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断捨離スイッチは手作りのウスターソース


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:齋藤由佳(ライティング・ゼミ12月コース)
 
 
私は、家の冷蔵庫の中を整理した。断捨離という言葉をよく聞くようになり、私も断捨離をしようと思っていたが、つい後回しになっていた。しかし、ウスターソースを手作りしたことで私の断捨離のスイッチが押された。
 
私は、食べることは好きだが、自分の作った料理には特別こだわってはいなかった。世の中には美味しいものがたくさんあり、自分が作るよりも美味しいお店の料理を食べることの方が好きだった。そんな私が「手作りのウスターソース」を作ったことで手作りの世界を発見した。
 
ある日、百貨店の食品売り場に行った。その日は、友人と食事の約束をしていた。しかし、友人から少し遅れそうだと連絡があり、私は百貨店の食品売り場を探索することにした。
 
私は、百貨店で食材を買うことはほとんどない。百貨店では、たまにお惣菜や手土産を買う程度だ。店内を回ると見たことのない調味料や食材ばかりでまるで別世界のように見えた。
 
ふと、目をとめたコーナーがあった。そこには見渡す限り壁一面のスパイスが並んでいた。クミン、シナモン、バジル、黒コショウ……と知っているものを見つけるだけでも苦労するくらいたくさんのスパイスが置いてあった。見てもどう使えばいいのか検討もつかない。
 
「スパイスでいろいろな料理が作れるようになったら楽しそう」と心の中で思うが、どのスパイスをどう料理に使えばいいのか全く見当がつかない。料理の苦手な私にはスパイスの壁は高かった。でも、なぜかスパイスを使って料理したくなってしまった。
 
よく見ると、キットになっているものがあった。
「グリーンカレー」、「インドカレー」、「カレースパイスセット」などいくつかあった。
その中で私は「ウスターソースセット」を購入した。
 
しかし、我が家では「中濃ソース」しか使わない。家族は、ソースを使う料理には「中濃ソース」をかけて食べていたので、食卓にウスターソースはなかった。そんな環境で育った私が、数あるスパイスの中からなぜか「ウスターソース」を選び、さらに手作りをするというハードルを乗り越えなければならなかった。
 
後日、私は意気込んでウスターソースを作り始めた。
円柱の箱を開けてみると、中に入っていたのは、レシピと数種類ブレンドされたスパイスとカラメル色素だけだった。
正直、「え?これでできるの?」と思った。
その他に必要な材料は、玉ねぎ、人参、ニンニク、砂糖、酢、塩だった。冷蔵庫にだいたいあるもので作れるのに驚いた。ソースといえば野菜や果物をたくさん入れて煮込むイメージだったからだ。
ウスターソース作りの工程は、まず、野菜を煮込み、スパイスを入れてさらに煮詰める。そして野菜を濾して残ったスープに調味料を入れて煮込み、最後にカラメル色素を入れる。そして、冷めたらお酢を入れて完成とレシピには書いてあった。レシピを見ながら順序通り進めてみると部屋中にスパイスのいい香りが立ち込めてきた。そして、カラメル色素を入れるとそれはもう「ウスターソース」だった。そして私は、冷めたスープにお酢を入れて「ウスターソース」を完成させた。スパイス会社が用意した手作りキットで私は、世界に一つしかないオリジナルのウスターソースを作り上げた。
 
レシピには、一ヶ月ほど熟成させると味が落ち着くと書いてあったが、私は今すぐ味わいたくなってしまった。味見をすると、市販のソースとは全く別物だった。フレッシュな香りとピリッとしたスパイスの味わいがする。このフレッシュさは他では味わえない味だった。レストランでウスターソースをかけて食べたことはあったが、手作りのウスターソースの味とは全く違っていた。
完成したウスターソースを見ながら「手の込んだ料理を作るだけが手作りではない」と思った。そして、手作りのよさは、使う材料により毎回違う味ができるのが手作りの醍醐味である。たぶん、今回の味は今日しか出せない味だろう。そして、ソースを継ぎ足していくことで我が家の秘伝のソースができる。作る人や使う食材により、違う味が生まれるのが手作りの奥深い物ところだと思う。
 
私は、ウスターソースを手作りしたことで、冷蔵庫の中に入っていた調味料を整理した。それは、私がやりたかった断捨離であったことに気がついた。そういえば、昔読んだ本のタイトルが思い浮べた。「フランス人は10着しか服を持たない」という本だった。
私もこだわりのものを10個だけ持って身軽に楽しみながらこれからの道を歩んでみたい。今までは外に向けて求めていたものを自分に目を向ける時間をとってみよう。そうしたらもっとより今あるものを大事にできるような気がする。手作りのハードルを乗り越えたことで、私はこれからの生活をシンプルで丁寧に過ごしていきたいと思うようになった。
 
ひと月が経ち、熟成されたソースを使いながら思う。さらに奥深い味わいのソース(人生)になることを楽しみに私は日々料理を作る。
 
 
 
 
***
 
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2022-01-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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