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恋多き女である私は、今日も観察を続ける


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:福田 乃子(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「褒められるのが好きですか? それとも厳しくしてほしいですか?」
 
仲良くなってきた患者さんに、そう尋ねることがある。
歯科衛生士である私は、患者さんに歯磨きの話をすることがある。
その歯磨き指導の時に、こう問いかけるのだ。
この問いかけに対し、8割の人はこう答える。
 
「褒められる方がいいです。褒められたら伸びるタイプです」
 
誰しも厳しく言われたいわけではない。もちろん怒られたいわけでも。
勇気を出して歯医者に行っていることだけでも、「褒めてほしい」と感じている人が大多数である。
 
だからこそ、私は敢えて尋ねてみる。コミュニケーションも兼ねて。
この問いかけに対し「褒められたい」と答えてくれる時、ほとんどの場合で笑いが起こる。
 
そう、コミュニケーションを広げる、魔法の質問でもあるのだ。
 
 
全ての年代に当てはまることだが、大体の人は「褒められる」のが好きだ。
そして、「褒められたこと」自体をよく覚えている。
 
子供の頃に、学校で先生に褒められたこと。
学生の頃に、テストでいい点を取って褒められたこと。
 
「良い行いをすると、褒めてもらえる」
 
そういうルールが成り立っていた。子供の頃までは。
 
 
ただ、成人してからはどうだろうか?
仕事をしていて、上司からしっかり褒められた経験は?
家庭でみんなのためにやった家事を、褒められた経験は?
 
思い返してみてはっきりと「褒められた!」と言える人は、どれほどいるのだろうか?
 
そう考えてみると、歳を重ねれば重ねるほど、「褒められる」という経験は少なくなってくることに気付く。
 
 
だからこそ、歯医者に行った時の歯磨きの話ぐらいは褒めてあげたいのだ。
 
 
私がなぜそんなことを思いながら、患者さんと話をするようになったのか?
これは、とあるセミナーに参加した時の経験が関係している。
 
 
「1分間、お互いのことを褒め合ってみましょう!」
 
開始早々、全くの初対面の人と、これをやらされた。
まだ出会って数分しか経っていない。もちろん一言も喋ったこともない。
その時の私の相手は、横浜で開業している歯科医の男性だった。
 
いきなりこんな提案をされて、面食らった。
だが、そこでおどおどとしても仕方ない。腹を決めて、褒めてみた。
 
「笑顔がすごく素敵ですね〜!」
「爽やかな雰囲気が良いですね〜!」
「良い声をしていますね〜!」
 
とにかく、目に付くものを何でも褒めた。
笑顔もそう、髪型もそう、服装もそう。全てのことをネタにして、褒め倒していく。
最初は褒めること自体を「恥ずかしい」と感じていたのに、だんだんとそのあたりが麻痺してくる。
 
しかし、本当にすごかったのは、自分が褒められる側になった時だ。
 
「笑顔がすごくかわいいよね!」
 
出だしは基本的に同じだ。ただ、とにかく「恥ずかしい」の気持ちが勝る。
照れ臭いような、くすぐったいような感じが、終始つきまとう。
 
だが、だんだんと褒められること自体が、楽しくなってきた。
 
次はどんな言葉で褒めてくれるんだろう?
 
そんな期待もあると思うが、褒められること自体が嬉しくなってくるのだ。
これは自分でも予想していなかったことだった。
 
 
「褒められると嬉しい」
 
子供の頃によく体験していた感覚。だが、大人になって忘れていたな……としみじみと感じた出来事でもあった。
 
 
この事を体験してから、私は極力、患者さんを「褒める」事を意識している。
「良いところ」を見つけて、褒めるのだ。
 
 
そのためには、患者さん自身をよく見なければいけない。
この人はどんな人なのだろう。どんな話題が好きなのだろうか。
その一挙手一投足を、つぶさに観察していく。
 
 
これはまるで、恋でもしているかのようだ。
 
好きな人ができたら、その人のことが知りたくなる。
目で追ってしまう。聞き耳を立てる。そういう経験のある人は多いだろう。
そして、どんなものが好きなのか、どんどんとリサーチをする。
そうすると、自分の好きな人について、どんどんと詳しくなっていく。
 
片想いのアプローチ方法は、人それぞれだ。
ただ、じっとその姿だけを追う人もいるだろう。でも鑑賞しているだけでは、何も生まれてこない。
 
その片想いを実らせるためには、行動することも必要になる。
 
それが「褒める」ということに繋がる。
 
 
まず歯医者に来てくれたこと。
歯磨きを頑張ろうとしてくれたこと。
私が前回にして歯磨きの話を覚えていてくれたこと。
そして、今こうして話を聞いてくれていること。
 
決して「怒る」ことや、「強制させる」事はしない。
そういう圧力は、良好な人間関係を築く上ではマイナスの働きをすることが多い。
 
その代わりに、たった1個だけでも「褒められた」というプラスの経験の方が、次への一歩に繋がっていく。
 
これはどの人間関係についても言えることだろう。
友人になりたい人、仲良くなりたい人がいる時は、特にそうかもしれない。
 
 
 
今日も私は、患者さんへの片想いを続けている。
 
たった1つでいい。些細な事でも褒める。
 
そうすることで、いつか両思いになれるはずだ。
そして私の話を聞いてくれて、歯磨きが好きになってもらえると信じて。
 
 
 
 
***
 
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2021-11-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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