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メディアグランプリ

「爆買い」と笑うか、「依存症」と嘆くか


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記事:とわにこ(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
程度の大きさを表す接頭語的に、「爆」が使われるようになって久しい。
「爆睡」「爆盛」「爆食」
動画配信などで一般の方が特技を披露できるようになったことも背景にあるのか、あちこちで目にするようになった、この「爆」
 
わたしの大好物は「爆買い」だ。
 
フランスのハイブランド、バレンシアガが、アメリカ航空宇宙局NASAとコラボしたアイテムを発表した。それぞれ特別大好きというわけではないが、コラボの効果は大きく、それを知ったわたしは、
すんげー!!!
と興奮した。宇宙服のシルエットを採用したパーカーで、ウン十万するアイテムを、
誰が買うんじゃい!
と思うが、そういえばあの人が買っていた。
 
有名女優が素のままをさらけ出すyoutubeチャンネルを好んで観ているのだが、日本に2点しかないという、前述コラボの宇宙服を、彼女は買っていた。パーカーよりさらにさらに、高価らしい。スレンダーな彼女が関取のように膨らんで見えるその宇宙服、さすがのさすがに着る機会は少ないだろう。ただ彼女はバレンシアガが好き、というか、ファンなのだろう。
ファン心理とすれば、
「そのアイディアを讃えて、記念に所有したい」
といったところだろうか。
歳を重ねるにつれ、商品のコンセプトで購買意欲が爆上がりするようになったわたしも、その心理には少なからず共感する。
 
共感はすれど、彼女の財布の余力は尋常じゃないため、同じことは到底できない。
宇宙服を買ったその時も、アクセサリーなどをまさに爆買いしていた。
もはや宇宙服のついでにアクセサリーを買ったのか、アクセサリーのついでに宇宙服を買ったのか分からない。
 
彼女の飾らない性格と、ハイセンスな動画編集も相まってのことだが、全く嫌味のない爆買いだ。
 
爆買いを眺めるのは、実に爽快だ。金に糸目をつけないタイプのもの、大量の時間を投下し、行列の先にゲットするタイプのもの、会員制スーパーで5家族分くらい買い込んでくる
タイプのもの、どれもわたしにとっての非日常が描かれており、自分では叶えられないことも疑似体験させてくれる。
 
ここで一つの疑問が浮かぶ。
世間には、買い物依存症という言葉がある。おそらく爆買いよりも先に存在したものではないだろうか。
爆買いと聞けば、爽快な印象を受けるが、買い物依存症と聞けば、どんよりとした、触れてはいけないような、爆買いとは真逆と言ってもいいような印象を受ける。
 
「今日も爆買いしてみた」
「今日も買い物依存症発症」
どちらのサムネに惹かれるか、どんな心境の時に観たいか、両者は大きく異なるように思う。
 
爆買いなら笑えるが、依存症ならその事実に嘆いてしまう。
爆買いと買い物依存症、その違いについてもっと考察してみたくなった。
 
「必要とそうじゃないとに関わらず、たくさんのものを購入すること」
 
2つに共通する概念は、こんなところだろうか。
 
爆買いという言葉が定着したのは、2014年頃で、中国人観光客が一度に大量に商品を買って帰る様子を表したのが始まりだった。
 
一方、買い物依存症は精神疾患の一つと思われがちだが、ギャンブル依存症やアルコール依存症とは異なり、精神疾患と認められるには至っていないらしい。ただ、買い物がやめられず困っている方とそのご家族は少なからずいて、その治療を専門とする病院も見つけることができる。
 
一般的に言われる買い物依存症の特徴は次のようなものだ。
□ 商品のすべての種類・タイプをそろえたい欲求にかられる
□ お金の手持ちがなくても、カード払いや借金してまでも買ってしまう
□ 買い物をしたいがために、家族や友人にうそをつく
 
ここまでくると、笑えない感じが漂ってくる。
 
かく言うわたしも、爆買いと笑いながら、これは依存症ではないかと嘆いてきた一人だ。
 
そのきっかけをはっきりと記憶している。体を壊し会社を休むことにした数カ月後、体調が落ち着いていたのが嬉しくて、アウトレットモールを目指して西へ向かった。
その日はあろうことか、セール期間中だった。1店舗ずつまわるにつれ、買うか買わないかのジャッジは次第になされなくなり、何を買うかということだけ考えるようになった。
そして帰る頃には両手いっぱいに買い物袋を提げていた。本来子供が座るそこに、袋たちをどかっと乗せて、帰路についた。電動アシスト付き自転車でなければ、家に帰り着かなかったのではないかと思えるほどの戦利品の数だった。
 
わたしの中で何かが弾けた。赤い実ではない何か。
思うようにできなくなった仕事、ととのわない体調、そんな中で買い物は、お金さえ払えばなんの苦労もスキルも必要としない、娯楽であり、働きのようなものだった。
何もできなくなってしまったと嘆いていたわたしにとって、救いとさえ思えていたのかもしれない。
 
それからは、着々と、粛々と買い物を続けた。継続は力なりと、耳にたこができるほど父から言われてきたが、例外もあるとわたしは実証してしまった。
 
当然お金はなくなる。
買い物ができなくてイライラしたり、嘘をつくようなことはなかったが、お金がなくなっていくことは恐怖だった。お金と引き換えに喜びを得ているはずなのに、次第にその喜びよりも、支払日の到来への恐怖が勝ってくる。
わたしは依存症と呼ぶには冷静だったが、膨らむ恐怖に心をすり減らしていた。
 
この恐怖心こそが、爆買いと依存症の分岐点じゃないだろうか。
爆買いには恐怖は伴わない。見ていても爽快で、楽しいのが爆買いだ。
一方、不安や恐怖を覚える買い物は要注意で、依存症への一途をたどってしまうように思う。
わたしの場合、体の調子を崩すことで、心が不安定になり、不安定な気持ちを落ち着かせるために買い物をする、という傾向が分かったので、体のメンテナンスを続けている。
 
医者でも心理士でもないわたしに何の警告ができよう、とは思ったが、買い物依存症予備軍代表として、買い物依存症予備軍チェックリストを最後に提案したい。
 
□ 買ってきたものの値札をすぐに外さない
□ クレジットカードのセキュリティーコードを覚えている
□ 最近記帳をしていない
 
少しでもドキッとした方は、笑えるうちに、自分の傾向を知り、相談相手を見つけておいて欲しい。
 
 
 
 
***
 
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2021-07-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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