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防災を考えたら、老いにはお金だけでは生きられないと青ざめた


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:青天目 起江(ライティング・ゼミ超通信コース)
 
 
今年は遅い梅雨だった。
年々、天気の異常さ、その変化の速さが増している。
災害との距離が近くなり、
命に係わる危機がいつ起こってもおかしくないものとなった。
 
1000年に一度の大地震と言われた東日本大震災。
「こんなの、もうごめんだ」
自分自身に大きな被害はなかった。
職場では一ヶ月程水道が止まってしまった。
電気、ガスの復旧は早かったが、
「水」は、地震で壊れた水道管の修理に時間を要した。
何が大変だったか。
「トイレ」の水が出ないことがきつかった。
捨てるために、水を買うなんて論外だし、
かと言って、給水所まで水をもらいに行くのも一苦労だ。
それでなくても忙しいのに、
トイレの給水タンクの量を心配して、トイレに行く時間や水分摂取を無意識に計算してしまう。
「排泄」という当然の行為。
それが一か月でも制約されるというのは、日常の中でそれまで味わったことがなかった。
災害にあわなければ経験しない「非日常」がそこにはあった。
 
それでもまだ良い方なのだ。
他の事務所の同僚は、近くの川に水を汲みに行ったと聞いた。
もしかしたら私も川に水を汲みに行ったかもしれないし、
寝不足の疲れた体で給水所まで行かなければならなかったかもしれない。
ではどこから水を補ったか。
幸運だったのは、職場の先輩がその近所に住んでいたことだ。
非日常に、「アナログ」、昔からある技術は最強だった。
先輩の家には、「井戸」があったのだ。
子ども2人が丸まって入れるくらいの大型のゴミバケツに、先輩は家の井戸から水を汲んで、車で運んでくれた。
その行動に思いを寄せれば、先輩の行動には、
 
① 大型のバケツを用意して
② 井戸からそれこそ大量の水を汲んで
③ 軽トラックまで運んで
④ 零れないようにバケツを固定し
⑤ 運転に気をつかい
⑥ 着いたら重い水を注意して仲間で運ぶ。
 
見えない苦労が隠れている。
小さな好意に、「ありがとう」しか返せない。
だからこそ、今度は自分が、という思いが芽生えた。
 
報われたのは、2年前の台風19号の被害だ。
私が住む福島県いわき市では、市内の川が氾濫し、大きな被害が出た。
雨に敏感になったのも、このせいだ。
 
幸い自分に被害は無かった。
けれど、親族が多く住む市北部の平浄水場が、浸水し、水道が止まってしまった。
震災のことを思い出した。
それを伯父伯母はまた経験しているかと思うと、何かしたいという気持ちが湧き出た。
自分の家の水道は止まってはいない。
これを持っていこう。
ホームセンターに行って、水を入れる容器を選ぶ。
みんな同じことを考えるらしい。白色のポリタンクは売れてしまい、残っているのは灯油などに使われる赤のポリタンクが数個まだ残っていた。
色的には油を連想してしまうが、未使用だから同じじゃないかと、5つ手に取った。
その隣にある別な容器も目についた。ポリタンクほどの量は入れないが、透明で軽量で持ち運びやすく、水の注ぎ口もちゃんとついている。
こっちの方が、高齢の伯父伯母には良いかもしれない。
過去の経験がそのまま活かされるばかりでなく、
使う人のことを思うと、より相手のことを思った選択ができるのがうれしかった。
赤のポリタンクと合わせて計10個の容器を買った。
帰宅後、家の中の蛇口からポリタンクに水を入れる。
やっぱり重い。
玄関ギリギリまで車をつけた方が良いな。
先輩も、震災の時、同じことを思ったんだろうな。
そう思うと、奮起できた。
透明な容器も意外と重かったが、持ちやすかった。
これなら、伯父伯母も使いやすいはずだ。
持ったところで体を悪くするかもしれない。
給水場までは車が必要だ。運転できるならまだいいが、無いときは誰かに頼らざるおえない。
従兄弟だって、平日は仕事だ。
せっかくの休みに給水場に行く労力を考えると、自分が水を届けることで少しでも負担が軽くなってくれればいいなと思う。
 
「高齢」で災害に見舞われるというのも、大変なことだ。
震災に遭い、台風でも被害に見舞われる。
それに今はコロナ禍だ。
人は「災間」を何とか生きているんだ。
 
自分が高齢で災害に遭ったら、私はどう「水」を確保すればいいのだろう。
背中に冷たいものを感じた。
老後は金も必要だが、
それ以上に災害を生き抜かなければいけない。
未来のことはわからないと、思考停止は良くない。
水を運べる「体力」と
ひとりだけど、ひとりじゃない、ネットワーク、コミュニティを作ること。
子供の時は学校で避難訓練が定期的にやっていたけれど、
大人になったからこそ、自治会などで定期的に避難訓練なのではないか。
浮かんでくる解決策は微々たるものだ。
自然災害を前に人ができることは限られる。
現実的に「非日常」を考えることが、災間を生きることにも繋がるのではないだろうか。
 
 
 
 
***
 
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2021-07-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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