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メディアグランプリ

ラジオ体操の深呼吸は私たちに大切な事を教えてくれていたのかもしれない


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:Asski Miho(ライティング・ゼミ冬休み集中コース)
 
 
「ウ……ウマが……、ソ、ソトに……」
 
「……へ???」
 
 
小説や漫画、ドラマで起こるような事件、ハプニングなんて、現実世界で生きる私たちには無縁なものだ……。
そう、ずっと思ってきました。
そして、そんなハプニングに対処する術など持っていないと思っていました。
とある日までは。
 
数年前、私は大学で乗馬部という部活に所属していました。
ざっくり活動を説明すると、馬に乗って馬術を磨いたり、走ったり、ハードルのような障害物を飛び越えたりといった練習をして日々大会に向けて切磋琢磨するような部活でした。
また、馬に乗ることはもちろんですが、やはり生き物なのでお世話とかも活動の中に含まれていました。
というか、馬に乗るのは活動の1割くらいで、馬のお世話であったり、厩舎(馬小屋)の掃除であったり、餌やりや餌の調達などなどの活動が残りの9割を占めていました。
そんな風に、お世話をしたり馬に乗ったりと、楽しく泥まみれになりながら平穏に活動していたある日、部員の誰もが想像もしなかったことが起きます。
 
その事件が起きた日、私は「昼当」と呼ばれる馬たちにお昼ご飯をあげたりする当番の日でした。
大学の2時間目が終わったお昼休みの時間、私はいつものようにいつも活動している場所へ向かいました。
そして、部室に着くと知らない外人さんがいます。
「え……、誰???」
そう思うか思わないかのうちに、その外人さんは私にカタコトでこう話しました。
 
「ウ……ウマが……、ソ、ソトに……」
 
「……へ???」
 
そして、何を言われたのか分からず、ポカ〜ンと口を開けてアホ面をする私に背を向け、すぐに去って行きました。
私は一体何を言われたのか、全く分かりませんでした。
少し考えた後、「う〜ん、もしかしたら馬が好きで覗いてみようと思ったけど、急にお昼に部員が来てびっくりして帰っちゃったのかな〜、また来てくれるかなあ」くらいに考え何も深刻に考えませんでした。
 
そして、いつも通りに当番をこなします。
いつも通りに馬たちにお水をあげる。
いつも通りに餌を作り、餌をみんなに食べさせる。
いつも通りに草を食べさせる。
いつも通りのルーティンが終わった後、私はとあるところへ向かいました。
放牧所というところです。
そこでは、馬たちにリフレッシュしてもらうために日替わりで一頭ずつ馬を放牧していました。
午前と午後で別の馬を放牧するので別の子と交代するために、午前に放牧に出ていた馬を厩舎へ返そうと私は向かったのでした。
そして、そこで目にした光景は……
 
「誰も……いない??」
 
その広い放牧場には誰もいなかったのです……。
 
「え、でも厩舎にはいなかったよね……?」
 
確かに厩舎にはいなかったはず、でもいるはずの放牧場にもいない……。
だとすると……?
 
そして、私はさっきの外人さんの言葉を思い出します。
「ウ……ウマが……、ソ、ソトに……」
 
「……っ外⁉︎」
 
バチーン!!!
「点と点が繋がる」とはこのことか〜! と、私は人生で初めて思いました。
そう、馬は外に逃げ出してしまっていたのです。
出入り口には馬が逃げ出してしまわないよう、しっかりバリケードはしていました。
「このバリケードを飛び越えて、出ていけるはずなんてない」そう思いながらも居ないという事実は確か。
私は急いで外に飛び出しました。
そして、走り回ってあたりを見回すと……
 
カツ、カツ、カツ……
 
「夢かな??」
 
そう頬をつねってしまうくらいに、100m程先で馬が道路を堂々と一匹で歩いていました。
そして、その横を大きく避けるように通っていく車……。
私は背筋が凍りました。夢であってくれと何度も頬をつねりました。
でも、無常にも痛む頬に、これが夢ではないことを悟ります。
 
「ど、どどどど、どうしよう……」
 
パニックになりかけたその時、どこからか冷静な自分がやってきました。
「いや。パニックになってる場合じゃない。落ち着け。
とにかく、深呼吸して冷静に行動すればなんとかなる」
そして、私は大きく深呼吸をしました。
 
スーーーーッ……ハーーーーッ
 
バクバクと跳ねていた心が静寂になるのを感じます。
周りの音がなくなり、時が止まったように感じました。
世界の色が消え、モノクロの世界になったように感じました。
そして、メーリスで馬の脱走を知らせつつ、馬を保護して、なんとかかんとか無事に連れて帰ることができました。
 
 
あの後、部内で話し合いがなされた後、しばらく放牧は中止され、再開されても更なるバリケードがなされるようになったのはいうまでもありません……。
 
今から思うと、乗馬部の活動場所が山の上にあったためにほとんど車の通りや人通りもない場所であったとは言え、事故など何も起こさず無事に事が終わったことに対して、本当に何事もなくてよかった、こうしてお話として書くことができてよかったと、しみじみ思っています。
 
まさか、夢みたいなアクシデントが自分の身に起きるなんて思っても見ませんでしたが、「事実は小説よりも奇なり」を実感した体験でした。
でも、意外と深呼吸をすると不思議と冷静になって、なんとかなるもんなのだと、夏休みにラジオ体操くらいでしかやらなかった深呼吸の偉大さと、ラジオ体操の有り難みを実感したのでした……。
そして、これからも何か想定外のことが起きた時(起きて欲しくはないけれど)、ラジオ体操の深呼吸を思い出して、冷静に対処できるようにしようと思ったのでした。
 
 
 
 
***
 
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2022-01-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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