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えっ! 自分がまさか? 九死に一生の恩人は……


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:いとうけんご(ライティング・ゼミ集中コース)
 
 
「あれ? おかしいなぁ」
 
今朝も鏡に向かって歯を磨いていると、胸の辺りに重苦しいような違和感……。
 
ここ数日、朝起きて身支度をしている途中に、何だか胸というか背中というか肩というか、
重苦しい、軽く締め付けられるような違和感があった……。
 
「あっ、楽になった」
 
重苦しい違和感は、すぐに無くなった。
胸をさすっていると、ウソのように治まってしまった。
 
いつものように身支度をして家を出た。
 
出勤には最寄りの駅まで自転車を使っている。
自転車を駐輪場に止めて、駅改札まで歩いて行く。
 
改札が見えた時、また少し胸に違和感が現れた。
 
少し立ち止まる。
少し楽になり歩き出す。
また、少し違和感。
自然と歩幅も狭くなり立ち止まる。
改札口は目の前。
 
「どうしよう、改札入るか? 少し休むか?」
 
今度の違和感は、なかなか治まらない。
通勤の人々が、邪魔だという感じに私の脇をすり抜けていく。
 
「あれ? おかしいな、いつもはすぐ治まるのに」
 
目に止まった駅前のベンチまで行って座って様子を見た。
このまま仕事に行くか? いや一度帰って休むべきか?
悩んでいるうちに、額や首の後ろに何故か嫌な汗が出てきた。
 
「よし! 一度帰って休んで、職場には遅刻すると言おう!」
 
すぐに駐輪場から自転車を出し自宅へ走る。
自転車を漕いでいても、違和感はそのまま、嫌な汗は止まらず首筋を流れていく。
自宅へ着いて、自転車を降りたとき、痛みや違和感がスッと消えた。
 
玄関を入ると、いつもは仕事に出て居ないはずの妻が居た。
「今日は仕事昼からなんだ。あれ、なんで帰ってきたの?」
「いや、何か胸が痛いというか、しんどくて」
「そうなの? じゃあ横になって……」
 
促されて、布団に横たわった。
もう、胸の違和感が無くなったので少し安心していたら妻が、
「顔色悪いよ、電話で相談してみる? 心臓かもよ」
「まさか〜、もう大丈夫そうだよ、ちょっと休んで仕事行くよ」
 
そう言っているのに、妻はどこかに電話をしだした。
そして、私に代われと言う。
電話の相手は東京消防庁救急相談センター(♯7119)の方だった。
いくつかの質問をされて答えた後、また妻に代われと言う。
妻は「はい。はい。お願いします」と電話を切った。
 
「どうすればいいって?」
「もう救急車お願いした」
「えっ! 救急車! そんな大袈裟な!」
 
そういう私を尻目に、妻は手早く着替えやタオルや保険証をバッグに詰め込む。
私のほうが状況を飲み込めず、オタオタしていた。
 
すぐに救急車の音がして、家の前で止まった。
私は恥ずかしいやらパニックやらで、自分で玄関を出て歩いて救急車まで行った。
隊員の方は歩いてきた患者に驚き、慌てて私をストレッチャーに寝かせる。
 
酸素吸入器を着けられ、血圧と脈拍を測りながら名前や生年月日などの質問攻め。
搬送先もすぐに見つかり、近くの大学病院に搬送された。
 
救急治療室で、血液検査と心電図で結果はすぐに出た。
 
『急性心筋梗塞』
 
「えぇー!! 心筋梗塞! もう今全然苦しくないんですけど! ウソでしょ!」
これは心の声。
本当に驚いた時は、声も出ないものです。先生の説明にウンウンと頷くのみ。
 
それからは、恥ずかしながらあまり覚えていないのだが、
怒濤の処置と検査の準備、身体のデータを採り手術室へ。
妻は付いてきてくれていたが、何故か娘まで来てくれた。大層だなぁ。
 
30分後には『心臓カテーテル検査』実施。
 
結果は、心臓の冠動脈の太い血管に狭窄があり、そこが冠攣縮性狭心症による血管痙攣で閉塞し、一時的に急性心筋梗塞が起きた。という難しくて良く分からない説明。
 
要するに、心臓に血液を送る動脈が狭くなっていて、朝に痙攣がちょこちょこ起こる、それが胸の違和感で、今日はその痙攣が強く、血管を細くして一時的に閉じてしまった。と。
 
幸い手術するほど重症ではなく、素早い投薬と処置で、なんとか大事に至らず済んだ。
 
しかし予断の許さない心臓のこと、すぐにCCU(循環器疾患のICU)に緊急入院。
沢山の線と管に繋がれながらも、その後の検査結果も予後も良好で、3日間で退院できた。
 
原因は、不摂生と運動不足、血中コレステロール、昔吸っていたタバコ、加齢にストレス、色んな要因があると言われたが、このまま気付かずにいたら、もしくは甘く見て仕事に行っていたら大変な事になっていたかもしれない。軽い症状で現れて、早い検査と処置で済んで本当に良かったかも、と先生は仰っていた。
 
これからは決められた薬を飲んで、生活習慣病に気をつけていれば、普段の生活に戻って良いとのこと。
 
本当に、自分がまさか? だ。
 
自分の身体を過信していたこともあるが、なんか自信喪失というか爆弾を抱えたような。
安心と不安と恐怖と色んな感情が混ざって、どっと疲れた、生きてきて一番くらい。
 
身体の違和感を感じたら、大丈夫と思わずに是非一度診て貰ったほうがいい。医者や検査は怖いが、早めに何か原因が見つかれば良いし、結果問題なしなら尚良いではないか。
 
この一連の流れには、間違えていたら危なかったターニングポイントがいくつもあった。
まず、改札に入らず家に帰った事。
次に、少し休んで仕事に行かなかった事。
そして、妻がたまたま家に居てくれた事。
 
しかし、最大のターニングポイントは、
妻が私への確認や判断を仰がず、すぐさま救急車の要請を英断してくれたこと。
 
今から思うと、偶然も必然もあったから、今ここに文章を書いている自分が居る。
 
妻は「よかったね」とひと言。
 
後から聞いたが、手術室に入る前に妻は先生から
「今すぐ家族を呼んで。心臓のことだから、手術中どうなってもおかしくない。子供も呼んでお父さんと会わせてあげて」と言われて、崩れそうになったそうだ。
 
妻は当たり前のように笑っているが、感謝してもしきれない。
九死に一生を救ってくれた恩人は、キミなのだ。
 
ありがとう。
 
 
 
 
***
 
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2021-12-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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