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拝啓 黒川伊保子さま


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:浦部光俊(ライティング・ゼミ超通信コース)
 
 
拝啓 黒川伊保子さま
 
失礼とは思いつつ、是非とも確認させていただきたい点があり、筆をとることにしました。どうにも確かめないわけには気が済まず、このような手紙をお送りしてしまったこと、どうかご容赦ください
 
単刀直入にお聞きします。黒川様の著書「娘のトリセツ」 この本には正しいタイトルがつけられているのでしょうか。本当に「娘」 のトリセツで間違いないのでしょうか。
 
少し長くなりますが、なぜ私がこのような違和感を持つに至ったのか説明させていただけますでしょうか。
 
ご想像の通り、この本を取った私は2人の娘の父親です。上は9歳、下は6歳、2人ともまだまだ甘えん坊、かわいいばかりです。
 
それでも、いつの日か、それもそう遠くない将来、「お父さん、臭い」 「お父さん、うるさい、話しかけないで」 そんなふうに言われる日が来るのだろうかと、不安な日々を送っています。
 
先日も、近所の10才の息子さんをお持ちのお母さまから、こんな話を聞かされました。「息子に言われてしまいました。家の外では絶対に話かけるなって」 絞り出すような声を聞きながら、親とはこれほど苦しいものなのか、男女の違いはあるといえ、とても他人事とは思えません。今のうちに出来ることはないのだろうか、そんな思いで黒川様の御本「娘のトリセツ」を手に取った次第です。
 
娘と接する上での具体的な助言はとても参考になりました。中でも特に感銘を受けましたのが「対話の種類」といった視点。黒川様のお考えに触れ、目からうろこが落ちる思いでした。
 
対話には2つの種類がある。一つは5W 1Hで始まる「問題解決の対話」 ただ、この型の対話はうまくいかない。どこに行くの? 誰と一緒だったの? 娘のへの関心があるのはわかるけれど、相手は詰問のように感じていまい、距離を一層遠ざけるだけ。大切なのは、気持ちを共有する「心の対話」 お互いの失敗談を話してみたり、時には娘を頼ったりすることで、人と人とのつながりが生まれる。
 
不思議なもので、これを読んだ時、私は肩の力が抜けたような気持ちになりました。娘だからといって、なにも特別なことは必要ない。友人や同僚たちとの接するように、一人の素の人間として、相手を尊重すれば心を開いてくれる、だから安心してください、黒川様にそう言われているような気がしたのです。
 
これまでの私は、娘の問題をなんでも解決できる理想の父親像と、実際にはできないことの方が多い現実の自分との間で苦しんでいたように思います。きっと私も、黒川様のおっしゃる「自らつくり出す病」 の患者の一人なのでしょう。世間の目を意識し、見えない理想の姿を作り上げ、そして届かない自分を責め続けてきました。
 
ただ、黒川様の言葉を受け心に余裕が生まれました。今は、肩肘を張らず、すべてをさらけ出せばいい、そのように感じています。そして、うまくいったことも、うまくいかなかったことも、自分の気持ちを正直に娘たちに伝えていきたい、彼女たちの気持ちにも耳を傾け、同じ一人の人間として共に成長していきたい、そう考えています。
 
実際のところ、私が理想の父親であろうと、情けない父親であろうと、世間にとっては関係がないのですね。そして、改めて気づかされました。私たちは自分が思うほど世界にとって重要な存在では無い、という当たり前の事実に。
 
それはとても厳しい現実、全くに気にならないと言えば嘘になります。ただ同時に、自分を縛っていた何かから解放されたように感じている自分もいるのです。世間の目など気にせず、自分にとって大切なものに向かって思うように生きていけばいい、そう語りかけられているような気がするのです。
 
そして、それは娘との関係に限ったことではないのですね。両親や妻との関係、社会との関わり、さらに目標や夢の取り組み、私たちの人生のすべての局面において、何かに縛られるのでなく、素のままの自分として、互いを尊重しながら繋がっていくことが大切なのですね。
 
長々と私の思いを重ねてしまい申し訳ありません。ただ、ここまで申し上げました通り、「娘のトリセツ」 を読み進むにつれ、私はつくづく自分自身の至らなさを痛感させられたのです。そして、これこそが、この本のタイトルに違和感を持ってしまった理由なのです。
 
大切なのは娘の扱い方ではない。変わらないといけない、学ばなければいけないのは「あなた」
 
見えない理想に縛られることなく、親としてのあり方、いや、その前に人としての在り方を整えなさい、それこそが黒川様が伝えようとしたことだったのでないのでしょうか。そう思った時、私に取ってこの本はもはや「娘のトリセツ」 ではありませんでした。それは「私」 のトリセツになっていたのです。
 
ただそれも、全て黒川様の意図したことかもしれません。娘との関係に悩む父親の心に響くタイトルをつけられたのだとしたら、まんまとはめられたという気持ちと同時に頭が下がるばかりです。
 
最後まで読んでいただきありがとうございました。いつの日か、娘たちが私との思い出をこのような本にしてもらえたら、そんなことを夢見ながら、これからの人生、娘達、そして妻と歩んでいきたいと思います。
敬具
 
 
 
 
***

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2021-05-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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