fbpx
メディアグランプリ

グリーン車に乗るのはプチ・リトリートだ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:松本 哲明(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
シートに深く腰掛け、ゆっくりとリクライニングを倒す。
「さあ、リラックスの時間だ」と気持ちを切り替える。
そして、背中から伝わってくる振動に身を委ねる。
 
これはマッサージチェアの話ではない。
JRの特別車両グリーン車に乗っている時のものだ。
 
僕は東京都心から電車で1時間ほどの所に住んでいる。
家の最寄駅を走る電車が、グリーン車を備えている車両ということもあり、たまに都内のほうへ用事がある時など、少し遠出をする際はグリーン車を利用することにしている。
何故、わざわざグリーン車に乗るのか?
それは、ちょっとしたリトリートの感覚をもたらしてくれるからだ。
「リトリート」というのは、余暇と自己研鑽の両方の要素を併せ持つもののことだ。意図的に日常を離れることで、心身をリフレッシュさせたり、新たな気づきを得るために行う。
グリーン車を利用することは、同じように心身をリフレッシュさせてくれたり、新しいアイデアが湧いてくることが多い。追加料金を追加で払うが、それが安過ぎるくらいに感じているのだ。
 
僕がグリーン車を利用するようになったきかっけは、割と浅はかだった。
僕の理想に近い、豊かな働き方、生き方をしている人たちがいる。彼ら彼女らの多くが、日常でグリーン車を利用していることが多いことを知ったことがきっかけだ。そんな中には、周囲に対してグリーン車の利用を勧めている方もいるくらいだ。
そんな彼らの姿を真似ることから始めてみたのだ。
学ぶことは真似ること。
最初は、そんな言い訳じみたものを心の中で呟きながら乗ったものだ。
 
さて、利用し始めてから少しして、あることに気づいた。
これが、僕にとってグリーン車を利用し続けることになるターニングポイントとなる。
 
その時、「あれ?」と我に返ったような感覚があった。
「イヤホンしてないぞ……!」
僕はいつも電車に乗るとイヤホンを付けて音楽を聞き始めることが多い。数駅程度の移動であれば良いのだが、ある程度の距離を乗るとなると、大抵は、どこかでイヤホンを取り出すことになる。
ところが、それをする気配が湧いてこない自分に気がついたのだ。
理由はスグに分かった。
「ストレス因子が少ないのか!」
 
僕は昔から神経質なところがある。上品な表現をするなら「繊細だ」と表現することもできる。そんな質なので、人が多い所に居ると、どうにも落ち着かないのだ。人の気配だけでもノイズのように感じてしまうところがあるのだ。そんな周囲からの刺激を少しでも軽くするためにイヤホンをする。
グリーン車を利用している時は、そんなストレス因子が少ないため、自然とイヤホンに手が伸びなかったのだ。
確かに、席が全部同じ方向を向いているため、他の人の姿が殆ど目に入ってこない。そもそもの乗車人数も少ないので、人の気配も少ないことが、その背景だ。
 
この気づきをきっかけに、グリーン車内での過ごし方が定まることになった。
「リラックスすることを最優先にする時間にしよう!」
最初は読書やPCでの作業など、何をするかを決めようとしていた。それを手放して、敢えてボーッとする時間にしようと決めたのだ。せっかくリクライニングも備えられているのだし。
「なんか、あれをやろう、これをやろうとか、貧乏くさい発想だったな」
せっかく、豊かさを味わいたくて始めたことなのだ。何だかこの決定が気に入った。
その後、この選択が、自分には大正解だったことに気づく。
 
リクライニングを倒し、ただ車窓からの景色を眺めて過ごす。
そうしていると、「あ、閃いた!」とアイデアやインスピレーションが次々と浮かんでくるのだ。時には、心理的な自然治癒力が働いたと言うべきか、悩みや迷いが吹っ切れたりすることもある。いずれにせよ気づきだ。
素晴らしいのは、その時の自分の状態に相応しいほうが起きることだ。
 
よく、入浴中や散歩中などにインスピレーションが湧きやすいと言われる。
『メモの魔力』の前田裕二氏は、著書の中で「インスピレーションは、インプットの情報量が低下した時に湧いてきやすいようだ」といったことを述べていた。図らずもグリーン車内は、まさしく、そんな環境になっていたのだ。移り行く車窓を眺めるというのも、適度の刺激になっているようだ。
この価値を最大化するため、今ではスマホも極力視界の外に置くことにしている。何なら電源を切ることもある。そして、スマホの代わりにメモ帳とペンを手元に置くのだ。
 
グリーン車に乗ることはリトリートである。
そのことが少しでもご理解いただけただろうか。
仕事などのアイデアが湧いてきたり、悩みが軽くなったりというのは、「リトリート」と呼ぶに相応しい。
 
ある鉄道系YouTuberが、「グリーン車の唯一のデメリットは、一度乗ったらやめられなくなること」と言っていた。そう言いたくなる気持ちが今なら分かる。今や、特に出かける用も無いのに、グリーン車に乗るためだけに出かけようとか、思わず考え始めることまであるくらいだからだ。
人は変われば変わるものだ。
 
最後に、他のメリットを一つだけご紹介しよう。
それは、グリーン車は、財布にも優しいということである。
というのも、トータルの出費を見ると、以前と殆ど変わらないからだ。
理由は、電車の利用以外の場面で余計な買い物をしなくなったことにある。
移動で疲れて、思わず甘いものやアルコールを買ってしまうであるとか、判断力が鈍って余計な衝動買いをしてしまうなどが減ったのだ。
 
同じ出費である。
それを、自分のストレス解消や意味のない買い物のためにお金を払うのか? それとも、自分に心地よい体験をさせてあげるほうにお金を払うのか? あなたは、どうお考えになるだろうか。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325



2021-07-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事