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人気占い師は、名コンサルタントだった


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:宮崎亜子(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
ああ、なんてバカな買い物をしてしまったのだろう……。
 
ネットショッピングで失敗した経験は、これまでに何度もある。
似合わない洋服。使わないダイエット器具。部屋に合わないインテリアグッズ。しかし今回は、かつてないパターンだ。
 
「オンライン占い」
鑑定料、1時間約9,000円。
 
コロナ禍の現在、LINEやZoomを使ったオンラインで占い師に1対1で占ってもらえる時代なのだ。などと感心している場合ではない。
 
そもそも私は占いに否定的な人間、のはずだった。
普段はマーケティングの仕事をしている私は、どちらかというと左脳系だ。データから仮説を導き出し、目標数値と実績値のギャップを分析し、PDCAを回しながらビジネスの改善に日々取り組んでいる。
そのような背景もあり、占いなんて何の根拠も分析もないじゃないか、誰にでも当てはまるようなことを適当に言っているだけではないか、お金をかけるなんてバカげている。そう思っていた。
 
そんな私が、なぜ有料の占いを申し込んでいたのか、と言えば、深夜2時の気の迷いとしか言いようがない。
最近恋人と別れた私は、どうすれば復縁できるか、という考えで頭がいっぱいだった。夜が更けるにつれ思考はネガティブになり、得意の左脳は活動を停止し、「復縁 占い 当たる」といったキーワードでGoogleをグルグル巡っていた私に、正常な判断力はなかった。気付いたときには、人気と言われている占い師のオンライン占いを予約していた。
深夜にラブレターを書くことと、ネットショッピングはしてはいけない。
 
翌朝にはすでに後悔していた。
占いは2日後。キャンセルしようか、と何度も迷った。しかし、ほんの少しの興味があったのも事実だ。占ってほしいという気持ちよりも、本格的な有料の占いとは果たしてどんなものなのか、という知的好奇心だ(と、自分に言い聞かせていたのかもしれない)。お金を取るからには、それなりの価値があるはず。その価値を確かめてやろう、という意地の悪い考えもあった。
 
そんなこんなで私は、人生で初めての占いを迎える。
 
当日。
ドキドキしながら指定されたURLにアクセスすると、画面の向こうには黒いベールを被り水晶玉を手にした怪しい人物、ではなく、ジャケットを着たキャリアウーマン風の女性が現れた。占い師というよりも、保険のアドバイザーとか、転職エージェントのリクルーターのような雰囲気だ。
 
まずは、別れた時期やきっかけなどを聞かれる。
続いてタロットカードを使い、別れたときから現在にかけての相手の気持ちや、新しい恋人がいるのか、およびその関係性などを読み解いてもらう。さらに、自分と相手の名前や生年月日から(四柱推命と言われる占いだろうか)、性格や運勢・相性を導き出し、最後に今後どう行動するべきかのアドバイスを頂いた。
 
以上が60分の占いの流れだ。
占い師の言葉は、納得できる部分もあれば、事実とは異なる部分もあった。しかし、私はその占いに、とても満足していた。
なぜだろうか。
話を聞いてもらうだけでスッキリした、とか、親身に伝えてくださる言葉に勇気付けられた、とか、感覚的な満足だけではない。
 
それは、占いの一連の流れが、きちんと分析され、筋道の立ったストーリーであったからだ。
 
占いの内容は、マーケティング用語で言うところの「3C分析」と似ていた。
3Cとは「Customer(市場/顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つの頭文字を取ったもので、これらを分析し戦略の立案に活かす、というフレームワークだ。
 
まず「Customer(市場/顧客)」、すなわち相手の状況を分析する。相手はどんな性格で、どんな運命にあり、今どんな気持ちでいるのか。
続いて「Competitor(競合)」、恋のライバルだ。そもそも競合はいるのか、いるとしたら、今どのような立ち位置にいて、私と比べた際の違いは何か。相手への想い、相手からの想いはどのようなものか。
最後に「Company(自社)」、私自身である。私が元恋人という市場に打って出る(取り戻す)にはどのような武器があって、どういう風に価値を提供すればよいか。その勝ち目はあるのか。
 
私に占いの知識はないので、占い師の言っていることが正しいかどうかは判断できない。しかし、普段仕事で馴染みのあるマーケティング手法に似たやり方で、現状を取り巻く環境を丁寧に分析し、結論を導くというやり方は、私にとっては理解しやすいものだった。占いというよりも、仕事でコンサルティングを受けているような感覚で、納得感があったのだ。
 
ロジカルなフレームワークの中で構築される、タロットカードや四柱推命から導かれた過去と未来の物語。
一見、相反するような2つの世界が結びつき、右脳と左脳の両方に流れ込んだ言葉は、前に踏み出す力を私に与えてくれた。
 
占いの本質は、未来予測ではない。
相談者の現状を理解し、置かれている環境を分析し、未来に向かって進む手助けをすることなのだろう。行動を起こさせるには、納得が必要だ。
私が出会った占い師は、偶然にも私が納得しやすい方法で占ってくれた。この出会いこそが運命なのかもしれない。
 
今後、私が占いにハマるか、と言えば、そんなことはないだろう。感情に流されて占いに縋った私は、奇しくも占いによって理性を取り戻した。
そんな私からのアドバイス。
人生で何かに躓いた時、相談相手がいない時、占いも一つの手段として頭の片隅に置いておくのもよいだろう。占いに頼るなんておかしな奴と思われないか、と悩むなら、占いではなくコンサルティングだと思えばよい。彼らはプロだ。占い師の言葉の、ほんの一言でも心に響くものがあれば、小さな一歩につながるのだから。
 
さて、最後に。
占い師は私に、とるべきアクションとそれが有効な実行日もアドバイスしてくれた。
Xデーは3週間後。
 
占いの範疇はここまでだ。実行するかしないか、決断するのは自分。どんな名コンサルタントでも、結果までは分からない。
 
神のみぞ知るその日に、私は賭けてみようと思う。
 
 
 
 
***

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2021-05-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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