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「老化」は「進化」なのかもしれない


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:もちだみお(ライティング・ゼミ超通信コース)
 
 
生理が来た。
実に一年半ぶりである。その前は更に1年前、そしてその前はその10ヶ月前。
 
3年前に片方の卵巣の摘出手術を受けた。その数ヶ月前から、生理を止める注射を打っていた。
「注射をやめれば生理が来ますが、年齢も年齢ですからそのまま閉経する可能性が高いです」と言われていた。
 
手術の後、ずっと生理が来なかったものだから
「ああ、終わったんだなぁ。長い付き合いだったなぁ。ご苦労様、私」なんて思っていた。
 
だが、しばらくすると胸が張って痛くなってきた。続いて腰も重くなってきた。まるで生理の前兆だ。
「あれ? もしかしてまた来るのか?」と思っていたのだが、その数日後の婦人科検診で
「内膜も薄いし、まぁ、閉経ですね」とのお墨付き(?)をもらった。
やっぱりそうなのか。生理の前兆らしきものも消えたし、ちょっとした「気の迷い」ならぬ「カラダの迷い」だったのね。と思っていたら、やって来たのだ。
 
そして次はその一年後。娘のパリでの結婚式前に、やっぱり胸の張りと腰の重さで生理を疑い、わざわざパリまで生理用品を持って行った。パリ観光中も娘の結婚式中も移動の飛行機の中でも、なんとなく頭の隅に「生理」の二文字が引っかかっていて、せっかくの旅行を100%楽しめなかった。結局、帰国して3日後に生理になった。
 
で、今回である。
 
最初は胸の痛みだった。
この歳になると、生理よりも乳がんを疑う。
「いや、いきなり痛みが出ることはないだろうしな。でも、なんとなくおっぱいが硬い気がするな。いやいや、先日の乳がん検診でも特に問題は見つからなかったし。とはいえ、検診で見つからないこともあるだろうし……」
頭の中では、嫌な妄想がぐるぐるする。
「遺言、は書く必要ないか。でも、万一の時に何がどこにあるか、ちゃんとわかるようにしとかなきゃ。なにかあった時に他人様に家の中に入られるかもしれないから、ちょっとしっかり目に片付けをしておかないと。断捨離しなきゃ」などと、「その後」のことをあれこれ考える。
 
そのうち、何やら腰に違和感が現れた。
最初はストレッチで頑張って伸ばしすぎたか、と思った。
でも、そういう痛みではない。なんだか内側から外に「ずん」とハンマーで軽く小突かれるような感覚。
そう。懐かしくも慣れ親しんだ、あの嫌な感覚である。
私はやっと理解した。乳がんでもなく、ストレッチのしすぎでもない。
もうすぐアレがやってくる……
 
胸の痛みが治まって腰の痛みが増して来た時、生理が来た。
 
「ああ、来た……」
 
煩わしい。
これ、生理を経験された方の大多数に支持される感情だと思う。
 
もう50代も半ばを越えた私に、まだ子どもを産めというのか?と、誰に対してかはわからないが、軽く怒りのようなものも湧く。
 
その一方で、別の感情も湧くのだ。
「ああ、まだ大丈夫」「まだ終わってない」
何が大丈夫で、何が終わってないのか……
今いるステージ、である。
 
初めて「閉経したな」と思った時、同時に
「ああ、ステージが終わったな」と、正直思った。「ああ、これが老化か……」と。
今まで月に一回、「嫌だなぁ」と思いながらも付き合ってきたものが、「はい、終了」となくなってしまう、一抹の淋しさ。子育ては大変だったけど、子どもが巣立ってしまうと嬉しい中に寂しさを感じてしまうように。
 
一つのステージが終了する時に感じる淋しさである。
 
子どもを育てている母というステージで、色々なことがあった。嬉しかったことも悩んだことも、それはそれは沢山。色々あって笑って泣いて、充実したステージだったからこそ、子どもが独り立ちしてしまった後のステージに戸惑う。今までとは違うステージに立たなければならない覚悟なんてできていないのに、突然そこに立たされるから。
子育てなんて、早く終わって欲しい! 自分の時間が欲しい! と思っていても、いざそうなると、嬉しい反面、寂しいのだ。どうしていいか分からなくて、立ち尽くす。
 
生理も一緒。
早く終わって欲しい、早くこの苦行から脱したい。と思っていても、いざ無くなるとなると不安になる。
それは次のステージである「老化」を突きつけられるからかもしれない。
気持ちは今まで通り。まだまだなんだってできるつもりでいる。子どももいなくなって、生理に煩わされることもなく、さぁ、これから私は私のやりたいことをなんでもできるのよ! と思っても、実際には「老化」の壁が立ちはだかることもしばしば。やれ腰が痛いの、集中力が続かないの、目が見えないの……ああ、やっぱり昔とは違うな、ステージ変わっちゃったんだな、と痛感する。
 
だけど、これはこれで、考えようによってはいいことなのかもしれない。
 
腰が痛いから、楽な方法で移動しよう。
集中力が途切れるから、一つのことにこだわらずに色々やってみよう。
少々部屋が汚れていても、見えてないから平気。
 
これは、今まで頑張ってきた自分へのご褒美なのかもしれないとも思うのだ。
そう思うと「老化」はある意味「進化」なのかもしれない。精神的な。
 
顕著な老化の例である「閉経」も、今まで煩わしかった分、これからはラクに楽しく生きられると思うことができる、精神的な「進化」なのかもしれないなぁ。
 
とても久しぶりの生理中、
「これでもう終わりにしてください」と、やはり誰に対してかわからないが、私はお願いするのであった。
 
 
 
 
***
 
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