい! 虫歯になっちゃうでしょう!」
あなたは小学生の際に、お母さんや学校の先生にこのように言われたことはないだろうか。
私には経験がある。だが言われていた側の人ではない。私はしっかりと歯を磨いていてそれを聞いている側だった。何を当たり前のことを言っているのだろうかと思っていた。
しかし、私はこれが間違いだったと、大人になってから気づいた。
私はしっかりと歯を磨いていたにも関わらず、大人になってからも虫歯が非常に多いからだ。
 
現在27歳の私と虫歯菌との戦いは4歳のころにさかのぼる。
ある日、虫歯ができた4歳の私は、お母さんと一緒に地元の歯医者さんに行った。
「なんでこんなに酷くなるまで、お子さんを放っておいたのですか!」お母さんは歯医者さんに一喝され、私はその後、約10年弱に及ぶ矯正治療をすることになった。
これにより、母がコツコツ貯めていた家族5人でのディズニーランド貯金は私の歯の治療費に消えてしまった。その後、「口のアーチの割に歯が大きい」と称された私の歯並びは、おかげ様で非常に整ったものとなった。
虫歯もなくなり、小学校の健康診断では虫歯がない人と表彰された。
こうして、私は小学校の卒業と同時に、歯医者からも卒業した。
 
しかし、私はここで安心してはいけなかったのだ。奴は確かに私の口の中にいたのだ。
 
高校生の時、私は歯の痛みに突然襲われた。
すぐさま地元の歯医者にいったところ、なんと小さいものも含めて虫歯が数十か所にできていたのだ。
泣いた。あれだけ、母に大金を支払ってもらい、歯磨きをしっかりしていたのにもかかわらず、虫歯をつくってしまったことが非常にショックだった。
すぐさま治療を終わらせ、高校を卒業した。
しかし、これでは終わらなかった。
 
順調に歯の痛みも特になく、私は大学生活を満喫した。
しかし、社会人4年目になった私は、ある日、歯の痛みに襲われた。
昔、治療した歯から虫歯が再発したのだ。
1日3回しっかり歯を磨き、歯間ブラシ、マウスウォッシュまでしていた私に虫歯ができてしまった。泣いた。
あまりにもショックを受けて私は高校生の時からの親友に話したところ、「私、全然虫歯にならないんだよね~、おばあちゃんも70歳なのに全部自分の歯なの。家系的に強いのかな?」
なんだって! 逆にもっとショックを受ける展開になった。
 
満身創痍の私は他の人にも相談した。いた。同じ人が。
「いや~、僕も虫歯にだけは全然ならないんだよね」と職場の仲間にも言われた。
どうやら世の中には虫歯になりにくい人と、なりやすい人がいるらしい。
 
私は調べてみることにした。
確かにどうやら虫歯になりにくい人と虫歯になりやすい人がいるらしい。
諸説あるが、だいたい2歳までにその後の歯人生が決まってしまうそうだ。
なんと、私の虫歯菌との戦いは4歳のころにはだいたい勝敗が見えていたのだ。
というのも、人は赤ちゃんの時は口の中の虫歯菌は0で生まれてくる。
しかし、なぜ、子どもも虫歯になるのだろうか?
それは親子で同じスプーンを使うなど、大人の唾液から虫歯菌が子どもに移ってしまい子どもにも虫歯ができるようになるのだ。
そして、その虫歯菌がいつ、大人から子どもに移るかで、虫歯のなりやすさが決まってしまう。2歳ごろまでに大人から子どもに虫歯菌の感染を防げれば、大人になってからも虫歯になりにくいようだ。
私は、三人姉妹の末っ子だ。恐らく、共働きだった両親は3人目の私に、そこまで神経を避けなかったに違いない。私はおそらく、2歳以前に感染したため、人よりも虫歯になりやすい体質なのかもしれない。
更に過去に治療した歯はもろくなっているため、私の場合、虫歯になる確率があがるようだ。
 
泣いた。虫歯になりにくい人をうらやんでいたが、物心つく前の2歳ぐらいの過ごし方に起因しているとしたら、今からではどうしようもない。かといって自分の責任だとも思えない。2歳の私ではどうすることもできなかった。
「ごはんを食べたらちゃんと歯を磨きなさい! 虫歯になっちゃうでしょう!」これは確かに正解だ。磨かないともともと虫歯になりやすい人はもっと虫歯になっていまうから。しかし、声を大にしていいたい。もっと早く言ってくれと! 私が乳児の際に、お母さんにアナウンスをしてくれていれば……。(現在は妊婦さんへのアナウンスが強化されているかもしれません)
 
もう、自分は虫歯になりやすい人と開き直るしかないだろう。
・定期的に歯医者で検診を受ける
・過去に治療した歯を定期的にメンテナンスする
・歯をしっかり磨く
・甘いものの間食をしすぎない
などの対策・努力をし、私の虫歯菌とうまく付き合っていくしかないだろう。
せめてもの抵抗に将来生まれる我が子には、できるだけ私からの虫歯菌感染がないように注意したい。
27歳になった私は今も歯医者に通院中だ。
 
 
 
 
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

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2020-02-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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