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メディアグランプリ

未経験でいきなりフリーライターにならないでください


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:藤本摩理 (ライティング・ゼミ冬休み集中コース)
 
 
2年前。私は仕事を辞めて、フリーライターになろうとしていた。
 
辞めた仕事は小さな動物園の飼育員。新卒でこの会社に入って6年間、主にポニーを担当し、子どもたちに乗馬体験をしてもらったり乗馬の指導をしていた。つまりは全くの未経験者。文筆業でもWeb業界でもない。
 
それでも、フリーライターが自分に合っていると確信していた。何ヶ月もかけて自己分析を繰り返し、自分の強みや弱みを棚卸して、性格や趣味を見つめ直し、何気なくやったことがやたらと周りに褒められたことを思い出した。
出した答えが「マラソンのような仕事」だった。がっちりとしたチームワークと臨機応変な対応が常に求められるバスケットボールのような仕事は向かない。ひとりで、黙々淡々とできる仕事。コートの中ではなく、競技場を飛び出してどこまでも走っていくような仕事。
行き着いたのが、フリーライターだった。
 
「もう二度と会社員には戻るもんか。私はフリーランスとして生きていくんだ!」
 
そうと決めたなら、準備が必要だ。退職の日までの3ヶ月間で、私は準備に取りかかった。
ブログを開設して、記事を毎日投稿した。クラウドソーシングに登録して、募集要項を山ほど読んだ。そして、フリーランサーや個人事業をしている知人に連絡を取って、話を聞いてもらうことにした。
 
ニヤニヤしながら背中を教えてくれた人がいた。個人事業主の税金の本をプレゼントしてくれた人もいた。その中で、こんな具体的な助言をくれた人がいた。
 
「いやいや、まずはハローワークに行って失業給付金をもらっておいで。あと求職者支援訓練っていうのがあるから、探してみたら? もしかしたらフリーライターとしてやっていくときに役立つものがあるかもしれない。無料で丁寧に教えてくれるよ」
 
後にその知人は「いやー、あまりにあなたが悲壮な顔をしていたから言葉に困った」と言っていたけれど、言葉を選んでそっと説得してくれたのが私の人生の分岐点になった。
 
 
私は素直にハローワークに行き、教えてもらった求職者支援訓練を探した。さすがにライティングの訓練は見つからなかったけれど、デザイン系の訓練はたくさんあって、私はPhotoshopとIllustratorが学べる半年コースのものを選んだ。
 
半年間、私は勉強をしながらフリーライターとしても活動した。
失業保険をもらっていても、職業訓練を受けていても、ハローワークに収入をちゃんと申告して労働時間の上限を守ればクラウドソーシング(仕事をしてほしい企業と仕事をしたいフリーランスのマッチングサービス)で仕事をとっても問題ない。
むしろデザイン系の職業訓練だったから、クラウドソーシングで仕事をするのはむしろ推奨されていて、私は講師に仕事の選び方まで教えてもらった。
 
フリーランスは素晴らしかった。自分の興味のある案件を選んで文章を書いたら、それが記事になって公開され、お金までもらえる。最初は丸3日かけて6000字を書いて収入が300円なんて有様だったけれど、収入はゆっくり上がっていった。
 
でも、応募できる案件は限られていた。生活雑貨やファッション、アウトドアなんかの書きやすそうな案件には人が殺到していて、しかも低単価。ある程度高単価の仕事は、士業の資格が必要だったりコピーライティングの知識が必要だったりで手が出せない。
前職、元動物園飼育員の知識が生かせないかと動物・教育ジャンルを探したけれど、まるで見つからなかった。ペット関連の募集はたまに見かけたけれど、私の担当は残念ながらポニーで、犬や猫の知識はなかった。
唯一役に立ったのが、馬を扱う上で身についたロープワークと馬具修理で身についたレザークラフトの技術だった。なんとかアウトドアジャンルの仕事にありついて収入は安定したけれど、私はだんだん綱渡りのような、心許ない感覚を覚えるようになった。
 
「この状況を打開するには、どうしたらいいんだろう……」
悩む私に、講師は笑って一言。
「だから就職しろって! 30歳でフリーはまだ早い。就職したら手取り足取り教えてもらえるから!」
 
 
かくして私はインハウスライターになった。つまり、企業所属のライターだ。
所属はWeb制作会社のマーケティング部。記事型広告を書いたり、自社が持っているメディアに記事を書くのが主な仕事になった。
しかも、立場は正社員。ほぼフルリモートで、出社は取材がある日だけ。私にしてはこれ以上ないくらいの好条件の仕事が見つかった。
 
漠然と「ライターは新聞社か編集社に勤めているもの。募集はほぼ経験者のみ。未経験からライターになるには、フリーライターくらいしか道がない」と思っていたけれど、そんなことはなかった。案外募集はあるもので、マーケター以外にも、広報のような立ち位置で社員ライターを募集している企業は結構ある。
 
新人だから懇切丁寧に指導してもらえる。
毎月25日になると、お給料が口座に振り込まれている。
一度「フリー」の時期を経験していただけに、このありがたさが身にしみた。
 
残念ながらフリーの時のように仕事を自在に選ぶことはできなくなったけれど、それがスキルアップにもつながった。「こんなの無理!」と悲鳴をあげたくなる無茶振りを繰り返して――全く興味関心のない法律系の記事を書かされたり、初取材の相手が社員数6000人の大企業の重役だったり。自分では絶対に選ばないし、会社のバックアップなくしては受けられないような大規模な仕事がバンバン飛んできた。
 
周りの人が時にやんわりと、時にビシッと、就職を勧めてくれた理由がわかった。
一度フリーになってみると、身にしみてわかるのだ。安定収入や教えてくれる人のありがたみ、会社の肩書きの大きさ。
 
もちろんいきなりフリーになる人もいる。前職の収入を一気に超えていく人もいる。
でも会社の力は大きいし、就職した方が続けやすい。他のいろんな仕事と同じように。
 
「藤本さん、あと何年かしたらフリーになるの?」
「そうですね、2年くらい修行したらフリーになろうと思ってたんですが。この会社、結構気に入ってますし、フリーになるにはまだまだ全然修行が足りない気がします」
上司にはそう笑って答えている。
 
 
 
 
***
 
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2022-01-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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