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メディアグランプリ

スマホ切替で学んだ「伝え方」と「聞き方」


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:深谷百合子(ライティング・ライブ名古屋会場)
 
 
「お客様の今の契約ですと、やはりショップで手続きが必要になります」
「そんな……。つい先ほどショップで、全部オンラインでできますと言われたんです。でも、この回線番号は登録できないというメッセージが出たので、オンラインのサポート窓口に問い合わせたんです。そしたら、こちらに電話すれば対応できると言われたのに……」
「大変申し訳ございません」
 
受話器の向こうで謝る女性に不満をぶつけても仕方がないのは分かっていた。でもこちらだって時間を割いたのだ。また予約をして出直さなければならないと思うと腹が立った。せめてもの腹いせに、今日行ったのとは違うショップの画面を開き、翌日の来店予約をした。
 
思い返してみると、今日対応してくれた店員に私は最初からちょっと不信感があった。私の話を聞くというより、自分の話したいことを話しているような感じがしたからだ。
 
「今日は料金プランのご相談ですね」
「はい、ガラケーからスマホに切り替えようと思っていて。それで、格安料金プランに乗り換えようと思っているんです」
「なるほど。端末もご購入ですか?」
「いえ、端末は有ります」
 
私は店員に自分の端末を見せた。
「あ、これですか。こちらのプランだったら、その端末1円で買えますよ」
「いや、そういうことじゃなくて」と私は心の中で呟いた。それは私の知りたいことじゃない。
「端末は持ってるので、SIMカードだけでいいんです。ちなみに他にどんなプランがあるんですか?」
私がそう聞くと、店員は適用できる割引があるかどうか等の条件を確認したうえで、シミュレーション結果を持ってきてくれた。
 
「こんな感じになりますね。格安料金プランの方がお得にはなりますが、これまで付いていた色々なサービスが受けられなくなります」
「それは問題無いので、やっぱり格安料金プランの方に乗り換えます」
「手続きは全てオンラインでお客様ご自身にして頂くことになりますが」
「はい、承知しています。申し込む前に、こちらで何かしておかなければならないことはありますか?」
「いえ、特には」
 
ショップでのやりとりを思い返しながら、「彼はなぜ正しい対応をしてくれなかったのだろう。もうちょっと丁寧に話を聞いてくれていたらよかったのに」と私は思っていた。
 
翌日、予約したショップに入ると、物腰の柔らかそうな店員が出迎えてくれた。
「料金プランのご変更ですね」
「はい、ガラケーからスマホに切り替えたいんです。格安料金プランにしようと思って、オンラインで手続きをしたのですが、今の私の契約だとショップで手続きが必要になると言われました。それで今日手続きをしに来ました。端末は持っているので、SIMカードだけでいいんです」
「分かりました。こちらで一旦スマホの契約にさせて頂き、それからお客様の方で乗り換えの手続きをして頂くことになります。事務手数料がかかりますが、よろしいでしょうか」
 
私は頷きながら、「来店した目的をきちんと伝えることができてよかった」と思っていた。
 
手続きは滞りなく進み、電話の受発信も問題ないことを確認した。
「あとはオンラインで乗り換えの申込をして頂ければ大丈夫です」
「分かりました。ありがとうございます」
私は晴れやかな気持ちで店を出た。
 
帰宅後、オンラインで乗り換えの申込も問題無くできた。私は遂にスマホに切り替える目的を達成した。「よかったー」と思いながら、
「昨日と今日の差は、どこにあったんだろう?」とふと思った。
 
今日私は、自分がどうしたいのかを明確に相手に伝えることができた。それと比べて昨日の私は、自分が知りたいことを聞き出す的確な質問ができていなかったのかもしれない。いや、そもそも、私自身が何を解決したくて来店したのか、自分もよくわかっていなかった。だからひょっとすると、昨日対応してくれた店員は、私の来店した目的を「ひとまずどんなプランがあって、どれくらいの料金なのかを知りたいだけ」と勘違いしたのかもしれない。私は、「一旦スマホの契約に切り替えてから、乗り換えの申込をする」という流れを知らなかった。プランの比較は参考程度に知りたかっただけだ。
 
私が「乗り換えまでの手続きはどういう流れになるのですか?」と聞けていれば、結果は違っていたのかもしれない。
 
自分の欲しい答えを得るために必要な質問をするのは、なかなか簡単ではない。自分が何を解決したいのか整理できていなかったり、よくわからないまま質問をしてしまうことがあるからだ。
 
私も人から相談を受けたり、質問を受けたりすることがよくある。そんな時、ただ相手の言葉に耳を傾けるだけではなく、「相手の欲しい結果は何だろう?」と意識をしながら話を聞こう。そして、相手が知りたいことを引き出せる質問ができるようになろう。
 
私は真新しいスマホを手にしながら、そう心に誓っていた。
 
 
 
 
***
 
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2021-12-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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