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ママは伴走者

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:ワダユキ(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
息子が保育園の4歳児クラス(幼稚園の年中さん)に進級した5月のことだったと思う。
夕方5時頃にいつものようにお迎えに行った。
 
その日の夕方は園庭遊び。幼児の3クラスで一緒に遊んでいたようで、お迎えに行った時間は、終わりの会をしていた。
 
イスに座るみんなの前で、司会役の年長さんがお話をしている。「今日楽しかったことは、ドッジボールです。みんなで遊べてよかったです」そうやって人前でお話をする、自分の気持ちを伝えるのも、教育の一環だし、その発表をきちんと座って聞くのも、発表した人に、「上手にできたね」と拍手をするのも学びなんだろうなぁと、ぼんやりとその様子を見ていた。
 
息子は、ちゃんと聞けてるかなぁ……
と、目に飛び込んできた光景に思わず苦笑いしてしまった。
 
こともあろうか、イスから立ち上がって、一番後ろで両手を広げてクルクルと回っているのだ。あれは、誰だろう?何度見直してみても、ウチの息子である。
 
「あーやっぱりなんかあるのかなぁ……」
 
と息子を見つめる私に担任の先生が近づいてきた。
 
「なんかクルクルしてますねぇ」と話しかける。
 
「集中できなくて、自分の好きなことをしちゃうことが、結構ありますね」
「発達障害かもしれないから、一度病院を受診したほうがいいかも知れませんね」
 
立ち話だったので、それほど長くは話していなかったと思うが、「発達障害」の言葉に、「あぁ、やっぱり?」「でも去年の担任に相談した時は、独特なところはあるけど、発達障害ではなさそうって言われたのに」「発達障害ってどこに相談するんだ???」
「一体どうしたら? この子はこの先どうなっちゃうの?」
頭の中はいろいろな思いが渦巻き、ハリーケーンに襲われて飛ばされた街か、それとも瀬戸の渦潮に突き落とされたのか、ぐるぐる、ぐるぐると取り留めのない思いが回っていた。
 
その後、担任の先生が相談の時間を取ってくださった。
「発達障害」という言葉に漠然としたイメージしか持っていなかった私に、「診断名がつく、つかない」は、問題ではないこと。
日々の生活での息子の困りごとを取り除いてあげること。
そのために、専門の病院で診てもらった方が良いことを教えてくれた。
 
「大丈夫よー、うちなんか子供6人いて2人発達障害だからー。上の娘は大人になって判明したのだけど、うまくできなかった理由がわかってホッとしたって言ってるわ。結婚して、子育てしながら、仕事もやって、ちゃんと生きているから、心配しなくていいのよー!」
底抜けに明るくお話ししてくれたの、感謝しています。
 
それから、発達障害のクリニックに受診の相談で電話をするも、新規の予約は毎月、月初に2ヶ月後の予約と言われ、最初の壁にぶち当たる。
7月1日、受付開始から30分後にやっと電話がつながり、取れた予約は9月半ば。
 
わからないことだらけで、もやもやしているのに、病院でお話を聞けるのは2ヶ月以上先とは!
どうやら、病院にかかるというのはなかなかハードルが高いらしい。
 
車で30分ほどの距離にある、その病院へは、夫と私と息子で行った。
何を言われるのか、これからどうなるのか、息子と二人で行って、受け止められる自信がなかった。
ところが驚くことに、診察の内容といったら、「普段の困りごとはなんですか?」と両親に聞くだけで、子供に話しかけたり、何かさせたりが一切なかったのだ。
てっきり何かテストをするものだと思っていたので、拍子抜けした。
「自閉症傾向があるかな」とだけ言われた。
 
「心理」「言語」「OT(作業療法)」の3つの療育を受けることが決まった。
これもまた、担当の先生が決まらない、先生が空いていないと言われ、最初の予約が1ヶ月後、2ヶ月後となった。
 
思いついたら、即受診、即療育とはいかないようだ。
 
やきもきしながら、それぞれ月一度の療育を受けた。最初はモジモジしていた息子も、先生方に慣れてきて、それなりに楽しみながら、新しいことができるようになったり、怒りの調節、感情の表し方を学んでいった。
 
言語の先生には主に私の不安と愚痴を受け止めてもらったと思う。
心理の先生は冷静に、息子の気持ちと傾向を、教えていただいた。
OTの先生は、身体を動かす楽しさと、コツを子供の好きなゲームをなぞらえたりして、指導してくれた。
 
その中で、一番感じたこと、それは、息子に関わる親が、私が、どのように対応するかが大切だということ。「お母さんはどう思いますか?」「自分で考えさせて、とにかく褒めてあげなさい」私が一番苦手と感じていた主治医の言葉。
 
小学生になった息子は、療育も数ヶ月に一度の心理のみとなり、自分の興味のあることに集中してしまう特性はまだ克服できていないけれど、大きなトラブルはなく、なんとなく楽しく小学校の毎日を過ごせている。
 
今、ちょうどパラリンピックが開催されていて、パラマラソンを見ていて思った。
伴走者、すごくないですか!?
選手に合わせて、前に出すぎることなく並走し、道の状態を伝え、ライバルの状況を伝え、今いけるかを選手に聞いて、スパートをかける。
 
母親っていうのは伴走者にならなきゃいけないんだなぁと。なれるかなぁ、そんなにかっこ良くはなれないか。
頑張らなくていいから、無理しなくていいから、子供の気持ちに寄り添えるといいのかなと思っています。
 
世の中のお母さん、気張らなくていい。それぞれ特性があって得意不得意がある。
周りのできる子を見て、モヤモヤする気持ちもわかる。
でもね、子供の気持ちを聞いてあげよう。応援しよう。
 
子供の人生の伴走者になれるように。
 
 
 
 
***
 
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2021-09-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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