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「ブルーピリオド」こんなにぼろぼろ涙がでるなんて思わなかった


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:izumi(ライティング・ゼミ超通信コース)
※この記事には漫画のネタバレがあります。
 
 
あれ? 涙が出ている。
こんなに泣いたのは、久しぶりだ。
気づけば、涙がぼろぼろ出ていた。
漫画を読んでいた時のことだ。
物語の中にあるセリフが、心の琴線に触れた。
 
泣いたあとは、不思議と心がスッキリした。
今まで、泣くという行為は、悲しいネガティブな感情をイメージしていた。
今回の涙は、ネガティブというより、ポジティブな涙だ。
ポジティブな感情が、心に生まれた。
 
泣くというのは『涙活』ルイカツという。
調べてみると、ストレス解消になるらしい。
本を読んだり、映画をみたり、物語の主人公の言葉や行動に感動する内容が、自分に取って必要な情報と書いてあった。
漫画の内容が必要な情報だったから、感動したのだ。
泣くのも悪くはないな。
こんなに心が穏やかになるのだから。
 
読んだ漫画は「ブルーピリオド」
心が元気になる栄養ドリンクのようだ。
明日からもがんばろう! そんな気持ちになれる。
 
「あなたが青く見えるなら、りんごもうさぎの体も、青くていいんだよ」
 
漫画の中にスーッと入りこみ、主人公が言われたセリフが、まるで自分に言われているように錯覚した。
 
美術にえんのなかった高校2年生の主人公、矢口八虎(やぐちやとら)が絵を描くことを通して、成長していく物語だ。
主人公は学校の成績がよく、友達もいるが、心が満たされない。
なんでもそつなく物事をこなす高校生だ。
ある日、美術部員の先輩が描いた、天使の絵に心が奪われる。
そして自分も絵を描いてみたいと思う。
早朝の渋谷が静かで、青く見えたことを絵に描く。
青い街の景色を描いた絵だ。
 
絵を通して、はじめて自分の正直な気持ちを表現できた。
そこから、どんどん美術の面白さにはまり、美術大学受験のために猛特訓する。
自分より絵がうまい人が多いと分かり、落胆するが、それでも絵を描き続け、成長していく。
 
器用に見えて、じつは不器用で真面目という、主人公の性格に魅力がある。
「がんばれー!」と応援したくなる。
漫画は、登場人物の心の描写が、細かく描かれている。
心の弱さや、葛藤している様子の心理描写がうまく、人間味があふれる登場人物が多い。
 
成長するために苦しむ姿に、一緒に苦しくなった。
「今、できることをやるしかないよな。ひたむきな姿がいいねー」と読みながら、つぶやく。
 
主人公は、絵を通して自分を表現できるように、自問自答を繰り返している。
見事、難関大学に合格するのだが、努力の過程が凄まじい。
成功している人は、影で血のにじむような努力している。
 
主人公を通して、自分も一緒に成長しているように感じる。
はじめは、絵が好きだということから始まり、好きだけでは、うまくならないと苦悩する。
心の内面を深くさぐる様子は、まるで暗闇から光を見つけるような感覚だった。
 
作品を仕上げるためには、見たままを描くだけではなく、テーマや構図で、オリジナリティを出す。
作品のために、何を表現したいかを考える。
個性を出さないと、生きていけない世界のようだ。
 
読みながら、涙がぼろぼろと流れて、びっくりした。
 
「え、なんで涙が出てくるのだろう? 漫画はまだ始まったばかりなのに」
 
何にそんなに感動したのだろう?
考えてみると、青く見えるものを、ひた隠しにしていたから。
青く見えると、言えなかった。
「変わっている」
その言葉を人から言われるのが、こわかったからだ。
 
たとえば、女性同士の集まりが苦手だ。
誘われて嬉しいが、何を話したらいいか分からない。
世間でいう女性が好きなものには、興味がない。
どこの洋服がいいとか。
はやりのメイクについて。
 
中学生の時、友達はジャニーズのアイドルに、はまりだした。
アイドルに魅力を感じなく、おいてけぼりになった感覚を覚えた記憶がある。
友達がお気に入りのアイドルについて、盛り上がっている時、どうしていいか分からなかった。
 
登山のテント泊に憧れて、山道具をせっせと集めて友達と一緒に、テント泊デビューをした。
だが本当にやりたいのは、誰かとじゃなく、一人で登山して、テント泊をしたい。
山小屋に泊まらずに、テントを自分でたてる。
全て自分の力で、どこまで出来るかを、試してみたいのだ。
一人でテント泊をしている女性のインタビュー記事を読むと、自分の趣味を貫いてかっこいいと思うのに……。
なぜ自分のことになると、胸を張って一人でテント泊をしたいと言えないのか?
 
人見知りなくせに、一人でバーに飲みに行くのが好きだ。
女性が一人で飲みに行く。
変わっていると言われるのが想像できたので、まわりには秘密にしていた。
 
生きづらく、心の病気にかかり、会社を休職していたこと。
薬を飲みながら会社に行っていたが、まわりに休職を勧められた。
当時は何が原因なのかと、心にずかずか踏み込んでくる人がいなくて助かった。
会社を休職した話は、誰にも話す気持ちには、なれなかった。
人に心の闇を話すのが、こわかった。
弱い人間だと、思われたくなかったからだ。
 
ちょっと変わっていると、思われる理由をあげるときりがない。
「あの人ちょっと変わっているよね」
言われるのがこわくて、そんな自分はできるだけ、見せないようにしていた。
 
会社の人に趣味について聞かれた時があった。
「最近何が楽しいの? 何がはやっているのかな?」
一人で登山して、テント泊をしたいと言えなかった。
 
「登山が楽くて、友達と山登りに行きました」
とにかく、個性を消す答えをする。
 
隠していた個性が、ばれているなぁと思った出来事があった。
お付き合いをしていた人から、言われた言葉。
 
「自分のこと、普通と思っているかもしれないけど、めちゃくちゃ変わっているから」
 
ショックだった。
何のタイミングで言われたのかは、覚えていない。
 
「ばれている……。なんでだろう? 嫌われないように、隠してきたのに」
 
まわりと同じなんですよと、演じられていると思っていた。
だが、本当の自分は、にじみ出ていたのだろう。
お付き合いする、距離が近い人なら、なおさらだ。
 
この漫画に、もっと早く出会いたかった。
必死に隠してきた、ちょっと人と違って変わっている自分は、隠さなくてよかったのだ。
 
「青いと思うのなら、青くていい」
 
自分がいいと思うのなら、隠さなくていい。
胸を張っていればいいのだ。
 
なぜ隠してきたかと考えると、自分と他人を比べていたから。
できてない部分ばかりに目がいき、自分を認められなかった。
できていなくても、大丈夫と思えなかった。
 
自分だけが、ぽつんとおいていかれるような気がしていた。
人とちょっと違う部分が、認められなくて、自信がなかったのだ。
まわりが輝いて見え、羨ましく思えた。
 
漫画を読むと、輝いて見えるまわりの人たちは、陰で努力していると分かった。
一見成功して見える人は、挫折して、自問自答を繰り返しながら、成長している。
うえにはうえがいると分かり、絶望するが、それでも努力している。
 
輝いている人の裏側には、苦悩と挫折がある。
そんな部分を理解出来ずに、友達の輝いている部分だけを、羨ましく思っていた。
 
他人と比べず、できていない部分や、人と違うところを認めればよかったのだ。
 
自分が隠している内面は、まわりは気づいているのではないか。
どんなに隠しても、その人の個性はにじみ出ているはずだ。
隠す必要はないと、思えるようになった。
 
漫画を読んでから、思い切って友達に、話してみた。
 
「友達とテント泊をしたこと、実は本当にしたいのは、一人で山に登ってテント泊をすることなんだ。他のだれかと一緒にじゃなくて、一人でやってみたい。わたし、変わっていると思う?」
 
「うん。変わっているかな。でもやってそうだなと思う。ほんとうに一人で泊まってそうだもん。それが出来たら、世界が広がるよね」
 
友達に話すのは、ドキドキした。
好きなことを変わっていると、引かれるのを覚悟していたからだ。
だが、とても優しくわたしの個性を、包み込んでくれた。
はじめから、包み込んでいてくれたのかもしれない。
 
人生はしがらみが出てくる。
親や兄弟が影響して、やりたいことが出来ない時もある。
チャレンジできる時にした方がいいよと、アドバイスまでくれた。
 
「わたしなんて60才超えて、フルマラソンを走ること、まわりから何て思われているか」
 
友達からこう聞いた時に、一瞬理解出来なかった。
気にしているとは、意外だったからだ。
人生の先輩で、家族を大事にして、仕事をがんばっている。
年齢をいいわけに、やりたいことを諦めない。
フルマラソンにチャレンジしている姿がかっこいい。
一生懸命に生きている友達が大好きだ。
 
人は、みかけによらないもんだ。
誰にだって、「わたしって変わっている?」と思う瞬間はあるのだろう。
 
何に興味を持つかは、心の中にカメラがあって、どの瞬間にシャッターを切るかだ。
人によって感性が違って、受け取り方、切り取り方が違う。
心のカメラのシャッターを切る時は、何かをいいと思った時。
ブルーピリオドの主人公は、早朝の渋谷が青く見えたという、シャッターを切った。
 
たとえば、わたしは、一人で登山して、テント泊をするシャッターを切った。
だけど、登山やテント泊が苦手だという人もいるだろう。
どう切り取るのかは、その人の感性なのだ。
同じものでも、人によって、好きと嫌いがあるように。
これからどんな風景や、ものごとに、心のシャッターを切るのだろう。
そう考えると、心のシャッターを切るのが、楽しみになった。
 
これからは誰に対しても、好きなこと、本当はどんな人間なのかを話せる。
落ち込む時があれば、この漫画を読むだろう。
漫画の中の登場人物は、好きな絵に、いつもひたむきに努力している。
わたしも、好きなことに対して、しんしに向き合いたい。
 
この漫画の物語は、終わっていない。
今も好評連載中だ。
ブルーピリオドの主人公と一緒に、成長していこう。
他人の目を気にせずに、心のシャッターを切るのだ。
わたしの物語を作っていこう。
ありがとう、ブルーピリオド。
たくさんの気づきをくれた漫画だ。
 
 
 
 
***
 
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2021-12-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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