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メディアグランプリ

カセットテープのススメ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:白い紙(ライティングゼミ・夏期集中コース)
 
 
最近、カセットテープを買った。
スマホで簡単に音楽を聴ける時代に、まさか自分がカセットテープなんてアナログなものを買うとは思わなかった。
 
私はカセットテープに全く触れたことがないわけではない。幼い頃、母がよくカセットテープで音楽を流してくれた。母が流してくれるカセットテープにはお話が吹き込まれているものもあったため、幼かった私は毎回楽しんで聴いていた記憶がある。なかのテープを引っ張り出して、カセットテープを壊してしまうという子どもならではの思い出もある。カセットテープは私にとって、幼い頃の懐かしいの思い出なのだ。
しかしすでにCDが当たり前の時代だったので、いつの日かカセットテープに触れる日はなくなっていた。カセットテープは私の古い思い出となり、忘れ去られていたのである。
 
2021年になって、私が再びカセットテープを手にする機会がやってきた。きっかけは、私が好きなインフルエンサーが音楽活動を始めたことである。
 
CDが出ると聞いて、「ファンなのだから買わねば」という謎の義務感でショップサイトを開くと、CDとは別にカセットテープが販売されていた。なんだこれは。
 
「なんでカセットテープ?」と疑問に思ったが、なぜだかカセットテープが気になって仕方なくなった。なんか可愛い。なんか面白そう。ていうかCDもあまり売れない時代にカセットテープってなんだか新しい挑戦状では……?
 
好きなインフルエンサーの本格的な音楽活動デビューのグッズだったということもあり、あまり迷うことなく購入した。お洒落なカセットテーププレーヤーもセットで販売されていたため、それも買った。こんな偶然な出会いから、私はカセットテープをもう一度手にすることになったのである。
 
一週間後、家にカセットテープが届いた。おお、なんか可愛い。懐かしい。
一緒に届いたカセットテーププレーヤーは、ちょっと大きなデジカメくらいの大きさで、なんだか愛おしくてたまらない気持ちになった。そっと箱から出し、慎重に説明書を熟読し、カセットテーププレーヤーにカセットテープをはめ込んだ。
「これってあってるのか?」
異様な緊張感を味わいながら、耳にイヤホンをねじ込み「PLAY」のボタンを押す。
カチッ。ツーーーーーーーーーーーーーーー。
あれっ流れない……? ん……?
もう一回カセットテープをはめ直そうとしたとき、音楽が流れ始めた。
 
おーーーーーーーーー! 流れてる!!!!!! 音が流れるなんて確かに当たり前のことだけれど、何か新しいものを発明してしまったような感動と胸の高鳴りを感じた。
 
体の神経を集中させて、カセットテープの音を聴く。
 
少しざらついたような音がするのだ。上手く言えないけれどちょっとガサッとしたような、なんだかもろい音である。なんだか懐かしいような、古めかしい音がするのだ。CDがつるつるの雑誌だとしたら、カセットテープは新聞紙みたいな感じである。手で触ったらほどよい紙の感触を味わえるような、雑に扱ったらすぐにくちゃくちゃになってしまうような。
 
でも、それがいい。なぜだろう、すごくいいのである。
 
どこか懐かしくて、でも目を離したら消えてしまいそうな、守ってあげたい音がするのだ。ずっと目が離せない音がするのだ。
 
カセットテープを買って気がついたことがある。普段、音楽を大切に、神経を研ぎ澄まして聴く機会はほとんど無いと。
 
私は音楽を聴くのが好きで、一人で歩いているときや電車に乗っているときは必ずと言っていいほど音楽を聴いている。
私にとって、音楽は身近な存在だ。というか身近になりすぎたのである。サブスクでほとんどの音楽が簡単に聴ける時代だ。音楽一曲一曲にありがたみみたいなものを感じることはなく、ただただ適当に聴きたい曲をタップしてなんとなく流し聴いていた。
 
でも、カセットテープは音楽を大切に、神経を研ぎ澄ましてと聴く体験ができる。カセットテープは、スマホで聴く音楽と違って簡単に曲送りや曲戻しができない。なぜならテープを巻き戻したりしなければいけないからである。気軽に曲を戻したり飛ばしたりできないからこそ、今流れているこの曲を大切に聴くことができる。そしてあのざらっとした新聞紙のようなもろい音が、今流れている一瞬一瞬をのがさないようにと、大切に噛みしめて聴こうという気持ちにさせてくれる。流れていく音楽の一瞬一瞬に神経を研ぎ澄まして聴くことができるのだ。
 
もし、この記事でカセットテープに興味をもってくださった方がいれば、ぜひ一度カセットテープを聴いてみて欲しい。カセットテープをかつて使ったことがある人もない人も。
 
アナログで新聞紙のような音がくせになるはずである。自分の手の中に音楽が存在しているような感覚を、音楽が今この瞬間に流れているのだということを実感できるはずである。スマホで簡単に聴ける音楽とは違う、古いようで新しい音楽体験ができるだろう。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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2021-08-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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