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偶然は無い〜人生の舵を大きく切ることになった出来事


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:松本 哲明(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
時は1995年頃。
まだ僕が大学生だった頃のことです。
1冊の本との出会い。
そして、それによって巻き起こされた現実が、僕の人生を大きく変えました。
初めてあることを「体感」したからです。以来、今に至るまで、その魅力の虜になっています。
 
それは「シンクロニシティ(以下、「シンクロ」)」でした。
 
(ちなみに、1995年当時、シンクロの概念は、まだ今ほど広く知られてはいませんでした)
 
ご存知の方も多いと思いますが、この概念は有名な心理学者ユングが提唱したものです。日本語では主に「共時性」と訳され、「意味のある偶然の一致」という概念の言葉です。
僕が、この概念に非常に魅了されているのは、偶発性がもたらす特有の大きな感動があるからです。それは、事前に計画の通りに物事を実現することでは得られない類のものです。
 
そのため、いつもシンクロの種を探すことが、もはや習慣になっています。どうやったら起きるのかを探究しているところもあります。
その成果でしょうか。今や周りの友人からは「シンクロが起きやすい人」と見られているくらいになってきました。
そんな僕が、人生で初めてシンクロを体験したときのストーリーをご紹介します。
 
それは、先述しましたが、1冊の本から始まりました。
『聖なる予言』という本です。
今であれば、書店のスピリチュアル・コーナーに並ぶようなカテゴリーの小説です。
 
1995年3月に起きた地下鉄サリン事件を中心とした一連のオウム事件を経て、90年代後半から、世の中はスピリチュアルに対する警戒度を増していく時代に入りました。
でも、それ以前はむしろ逆で、そういった警戒感は、どちらかと言えば薄めの時代でした。この書は、そんな時期に発売されています。購入した時も、書店の入口に近い、一番目立つ所で平積みになっていたと記憶しています。そうでなければ、僕も手にすることは無かったかもしれません。何気なく手に取って、何気なく購入したのがきっかけでした。
 
もっとも、会社の上司から、この本をプレゼントされて読んだという友人もおり、スピリチュアルという枠を超えて読まれた本でもあるのかもしれません。
 
さて、物語の中身についても簡単にご紹介したいと思います。
主人公のアメリカ人の男性が、ペルーで見つかった「古代文書」の存在を知るところから始まります。
この文書には、第1から第9までの「9つの知恵」が記されていること。そこには、これからの人類に必要な叡智が記されているということなのです。
主人公本人の意思とは裏腹に、導かれるように、その中身を追うことになった彼はペルーに赴ます。
そして、様々な出会いとスリリングな冒険を経て、9つの知恵を見出していくという物語。
 
「この本はじっくり噛み締めながら読みたい」
手に入れた僕は、何故かそう思って、敢えてゆっくりと読み進めました。
ある時、大学の授業の合間に読んでいたら、近寄ってきた同級生から、「まだその本を読んでるの?」なんて呆れられたほど、のんびりペースでした。
このようにじっくり読んだことが、後で大きく僕のストーリーに影響してきます。
 
「ペルーの古代文書」で明らかにされる「9つの知恵」を追う物語。
 
第1の知恵の内容は、一言で言うと「偶然は無い」というものでした。
他にもあるのですけど、当時の僕は、そこが印象に残りました。
冒頭にも書きましたが、まだ「シンクロニシティ」という言葉は一般的ではなく、僕にとっても初めて知った概念でした。
「そんなこと有り得るの?」
と疑問と衝撃を同時に受けたのです。
 
少し余談になりますが、翻訳をした山川さんは、この概念をどう訳すか迷ったのだそうです。内容そのものはシンクロニシティを扱っているけど……と。
迷った結果、「偶然は無い」という表現に落ち着いたということです。
 
話を戻しましょう。
まだ半信半疑の僕。
「疑っていても、読み進められなくなるだけだし」
そう思って、少し無理矢理ページをめくりました。
 
そうこうしている内に、物語は第2の知恵との出会いに向けて進んでいきます。
 
第2の知恵は、今後の人類が得る新しい世界観についてでした。
それに先立ち、500年ほど前から続いている物質主義と科学万能主義についてを振り返る場面がありました。新しい概念をより深く理解するために、まずは過去を知ることが先決だ、という意図で。
 
物語の中では様々な出会いを通じて、情報が一つひとつ紐解かれていきます。
点と点が線になっていくように。
「やっぱりアメリカの本だなぁ」。
物語の人物は、すんなり理解を深めていきますが、ここで僕は何かが引っかかりました。西洋(キリスト教)的な視点から語られていたからです。その前提の部分に馴染みが薄いので、今ひとつ理解が追い付かないのです。
思わず、「誰か補足してくれないかな」なんて思ってしまうほど。
 
そんなモヤモヤを抱え始めて僅か数日後のことでした。
僕は、大学のある授業に出席しました。
学科の学生全員が受ける授業です。
そこで、「本当に偶然は無いんだ!」という体験をします。
 
驚いたことに、授業で先生が過去数百年の科学史についての解説をし始めたのです!
その具体的な内容は今となっては覚えていません。
とにかく、本の中で足りなかったピース。
それらが、次々と埋められていきます。
その感動に心を奪われました。
授業の内容がぶっ飛んでしまいそうでした。
 
この授業が、第2の知恵と一緒に、第1の知恵の疑問までも解消してくれたのです。
足りないピースを埋めてくれ、同時に、「偶然は無い」ということを実体験させてもくれましたから。
この授業内容が1週間ズレていたら、全く違うインパクトだったでしょう。
そのことも、「偶然は無い」ということを思わせてくれます。
この授業のペースを意識して『聖なる予言』をゆっくり読み進めるなんてこともできるわけもありませんし。
 
これが、僕が19歳か20歳の時に、初めて体験したシンクロニシティでした。
以来、その魅力に取り憑かれたような人生を送っています。
今にして、その後の二十数年を振り返ると、この体験が人生の方向性を大きく変えたことが見て取れます。
正直、このことを知るのは、もっと遅くても良かったと思った時期もありましたが、今となっては「良かったなぁ」と感じます。僕の人生を鮮やかに彩ってくれているのは、自分が何を成し遂げたかよりも、偶然とは思えない出会いや体験のほうだからです。
 
 
 
 
***
 
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2021-07-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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