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メディアグランプリ

オーダースーツは庶民の味方

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:いとうひろこ(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「みきちゃん。そのスーツ、どこの?」
「これですか? 私、自分のサイズのスーツって、既製品だとほぼ見つからなくって、最近、オーダーメードの店で作っているのです。おかしいですか?」
 
仲良しのみきちゃんは、私よりも年下ですが、お姉さんのようにしっかり者で、おおらかで、優しくて、ちょっぴりふくよかで。
それまで、彼女のスーツ姿はあまり見なかったのですが、急に、颯爽とスーツで現れるようになり、そのふくよかさは落ち着きを与え、寧ろカッコイイのでした。
 
「いやいや、とっても素敵! スーツって、いかにもキャリアウーマン風になりがちだけど、みきちゃんのは、そうじゃないもん! でも、オーダーメードって、高いんでしょ?」
自分のイメージを彼女にぶつけてみました。
「そう思うでしょ? でも、そうですね~、実際はニトリで買うようなものですよ!」
 
セレブはこれだから敵わない。オーダーでスーツを作っといて、『ニトリ』はないでしょ!
 
「今度、新調するので、よかったら、ご案内しましょうか?」
 
そんな、セレブの通うお店。とても一人じゃいけないわ!
では、お言葉に甘えて……。
 
店の中に入ってみると、一体のマネキンに紳士物のスーツがかけてあるだけで、あとは壁一面を反物の状態の生地が所狭しと重ねられています。
紺やグレーなどのシックな色合いのものが多い中、いったい誰が着るのだろうか思うような大胆なチェック柄も重なっています。一角の華やかな棚は女性用かしら?
さて、これからどうやってスーツを頼むんだろう……。
 
「みきさん、お久しぶり~。あら~、お友達も初めまして~。ようこそお越しくださいました~」
気さくな感じで現れたのは、店長さん。年の頃は、私よりも幾分お姉さんかなぁ。
 
みきちゃんは慣れたもので、店長さんに欲しいスーツのイメージと生地の感じを伝えると、
「そうねぇ……。じゃあ、今回は、このデザインで、この辺りをすっきりシャープに仕上げようね。色は、う~ん。冬ものだし、ご要望からすると……。みきさん、派手すぎって嫌がるけど、このくらい綺麗目でどうかしら? 確かに男性ならこの生地は派手すぎだけど、みきさんなら、女性ならでは優しい仕上がりになると思うの。あと、ボタンは標準、この色でいいわね。じゃあ、採寸しようかな? ちょっと太った?」
 
あっという間に注文が終わっていました。
 
「みきちゃん。あんな派手な生地で大丈夫? 出来上がりまで想像できるの?」
 
高い買い物の割に、驚くほどの短い時間で、しかも口で説明を聞いただけでは全くイメージできていない私は、目の前で詐欺師に合っているかのような錯覚に陥り、みきちゃんに小声で尋ねました。
 
「やだ~。想像なんてできていませんよ! でも、店長さんのお勧めは、いつも確かなんです。それに、自分がいいなぁと思うものが、自分をよく見せるものとは、必ずしも一致しないんですよね。だから、一応、私の希望は伝えるものの、あとは、店長さんの見立てにお任せなんです。サイズ感が合っていることが、私には何より重要なんです。どうです? 驚かれました?」
 
うん、かなり驚いた。
なるほど、みきちゃんのスーツ姿に惚れた自分としては、もし、こんな大胆な注文で、あんな感じになるのだったら、店長さんの見立ては確かです。
 
「パンツスーツはスカートより2,000円プラスね。いつもご利用ありがとうございます」
 
え! みきちゃんの体にフィットし、更に、みきちゃんの良さを引き立てるスーツが、片手以下で作れるの?
 
「あの~、店長さん。実は、みきちゃんのスーツ姿があまりに素敵過ぎて、今日はついて来ちゃったんですけど、私にも、似合うパンツスーツ、作っていただけますか?」
 
「そうだったの! 嬉しいわ~ 喜んで! どんな感じが良いか教えてくださる? みきちゃんのスーツの感じが好みなのかしら? こだわりがないようなら、私に見立てさせていただけないかしら? 実は、こんなのがお似合いかなと思っていたのがあるのよ~」
 
数週間後、出来上がったと店長さんから連絡がありました。初回は、店長さんの目の前で試着する決まりです。
鏡に映った自分の姿は、これまで何を着たらいいのか悩んでいた人とはまるで別人、キリッと自信に満ち溢れているようにも見えます。
そして、驚くことに、きついところも緩いところもまるでなし。予想外の快適な仕上がりに、虜になりました。
 
「紳士物の生地で作らせていただきましたが、ハリも光沢もあるいい生地ですし、うちは定番の形のスーツを取り扱っているので、流行り廃りがない分、長くご愛用いただいているお客様が多いんですよ。お気に召すといいのですが……」
 
最初に購入したスーツは10年以上経った今、少々くたびれてきましたが、雨天用として現役です。
今では、オーダースーツだけで過ごせるほどになりましたが、この『鎧』に包まれていれば、多少の辛いこともなんのその!
 
確かに、これは、お、ねだん以上だわ!
 
 
 
 
***

この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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2021-07-16 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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