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キャンプに誘われて

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:むぅのすけ(ライティング・ライブ大阪会場)
 
 
『次の連休にキャンプ行かへん?』
あーまた始まった。夫からのお誘いだ。これで何度目だろう。
夫は一人でのソロキャンプや、バイク仲間とのツーリングキャンプも嗜んでいる。
一人でもいいんだけど……と言いつつかなりしつこく私を誘ってくる
たまの連休を、アウトドアでゆっくり過ごすのも悪くない、と個人的には思う。
でもしかし、である。
何度か家族でキャンプに行った時のことが頭をよぎってしまい、いつも即断できない。
そして結局、断ってしまう。
決してアウトドア故の不便さが理由ではない。そうした過ごし方も有事の訓練の真似事になるかと思うし、サバイバルの厳しさではないのだから、十分楽しめる。最近のキャンプ場はきれいに整備されて、トイレや水回りに心配のないところも多い。
それなら何が不安なのか
 
一番大きい理由は
キャンプに行ったら、疲れてしまう。ということである。
 
初めて夫とキャンプに行ったのはこどもが小学生の頃だった。こどもは楽しむものの、当然だがあまり戦力にはならない。
そもそも戦力としてあてにするものではなく、大人が上手にサポートして一緒に楽しめるようにできればよいので、起こる全てに家族みんなが全力で対処しながら、それなりに楽しく過ごすのだ。
楽しくて大切な家族の思い出で結構なことだが、やはり疲れるのだ。
キャンプ場に向かう途中に買い出しをすませ、着いてから荷物を運びテントを建てる。
それから食事の準備に取り掛かる。
全てがオートではなく人力によるものなのだ。
正直言って主婦のわたしは、たまの連休に旅行するとなった時、許されるなら何もしたくない。
上げ膳据え膳で、家事一切をわずらうことなく休みたいのが本音だ。
それなのにキャンプに行くと、せっかくなのだからとつい張り切って、あれこれレシピを探してはメニューを考え、当日も結局忙しくなってしまう。
『晩ごはんにはコレ、翌日の朝ごはんにはコレ、あ、お昼にはこんなのも食べたい……』
こんな調子で、せっせと炊事にいそしんでしまうのだから疲れるのは当たり前なのだ。
この行き先が温泉旅館だったら理想のゆっくり過ごせる非日常だと思うと、キャンプに誘われても二の足を踏んでしまう。
 
二番目の理由は
こどもが思春期真っ盛り、ということだ。
 
我が家は夫婦と息子が一人の3人家族で、旅行といえば必ず全員で行くものだった。
しかし現在は高校一年生なので、家族と一緒に出掛けることを嫌がるようになってしまった。
旅行なら行き先によってはなんとか一緒に行くこともあるだろうが、思春期真っ盛りの上に反抗期のピークも合わさって、さらに家での息子本人はスマホ三昧となれば、家族キャンプの誘いにのってくれないのは火を見るより明らかだ。
親が反抗期につきあうのは仕方ないが、無駄に関係が悪くなるのは避けたい。
ここはやはり、一緒に行くのはあきらめた方がよさそうだ。
息子が小さいうちは、夫婦旅行のために夜通し一人で留守番させることは考えられなかったから、夫婦だけの泊りがけで家を空けたこともない。
今は食事のことから戸締りや火の元については何の心配もない。ましてや一人で寂しいだろうかなどという気遣いは本人にとっては煩わしいものだろう。
兼ねてから息子に
『家で一人になりたいから、二人でどっか(旅行にでも)行ってきて』と言われていた。が、思春期と反抗期真っ盛りで生活態度が破天荒になった息子を信じることはできず、何しでかすかわからないと本気で思っていた私は、息子が小さい頃とは違う意味で、とてもじゃないが息子を置いて家を空ける気になれなかったのだ。
 
そんなわけで夫から誘われるたびに断っていたのだが、最近少し心境が変化してきた。
私自身に余裕ができたからか、キャンプに対して前向きに考えられるようになってきたのだ。
 
私が息子への過干渉をやめて、大人扱いができるようになったことで息子の態度は明らかに軟化してきており、それによって感じていた多くのストレスもお互いに緩和されてきたようだ。
こうなってくると、私は私でストレス回復に費やしていた多くのエネルギーを、もっと心地よく過ごすには何ができるか考えることに回せるようになってきた。
 
『アウトドアに疲れても、リフレッシュできるやん。アレコレ作ろうとしなくてもBBQとカップ麺で十分かも』という思考になり、第一の不安は解消した。
 
そして第二の不安も、息子との関係が前よりよくなってきたことにより、無駄に心配することがなくなって解消した。
 
そんなわけで時は出発の2日前、あれほど気が進まなかったキャンプに行く気になった。
早速、夫に断っていたことと間際の心変わりを謝りつつ、行きたくなった旨を伝えることにした。
夫はかなり驚いていたが、喜んで承諾してくれた。
2年連続でソロキャンプに行っていた日程らしく、3年目の今年も行きたいけど寒そうだし私には断られたし、となかなか踏ん切りがつかなかったところ、一緒に行けることになったことが嬉しいと言っていた。
 
かくして、私にとっての久しぶりのキャンプは、こどもができてからの夫との初めての旅行になった。
私の参加を心から喜んだ夫は、なんと自らホスト役をかって出て、食事のメニューは任せてくれと言ったので、今度は私が驚くことになった。
いつもと違う決断ができたことで、いつもと違う休日になりそうだ。
私だけじゃなく、妻と二人キャンプに臨む夫も、家で留守番をする息子にとっても、それぞれの初めての休日がきっとよいものになると信じて。
 
 
 
 
***
 
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2022-02-16 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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